「太陽が知っている」 [映画]
〔1969年/フランス〕
サントロペの別荘で休暇を過ごしている、
ジャン・ポール(アラン・ドロン)と、
マリアンヌ(ロミー・シュナイダー)のカップル。
そこへ、2人の共通の知り合いである、
ハリー(モーリス・ロネ)と、
ハリーの娘・ペネロープ(ジェーン・バーキン)が
やって来る。
ハリーは、マリアンヌと恋人同士だった過去があり、
今は、売れっ子音楽家。
売れない作家のジャン・ポールは、
彼の出現が、なんとなく面白くない。
微妙な均衡を保っていた4人だが、
数泊を共にするうちに、
その関係が崩れてくる。
或る夜、
ハリーから自分を見下すような
言葉を投げられたジャン・ポールは、
彼をプールに沈めて殺害し・・・。
7月16日。
女優のジェーン・バーキンさんが亡くなりました。
ジェーンは私にとって、
特別な人でした。
あれほど魅力的な女は、中々いないように思います。
美しさと、可憐さと、
人形のように可愛いのに、
あまり化粧もせず、
シンプルで、ナチュラルで、
全然気取らないその様子に、
そうありたい、と思わせてくれる人でもありました。
私が今更書くまでもありませんが、
エルメスの最高級のバッグ「バーキン」は、
ジェーンの為に作られたものである事は有名です。
当時、ジェーンは、どこへ行くにも、
籐の籠に無造作に私物を詰め込んでいたため、
見かねたエルメスが作ってくれたんだとか。
そんな風に、物に拘らないジェーンの為のバッグなのだから、
もっと多くの人が
手軽に買えるような価格ならいいのに、
と、ちょっと思ったりするのですが、
それとこれとは別問題なのでしょうね(笑)。
ジェーンの訃報を知り、
彼女の映画を何か観たいと思って、
選んだのが、
この「太陽が知っている」。
出演者はほぼ4人だけの、
避暑地の別荘の中で始まり、
完結する物語。
アラン・ドロンとロミー・シュナイダーは、
実生活でも、別れた恋人同士だったようで、
そこに18歳のジェーンが加わるのですから、
そりゃあ、観ている側のテンションも
上がるってもんです(笑)。
しっかし、フランス人の恋愛ゲームは、
凄いですな。
愛し合っているはずの男が、
18歳の小娘に、
何となく惹かれている事を感じた女は、
「半日ばかり、出掛けてあげましょうか」と。
つまり、男と小娘を2人きりにしてあげるから、
その間に、どーにかせぇと。
私には考えられん。
そんな、
猫とネズミを、わざわざ同じ檻に入れるような事は(笑)。
そういえば、最近、
アラン・ドロンが、
同居する日本人女性から虐待されていると、
ご家族からの告発があり、
告発された女性は反論しているというニュースが、
大きく報道されましたね。
女性をこよなく愛したアラン・ドロンが、
女性から虐待されるという、
そんな醜聞・・・。
真偽は分かりませんし、
遺産の問題なども絡んでいるのかもしれませんが。
年を取るのは当たり前の事だし、
みんな平等だけど、
天下のアラン・ドロンでもそんな事になってしまうのだなぁと、
悲哀を感じたニュースでもありました。
昔のままのジェーンもドロンも、
もういない。
評価 ★★★☆☆