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「女人哀愁」 [映画]

nyoninaishu.JPG
〔1937年/日本〕


銀座で働く入江たか子は、
従兄の佐伯秀男に、
仄かな恋心を抱いており、
親から見合いを勧められていると相談する。


しかし、入江の気持ちに気付いていない佐伯から、
結婚すればいいと言われ、
大きく乗り気ではないものの、
見合い相手・北沢彪のもとに嫁ぐ。


北沢は裕福な家の長男で、
入江は彼の家族と同居するが、
家族は入江を家政婦扱いし休む暇もない。


さらに、家を出ていた北沢の妹・澤蘭子が、
戻ってくる。
澤は、大川平八郎と同棲していたのだが、
彼の生活力の無さに呆れ、
見限ったのだ。


しかし、大川は澤を忘れられず、
北沢の家を訪ねてくる。
そんな日々の中、
入江は、自分の置かれている状況への疑問が
日に日に募ってゆき・・・。





1930年代の女、そして家族の有り方が分かって、
とても興味深い映画だった。


入江たか子がとにかく従順で、
嫁いだ先でこき使われても、
笑顔で応える様子に、
こちらのフラストレーションがたまる。


けれど、当時の女がみんなこんなだったというわけではないようだ。
北沢彪の妹たちは、
「自分は入江のような、従順な嫁にはなれない」と言ったり、
友人たちと、
「結婚するなら絶対恋愛よねー」などと、
声高に話したりする。


北沢の両親も妹たちも、
特に入江をいびっている自覚はないように見える。
自分でできる事まで、入江にやらせようとするけれど、
それは彼女が大人しくて、
それを幸福だと思っているからだと勝手に決め付けている。
「あの人は趣味もないし」などと、
入江に聞こえる場所で言っている。


無給で無休の家政婦を雇ったような感覚らしい。
「出来ない事は出来ないと言った方がいいよ」と
言いたくなるけれど、
性格的なものは、もうどうしようもないのだろう。


けれど、そんな入江も、
大川平八郎の様子には羨ましさを感じるようで、
何かが目覚めてゆく。
自分を特に愛してくれているとは思えない夫と比べて、
大川は、何度も澤を訪ねてくるくらい情熱的だものね。


ラストは胸がスッとするけれど、
このオチは、
当時の女性には「有り」だったんだろうかという思いも残る。


評価 ★★★☆☆

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さつき

どんなオチなんでしょう?気になりますね・・。
遠山記念館の記事についてのコメント、かえって恐縮です。青山実花さんの思いが感じられます。
分かりにくい場所ではなかったですか?
by さつき (2013-10-13 11:03) 

青山実花

さつきさん
コメントありがとうございます。

オチは、この当時の女性にしては、
新しいのではないかと感じます。
当時を知らないので、絶対とは言えませんが^^


それから、遠山記念館、
私も建築物に詳しいわけではないのですが、
いつか古い日本家屋に住んでみたいという思いが強くて、
遠山さんのお家が、私の理想にピッタリだったものですから(笑)。

いつもそうなのか、
私が行った時が偶然なのかは分かりませんが、
見学中、最初から最後まで他のお客さんが一人もいなくて、
貸し切り状態でした(笑)。
さつきさんのコメント欄で、
「大の字になって昼寝をしてみたい♪」と書かれていましたが、
友人は、さすがに横にはなりませんでしたが、
足を伸ばして座って、庭を見ていましたよ(笑)。

電車とバスを乗り継いで行ったのですが、
看板が出ていたので辿って行けました。
遠足気分で楽しかったです。

by 青山実花 (2013-10-16 21:46) 

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