「愛の泉」 [映画]
〔1954年/アメリカ〕
アメリカ娘・マギー・マクナマラは、
イタリアで秘書の仕事を得、やって来る。
同じくアメリカ娘のジーン・ピータースが、
寿退社してアメリカに帰る為、その後釜だ。
作家・クリフトン・ウェッブの秘書を務める、
これまたアメリカ娘の友人・ドロシー・マクガイアと一緒に、
高級アパートで暮らしているジーンは、
マギーにも、同じ部屋に住むように勧める。
ある日マギーは、公爵・ルイ・ジュールダンと知り合う。
彼に恋をしてしまったマギーは、
なんとか彼に気に入られたいと、
彼の好みをリサーチ。
オペラや絵画や楽器や料理やワインの
付け焼刃の知識で、公爵を驚かせる。
一方、ジーンは職場のロッサノ・ブラッツイと惹かれ合っているが、
恋愛厳禁という規則の為、
気持ちを打ち明けられずにいた。
実は彼女がアメリカで結婚するというのは嘘で、
恋を実らせられないイタリアが嫌になったというのが本音なのだ。
しかし、偶然からロッサノから実家に招待されたジーンは、
そこで互いの気持ちを確認する。
恋は軌道に乗り始めたかに思えたが、
職場恋愛したと言われ、ロッサノはクビになってしまう。
マギーとジーンの恋愛模様を見ていたドロシーは、
自分の淋しさに気付き、
クリフトンに、「アメリカに帰る」と宣言する。
クリフトンは驚き、慌ててドロシーにプロポーズ。
ずっと長い間、彼に片思いしていたドロシーは、
天にも昇る気持ちになるが、
思いがけない運命が待ち受ける。
3人の恋はどうなるのか・・・。
全編・イタリアを舞台にした、
アメリカ人の女の子の物語。
イタリアの見どころが沢山出てくる。
特に、噴水など、水に関する場面が多い。
もちろん一番のメインはトレビの泉。
後ろ向きにコインを投げ入れると、
ローマへの再訪が叶うと言われる場所。
当時、この映画で、
トレビの泉は一躍有名になったのだそうだ。
イタリアと言えば、
男がやたらと、道行く女に声を掛けるというくらい、
恋愛に自由な国なのかと思っていたけれど、
この映画の男たちは、
とっても真面目。
時代のせいなのか、
イメージ自体が間違いなのか。
そもそも職場が恋愛厳禁というのが辛い。
ロッサノは、
ジーンと同じ車に乗っていたというだけで、
クビを言い渡されてしまうのだ。
ただ、ロッサノは紳士的な態度を決して崩さない。
彼のお部屋にきたジーンに、
「(男の部屋に来るなんて)いけないよ」と言い、
簡単に手を出そうとはしない。
(まぁ、結局は結ばれるけど(笑))
うーん、やっぱりイタリア人のイメージと違う。
ロッサノがジーンを誘った車というのが笑える。
それは小さなトラックで、
荷台には、妹や大勢の親戚たちが乗っている、
見るからにオンボロな代物。
ブレーキが弱いらしく、
止まる時は、
男が2~3人飛び降りて、
車の前を手で押さえる。
危ないったらありゃしない(笑)。
マギーが公爵の気を引こうと、
彼の好みをリサーチするのって、
そんなに悪い事?
恋愛に作戦はつきものなのに。
もちろん嘘は良くないけど。
公爵が公爵じゃなくて、
ただの貧乏男だったらどうだろう。
可愛い恋愛エピソードになるんじゃないかしら。
地位や金で相手を判断するのは、
誰もが同じって事だよね。
コメディってほどじゃないけど、
シリアスってわけでもない、
女の子3人の恋愛映画。
評価 ★★★☆☆
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