「トランス 愛の晩餐」 [映画]
〔1982年/西ドイツ〕
人気ロックスター“R”の熱狂的ファンであるシモーヌは、
ドイツの地方都市に住む女子高生。
熱に浮かされたように“R”の事だけを考え、
学校も休みがちな日々。
いくら待っても来ない“R”からのファンレターの返事に業を煮やした彼女は、
ヒッチハイクでミュンヘンに行き、
テレビ局の入り口で“R”を待っていたところ、
車から降りてきた“R”に気に入られ、アパートの空き室に連れて行かれる。
そこで“R”に抱かれ、
夢心地なシモーヌだったが、
“R”にとって彼女は所詮、大勢いるファンの一人。
事が終わった途端、急に冷たくされた彼女は、
衝動的に“R”を殺してしまう。
そこから彼女の「儀式」が始まる。
“R”の遺体を解体し、それを食する。
彼女にとって、それは“R”と自分の結びつきを強固にする行為だった。
異常なファン心理と、カニバリズムを描いた内容だが、
それより私は、
思春期の少女の不安定さ、
あの年代特有の、思い込みの激しさが上手く表現された作品だと思った。
それに、「憧れのスターを一目見てみたい」って気持ちは、
ミーハーの私も十二分に持ち合わせている感情だし。
食いたくはないけど(笑)。
この映画、嫌いじゃない。
粗筋やジャケット写真はセンセーショナルだが、
グロテスクな場面は殆ど出てこない。
その辺はソフトに表現してあるので、
観ていて気持ちが悪くなるような事はない。
評価 ★★★☆☆
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