「御身」

〔1962年/日本〕


商事会社に勤めるOL・矢沢章子（叶順子）と、
勤労学生の弟・利夫（六本木真）は、
身寄りもなく、2人だけで慎ましく暮らしていたが、
ある日、
利夫が、勤務先の課長から預かった50万円を、
スリに掏られてしまう。


なんとかして、一週間以内に、
返済しなければならない。
困り果てた章子は、昔同じアパートに住んでいた
バーのマダムに相談に行く。


マダムは、
ちょうど店に来た、
大企業の社長・長谷川（宇津井健）に、
50万円で、3か月、
章子を自由にしないかと持ち掛け、
長谷川は、それを承諾する。


しかし、長谷川は、
その後、章子に会っても、
まるで手を出す素振りを見せない。
50万円の代償として、身を投げ出す覚悟を決めていた章子は、
長谷川の気持ちが掴めず・・・。





これは面白い。
宇津井健さんが、
素敵なおじさま過ぎる（笑）。


弟の失敗のために、
50万円で、自分の体を売ろうと決めた、
叶順子さんだけど、
彼女を買った宇津井健さんは、
とても紳士で、
逆に、叶さんは困惑してしまう。


宇津井さんは、決して真面目というわけでなく、
愛人が2人もいて、
さらに、財閥の未亡人との再婚話まである。
なのに、自分には指一本触れようとはしないのだ。


叶さんは、そんな宙ぶらりんな関係に、
自分がどうしていいのか分からず、
むしろ、手を出してくれた方が
スッキリするとも思う。
これでは、50万円を
タダ取りしたような形になってしまうものね。


いや、50万円どころではない。
宇津井さんは、叶さんに、
高価な腕時計や、
服や、
真珠のネックレスを買ってくれる。
ちょっと羨まし・・・
・・・いやいや（笑）、
そんな風に、知らない人から物を買ってもらうなんて、
私は嫌だな。


叶さんには、恋人がいて、
彼は、急に自分と会おうとしなくなった叶さんに、
その理由を知りたくて、
彼女の身辺を嗅ぎまわるんだけど、
ついに、宇津井さんの存在を突き止めて、
彼に殴りかかる。
でも、そんな時でも、宇津井さんは大人の対応。


それから、
叶さんと、弟の喧嘩のシーンも、
よく出来ていた。
宇津井さんの存在を知った弟は、
めっちゃ怒るんだけど、
観ているこちらにしたら、
「元はと言えば、お前が鈍くさいから、こんな事になったんじゃ！」
と言いたくなり、
叶さんも、それに近い事を言う（そんな汚い言葉ではないが（笑））
で、喧嘩は一件落着。
姉弟の絆を深める、いい場面だった。


ラストは、めっちゃハッピーエンド。
すごくいい。


教訓。
目的の女を手に入れようと思ったら、
決して焦ったり、ガツガツしてはいけない。
相手がその気になるように、
紳士的に振る舞い、その時を待ちましょう（笑）。


評価　★★★★★

コメント 12

この頃の50万円て今では幾らくらいの価値なのかね(・・?
by 英ちゃん (2020-10-29 13:27) 

英ちゃんさん
コメントありがとうございます。

私も気になって調べてみましたら、
このサイトによりますと
　↓
https://nenji-toukei.com/n/kiji/10023
サラリーマンの月給が
2012年で326,000円
1962年で22,894円ですので、
単純計算すると、
約700万円といったところでしょうか＾＾；

by 青山実花 (2020-10-29 13:51) 

まさに宇津井健さんのイメージ通りの作品ですよね。＾＾
40年前の11月に結婚を見守った　血のつながらない娘さんも幸せに
暮らされているようなので　他界された今でも好きな役者さんです。
（なんか話がごっちゃ！＾＾；）
BGって何なのかと思ったら　ビジネス・ガールのようですね！＾＾
by ゆうのすけ (2020-10-30 01:04) 

おはようございます。
見てみたいですね。宇津井さん。
原作：源氏鶏太さん。いいですね。
by sigedonn (2020-10-30 06:12) 

わたしの記憶にある宇津井健さんはテレビの「赤い」シリーズ
このころからジェントルマンのイメージ役者だったのですね。
気になりググってみたら2014年82歳で亡くなっていて、
その当日に80歳の女性と再婚したようです。

by わたし (2020-10-30 08:09) 

ゆうのすけさん
コメントありがとうございます。

血の繋がらない娘さんとは、百恵さんの事でしょうか＾＾
百恵さんも父親の事ではご苦労されたようですので、
宇津井さんはお父さんみたいなものだったのかもしれませんね。

BGといういのは、外国では娼婦という意味になってしまうので、
OLに変わったようです＾＾；

by 青山実花 (2020-10-30 19:23) 

sigedonnさん
コメントありがとうございます。

原作が源氏鶏太さんなので、
悲惨な話にならず、
ハッピーエンドなのかな、と思いました＾＾

by 青山実花 (2020-10-30 19:24) 

わたしさん
コメントありがとうございます。

赤いシリーズの百恵さんの結婚式では、
仲人さんをされたようですね＾＾

亡くなる5時間前に籍を入れたとかで、
当時物議を醸しましたね。
その後、遺産相続問題が勃発したようで、
亡くなってから、
ちょっと残念なイメージがついてしまいました。

by 青山実花 (2020-10-30 19:24) 

「御身」という言葉、相手を思いやる気持ちが伝わりそうで、使っています。この映画がハッピーエンドでよかったー。
by Ginger (2020-11-01 17:45) 

Gingerさん
コメントありがとうございます。

「御身」って、綺麗ないい言葉ですね＾＾
私も叶順子さんがお幸せになりそうな予感に
ホッとしました＾＾
by 青山実花 (2020-11-03 15:35) 

おい！ホントだろうな！。

「相手がその気になるように、
　紳士的に振る舞い、その時を待ちましょう」。

信じるぞ、いいんだな？！。

とりあえず、これからしばらくボクは
小芝風花さんの周りを紳士的に毎日、
うろつくことをここに誓います。

ちなみに「その時」はいつ来るんですか？。
「その時」は本当に来るんですね？。

もし、来なくてストーカー扱いで
逮捕されたりしたら、
全部、青山実花さんにそそのかされてやったと、
警察で自白しますよ？カツ丼を食いながら…。


by 裏・市長 (2020-11-15 01:56) 

裏・市長さん
コメントありがとうございます。

裏・市長さんともあろうお方が、
何か目標が小さすぎやしませんか？

本当に小芝風花さんでいいんですか？
確かに小芝さんは可愛いですけれど、
女優としては、もっと大物が沢山おられます。

裏・市長さんなら、
綾瀬はるかさん、
あき竹城さん、
清川虹子さん、
京唄子さん、
浦辺粂子さんなどなど、
もっと相応しい方がおられるではないですか。

既に亡くなられている方もおられますが、
裏・市長さんのストーカーなら、
きっと喜んで迎えてくださると思いますよ。

by 青山実花 (2020-11-16 13:02)