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「ねばぎば 新世界」 [映画]

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〔2021年/日本〕


大阪の新世界で暮らす勝吉(赤井英和)は、
かつて、暴力団を潰して回っていた、
強い男。


そんな勝吉に惚れ込んでいる弟分のコオロギ(上西雄大)は、
勝吉に常にくっついている。


そんなある日、勝吉は、
口がきけない少年・武と出会う。
武は母親と共に、
カルト教団の施設で暮らしており、
母親は熱心な信者で、
武自身も洗脳されている。


しかも、そのカルト教団では、
勝吉にボクシングを教えてくれた
恩師の娘・琴音(有森也実)が幹部をしており、
勝吉はショックを受ける。


武と、武の母親、
そして琴音を救い出したい。
勝吉は、コオロギと一緒に、
教団に乗り込むが・・・。





試写会で観た。


大阪・通天閣の足元で暮らす、
赤井英和さん演じる勝吉が、
カルト教団に立ち向かう、
という物語。


日本ではタブー視されがちな、
宗教問題をテーマにした映画とは、
中々、度胸があってよろしい、と思ったけれど、
観ていて、ちょっと空しくなる。


なぜなら、
その宗教、
大きなヤクザの組や、
果ては、副総理までがバックについているそうで、
そうなると、どんなに勝吉が頑張っても、
駄目じゃん、と。


私は子供の頃、
もし、何か世間を揺るがすような出来事があったとして、
政治家や警察がそれを握り潰したとしても、
最終手段として、
テレビ局や新聞社に持ち込めば、
絶対ニュースにしてくれる、と信じていた。
報道とは、正義の味方なのだと。


でも、今は、そんな風には全く思えない。
テレビ局も、新聞社も、
忖度しかなく、
強い側の味方で、
権力には簡単に屈してしまうのだと、
いつの間にか思うようになっていた。
それが昔からなのか、
最近の傾向なのかは、私には分からないけど。


もちろん、映画は、
私の空しさを吹き飛ばしてくれるような、
赤井さんの強さがあって、スッとするけど。


上映後、
赤井さん、
徳竹未夏さん、古川藍さん、
そして、コオロギ役兼監督の上西雄大さんによる
舞台挨拶があった。

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あるシーンで、
使われた家は、
赤井さんのご実家だそうで、
赤井さんのお家のご商売の話や、
その家に引っ越した経緯などのお話がとても興味深く、
楽しかった。


それにしても、
赤井英和さんて、素敵な方だ。
まるで気取った所がなく、
いい意味で、普通のおじさんといった感じ。
徳竹さん、古川さんによると、
荷物まで持ってくれようとするほど優しかったそうだ(笑)。


評価 ★★★☆☆

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