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「シークレット・アイズ」 [映画]

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〔2015年/アメリカ〕


FBIの捜査官・レイ(キウェテル・イジョフォー)は、
殺人事件の連絡を受け、
同僚の捜査官・ジェス(ジュリア・ロバーツ)たちと現場に駆け付けた。
凌辱された挙句、ゴミのように捨てられた被害者を見て、
レイは絶句する。
それはジェスの娘だったのだ。


容疑者らしき男・マージンが、
捜査線上に浮かぶ。
しかし、時は2002年。
911事件直後のFBIは、
殺人事件より、テロ事件に力を入れており、
マージンは、ある政治的理由で釈放。
そのまま姿を消す。


それから13年間。
レイは毎日、PCに向かい、
マージンの行方を追っていた。
すると、ついに、
マージンによく似た男が、
ムショから出てきたことに気付く。


あいつだ、あいつに違いない。
レイは、
エリート検事補・クレア(ニコール・キッドマン)と共に、
マージン逮捕に全力を尽くすのだが・・・。





試写会で観た。


「衝撃のラスト」という事で、
楽しみにしていたけれど、
オチを観た時、
南米の某映画と同じじゃないか、と思った。


まさかハリウッドが、そこまであからさまなパクリはしないだろうから、
リメイクだと銘打っているんだろうな、と、
家に帰って調べてみたら、
あるサイトに、
「オリジナル脚本」として、
某映画の脚本家さんの名前が書かれてあった。


ただ、私は、
その、某映画のタイトルは、
絶対に、ここには書かない。
あの映画を観た方は、
タイトルを聞いただけで、オチが分かってしまう。
それほどインパクトの強いラストだったから。


いつも映画を観る時は、
極力、予備知識を入れないようにしているのだけれど、
今回は特に、何も知らずに観て良かった、と思った。
何度観ても、あのラストは衝撃。


それにしても、
この「シークレット・アイズ」の中の、
ニコール・キッドマンの、
マージンへの取り調べのカッコ良さったら!


ニコールはマージンのコンプレックスを刺激する。
マージンを挑発し、
口を割らせようとする。
「あんたのピーナッツじゃ・・・」云々と。(詳しくは映画を観てください(笑))
これはニコールが言うからいいのよねぇ(笑)。


ジュリア・ロバーツも、
ほとんどお化粧をしない顔で、
娘を殺され、悲しみのどん底にいる母を、
鬼気迫る演技で表現していた。
彼女の気持ち、分かる。


評価 ★★★☆☆

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「紀ノ川」 [映画]

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〔1966年/日本〕


明治32年。
22歳の紀本花(司葉子)は、
紀ノ川を下り、
旧家・真谷家の長男・敬策(田村高廣)に嫁いだ。


敬策の弟・浩策(丹波哲郎)は、
密かに花に惚れており、
偏屈な性格が、
ますます偏屈になってゆく。


花は、真谷家の家風に慣れた頃、
長男・政一郎を出産、
また、敬策は、
台風が来ると氾濫する紀ノ川の
堤防工事に尽力する。


その後も花は、長女・文緒を出産するが、
年頃になった文緒(岩下志麻)は、
古い家風に囚われる花に反発し、
何かと突っかかるようになる。


東京の女学校に入った文緒は、
ますます反抗的になるが、
結婚後、落ち着き、
花とも自然な会話をするようになるが・・・。





楽しかったなぁ、和歌山のオフ会。
あれから10日も経つというのに、
あの時感じた楽しい気分が
体から抜けない。
別にこの10日間がつまらなかったというわけではないのに、
やっぱり、あのオフ会が
強烈すぎたのね(笑)。


出席された皆様と、
あれを話せば良かった、あれを聞けば良かったと、
今になって考えちゃって(笑)。
皆様、本当に良い方ばかりだったから、
余計に楽しく感じたのだと思います。
またいつか行けるといいのだけれど。


私は和歌山市駅のホテルに泊まったのだけれど、
和歌山市駅の一つ前の駅、
「紀ノ川」の名前を見た時、
「あ」と思った。


「紀ノ川」といえば、
有吉佐和子さんの小説、
そして、映画にもなっている
名前ではないか。


小説は読んだ事があるけれど、
その時は和歌山が舞台とは、
意識もしていなかった。
じゃあ、どこが舞台だと思っていたかのかといえば
特に何も考えず、
「日本のどこかのお話」くらいの認識しかなかった(笑)。
(「華岡青洲の妻」も同じ)


その、「紀ノ川」の駅名を観た瞬間、
映画を観ていなかった事に、たまらない悔しさを覚えた(笑)。
古い邦画は大好きなはずなのに、
なぜ「紀ノ川」は観ていなかったんだろうと思うけど、
理由は長いから(笑)。
172分もあるから、
いつかいつかと思いながら、後回しになっていたのね。


で、昨日、観てみた。
ちゃんと和歌山を意識しながら。
原作がそうだから仕方ないけど、
大河ドラマ風で、大味。
でも、飽きる事なく、
3世代の女の人生を楽しむ。


ところで、「紀ノ川」のイントネーションって、
本物の和歌山のかたはどう言っておられるのだろう。
映画のセリフだと、
関東の私の耳には、「木の皮」に聞こえる。
私はどちらかというと、
「ノ」にアクセントがある感じで読んでいたのだけれど、
他の関東のかたは、どうなんだろう。
今度、誰かに、何も知らせずに聞いてみよう。


評価 ★★★☆☆

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「素敵なサプライズ ブリュッセルの奇妙な代理店」 [映画]

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〔2015年/オランダ〕


オランダの貴族・ヤーコブ(イェロン・ファン・コーニンスブルッヘ)は、
幼少時に父親を亡くしたショックで、
一切の感情を持たないまま成長してきた。


そんな彼を愛し、心配してくれた母が死ぬ。
もう生きている意味などない。
自死しようと、様々な方法を試みるも、
邪魔が入ってばかりで中々実行できないヤーコブは、
車で出かけた海沿いの断崖で、
殺人らしき光景を目撃する。


現場に落ちていたマッチ箱に書かれていた、
ベルギーの謎の会社に行くと、
なんとそこは、
「あの世への旅立ちをお手伝い」してくれる代理店だった。


社長のジョーンズから薦められるまま、
「サプライズコース」を選んだヤーコブだが、
同じ時、店に来ていた、
アンネ(ジョルジナ・フェルバーン)と出会い、
彼女と会う度に、
生きる意欲が湧くようになる。


しかし、「サプライズコース」は解約不可。
彼を殺そうとする手が迫り、
2人は逃げ回る羽目に・・・。





自殺願望のある男が、
「旅立ち代理店」(旅行代理店ではない(笑))に
自分の死を依頼するも、
恋に落ちた事から、
死から逃れようとする物語。


やっぱり恋のパワーはすごいなぁ。
灰色だった今までの人生が
バラ色に輝いて、
死さえ乗り越えてしまうんだから。


ただ、
たとえ恋をしなくとも、
私から見たら、
ヤーコブの人生は羨ましいと思うんだけど(笑)。


貴族の彼は、
それはもうビックリするような
家に住んでいる。
いや、あれは家ではなくお城。
私は、物欲はあまりないけれど、
家には強く心惹かれてしまう方だから、
素敵なヤーコブの家を、
うっとりするような気持ちで見ていた。


死にたい願望のある彼は、
使用人たち全員に解雇命令を出す。
すると、ぞろぞろと沢山の人たちが、
庭から外に向かって歩き出す。
気になって、急いで数えてみたら、
約20人!


彼の金持ちっぷりを表すのに、
沢山の高級車の場面などがあるけれど、
車より使用人の数の方が、
私には分かりやすく、
とても面白く感じた。
だって、20人って、普通じゃないでしょ(笑)。


「旅立ち代理店」では、
自分の死をお願いするわけで、
その願望を聞き入れてくれる。
例えば、
釣りの好きな人なら、
釣りをしている最中に死ぬ、みたいな。


私だったらどうするだろうと考える。


この映画の例からいくと、
私の場合、映画館の椅子で、
映画が終わったら死んでた、というのが
理想かなぁと思う。
ただ、他のお客さんの鑑賞を妨げるのは
絶対に嫌だから、
(自分もされたくない)
あくまでも眠るように、ね(笑)。
まぁ、それもこれも、架空の話だから
面白いって事で。


評価 ★★★☆☆

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「さとにきたらええやん」 [映画]

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〔2015年/日本〕


試写会で観た。


日雇い労働者の町として知られる、
大阪市西成区釜ヶ崎。
この町で38年続く、「こどもの里」。
皆から「さと」と呼ばれるこの家にカメラが入り、
その生活を撮影したドキュメンタリー。


この「さと」は、
様々な理由で家に帰れない子や、
学校帰りに遊びにくる子、
そして、親たちも悩みを相談できる、
憩いの家のような役割を果たしている。


館長の荘保共子さんは、
ここに来る人々を全て受け止め、
サポートしてくれる、みんなのお母さん。


私の究極の意見を言えば、
このような施設が全く必要がなくなるような、
全ての子供が幸せになれる社会が理想なのだけれど、
そんなのは当然綺麗事で、
有り得るはずもなく、
困っている人々の拠り所として、
「さと」はそこに存在する。


さらに、この手の映像を見る度に
子供の「今」をサポートすることも大事だけれど、
負の連鎖を断ち切る事が、
とても重要ではないかと、いつも思っていた。


兄弟でいざこざがあると、すぐ手が出てしまう、
中学生の少年・ジョウ君を、
「さと」の男性は、
厳しく叱る。


「家族が気に入らない時は殴ってもいいのだと、
君は教わったかもしれないけど、
それは大きな間違いだ。
どんな時でも、如何なる時でも、
絶対に暴力を振るってはいけない」と。
 

プロでもない私が、
余計な事を言うのは違うかもしれないけど、
こういった言い聞かせは、
とてもとても大切なのではないかと、そんな気がする。
このジョウ君だって、
大人になり、いつか結婚するかもしれない。
彼が家族を作った時は、
家族を殴る夫でなく、
家族を幸せにする夫になってほしい。


高校を卒業し、
介護施設に就職が決まったまゆみちゃんは、
お給料の入る通帳を母親に渡さない方がいいと、
荘保さんから進言される。
これもある種の連鎖だ。
どんなに頑張って働いても、
その報酬が右から左に流れてしまっては、
何の意味もないし、
空しくなった少女が転落する可能性だってある。
彼女は真面目で優しい子だ。
その優しさが仇にならないように注意する、
それも「さと」の役目なのだろう。


「さと」で起こる事の多くが、
難しい問題だし、
きっとカメラには映らない、
様々な事情もあるだろう。
いつも映画を観ると、
なんだか茶化したくなってしまう私だけれど、
この映画は茶化せなかった。
いや、製作者側や、
出てくる子供たちは、
私が思うよりずっと強いのだとは分かっているけれど。


評価 ★★★☆☆

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「二ツ星の料理人」 [映画]

futatsubishinoryorinin.jpg
〔2015年/アメリカ〕


元はパリのレストランでシェフをしていた
アダム・ジョーンズ(ブラッドリー・クーパー)は、
トラブルを起こし、
店からも、パリからも、姿を消す。


3年後。
ロンドンでの再起を賭けるアダムは、
レストランを経営する友人・トニー(ダニエル・ブリュール)に会い、
「お前の店を三ツ星レストランにしてみせる」と、
強引にシェフの座に就く。


アダム自身が選んだ料理人、
エレーヌ(シエナ・ミラー)や
ミシェル(オマール・シー)を迎え入れ、
レストランを新装開店。


しかし、傲慢な性格のアダムは、
厨房で浮きっぱなしの上に、
パリ時代に作った借金がまだ残っており、
取り立ての怪しい2人組が、
しょっちゅう現れる。


そんな中、
ミシュランの調査員と思われれる、
男性の2人組が店にやってきて、
厨房の緊張が一気に高まるのだが・・・。





試写会で観た。


このブログに何度か出てきている、
ブラッドリー・クーパー命の友人に、
試写会が当たった事を伝えたら、
めっちゃ羨ましがられた(笑)。


でも、私のようなユルーい仕事っぷりではない友人は、
定時で上がって、
劇場に駆けつけるのはまず無理だ。
なので、今ではすっかり試写会友(笑)になってしまった
ブログのお友達、yonta*さんと一緒に観る♪


ブラッドリー・クーパーのレッドカーペットに参加した事は、
以前、このブログで書いた。
http://aomikamica.blog.so-net.ne.jp/2011-02-08
めちゃくちゃハンサムで驚いた事、
そして、それ以上にビックリな、
石田純一氏のエピソード。
彼を見習えば、男性はきっとモテるようになると思われます(笑)。


で、この映画。


そのブラッドリー・クーパーが、
とっても嫌な男を演じている。


彼は厨房で怒鳴り散らす。
他のシェフたちが思う通り動けなかったり、
料理が上手くいかないと。
あんな風に怒られたら、
私だったら、萎縮して、
余計に失敗してしまう。
怒られて発奮するタイプの人もいるんだろうけど、
私には無理。
褒められて、おだてられないと、やる気が起こらない女(笑)。


そんな彼だから、
恨みを持つ人も多いようで、
途中で、とんでもない裏切り行為をされる。


「そ、それはないよー」、と思ったし、
クーパーも、ショックで荒れまくる。
ただ、この手の映画がたいていそうであるように、
お話しは好転すると思ったし、
それは予想通りだったから、
心配は不要だけど(笑)。


ミシュランの調査員の様子が
めっちゃ興味深い。


彼らは、正体を明かさずにお食事に来るって設定なんだけど、
それは本当なのかしら。
まぁ確かに、抜き打ちでないと、
お店の本当に味や、雰囲気を採点できないのは分かるんだけど。


その分、お店は大変!
調査員らしき人が来る度に、
厨房は大騒ぎ、緊張はピーク。


舌の肥えてる人って凄いなぁ。
私は、お料理ができる人ってだけで
尊敬しちゃうから、
微妙な味の差で食べ物を審査できる人は
超人とさえ思えてしまう。


評価 ★★★☆☆

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