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「六本木の夜 愛して愛して」 [映画]

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〔1963年/日本〕


21歳の大学生・昌章(峰岸徹)と、
16歳の女子高生・千景(中川ゆき)は、
六本木で出会った。


昌章は母を亡くし、
裁判官の父は多忙、
そして、千景は父を亡くし、
クラブを経営する母もまた多忙。
愛に飢えた2人は、
強く惹かれ合う。


ドライブしたり、
遊園地で遊んだり、
スケートしたり、
楽しい時を過ごす2人。
しかし、千景は、
何かをきっかけに、
突然不機嫌になるなど、
エキセントリックな面がある。


実は、千景は、
4カ月ほど前、
辛い事件を体験しており・・・。





これは切なく、悲しい物語。


愛に飢えた2人が、
六本木で知り合って、
互いの穴を埋めるように、
惹かれ合うのだけれど、
全編、ずっと淋しさが漂い、
辛い。


タイトルの、
「愛して愛して」が、
2人の心からの叫びのように感じられて、
観る者の心に沁みる。


特に、中川ゆきさんの演技が素晴らしい。
小悪魔なようで、
でも、まだ子供で、
辛い過去を抱えているけれど、
湿っぽくはなく、
峰岸徹に甘えてみたり、
翻弄したり、
実に魅力的。


それから、この映画の、
もう一つのみどころは、
60年代の六本木。


セリフの端々から、
当時から六本木が最先端なのは
伝わってくるけれど、


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夜の街が華やかとはいっても、
この程度。


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東京タワーが見えるだけで、
今の六本木とは、まるで別の街みたい。


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そして、貴重なのは、
この写真からも分かるように、
全編通して、
東京メトロ日比谷線の、
工事が見られる所。


オリンピックを控えた東京は、
突貫で工事を急いでいたという。


そして、この工事こそが、
この映画のアクセントになっている。


評価 ★★★★☆

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