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◆つるかめ助産院◆ [本]


つるかめ助産院

つるかめ助産院

  • 作者: 小川 糸
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2010/12/03
  • メディア: 単行本


“男に蒸発された主人公”という出だしに、
少しげんなりする。


これじゃ、前に出版された
著者の「食堂かたつむり」とまるで同じじゃないか、と。


これは、内容の方も期待できないかなと、
読み進めたら、
いやいや、
出だしは同じでも、ストーリーは全然違う。
とても良い。
わたし的には、「食堂かたつむり」よりずっと好き。




夫に蒸発されて途方に暮れる小野寺まりあは、
以前夫と旅した南の島に行けば、
夫の蒸発の理由の何かが掴めるかもと、
一人旅立つ。


船酔いでフラフラの所に声を掛けてくれたのが、
島で助産院をしている鶴田亀子先生。


色々あるが、まりあは、
鶴田先生の所で寝泊まりし、
仕事をするようになる。


・・・というのが大まかなストーリー。
その助産院というのも、
最初は、「変なこだわりのある、カルトみたいな所だったら嫌だな」と
思っていたのだが、
そんな事はまるでなく、
先生も、
「どんな経過であれ、赤ちゃんが元気に生まれるのが良いお産」と公言する、
普通の助産院。


まりあにも、先生にも、そこで働く人たちにも、
それぞれ事情があって、
少しずつそれが分かってくる。


先生の言葉でとても感動した箇所があって、
なんだか目が覚めたような気がした。


相変わらず食べ物の描写が大変に良い。
特に今回は、
私の大好きなエスニック料理が沢山出てくる。
すぐに影響されて、ココナッツミルクカレーを作ってしまったよ(笑)。

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コメント 4

yonta*

この本も、食堂かたつむりも、とても興味はあるのですが、
例によって未読です^^;
私も、タイカレーとか生春巻きとか大好きです。
冷蔵庫にナンプラーがないと落ち着きません(笑)。
やっぱり読んでみようかなあ・・お腹空いてしまいそうですけど・・
by yonta* (2011-07-04 22:00) 

坊や

食べ物をリアルに美しく描くことで、「生」の実感と幸福感が、より鮮明に
印象付けられますね。 かもめ食堂。 めがね。 南極料理人。しかり・・
美味しく食べることはストレートな幸せです。 食欲はどんな〇〇欲にも
敵わないと僕はおもいます。 
by 坊や (2011-07-05 11:04) 

青山実花

yonta*さん

どうぞ、読んでみて下さい。
私は癒しとかはよく分からないけれど、
なんだか時間がゆっくり流れる気がします。

それから~、嬉しいです~。
私もタイ料理やベトナム料理が大好きです。
でもyonta*さんは私よりずっと凄いです。
私の冷蔵庫に、ナンプラーは入ってないです(笑)。
ご自分でお作りになるのでしょうか。
私はココナッツカレーも、この間作ったのが初めてです(笑)。
by 青山実花 (2011-07-05 11:47) 

青山実花

坊やさん

全く同感です。
そこに食べ物が描かれると、
映画や本の印象がぐっと強くなりますね。
「コックと泥棒、その妻と愛人」のような、
逆の意味での強烈な印象もありますが(笑)。

やっぱり人間に最後に残るのは食欲なんでしょうね。
美味しいもの、好きなものを食べている時は、
本当に幸せです。
ただ食い意地が張っているだけなのでしょうが(笑)。

by 青山実花 (2011-07-05 11:52) 

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