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「非常宣言」 [映画]

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〔2022年/韓国〕


シングルファーザーのジェイ(イ・ビョンホン)は、
小学生の娘と一緒に、
ハワイ旅行に行くため、
空港にいた。


すると、怪しげな若い男(イム・シワン)が、
ジェイに絡んできて、気持ち悪く思う。
さらに、その男が、
同じ飛行機に乗り込んできたので、
嫌な予感を感じる。


飛行機が飛び立って少ししたあと、
トイレに入った男性客が、
突然苦しみ出し、
すぐに死ぬ。


ジェイの娘が、
「あの若い男が体に何か隠しているのを見た」と訴えたため、
乗組員たちが男を拘束する。
男は、悪びれることなく、
自分はバイオテロリストだと・・・。





これは娯楽物として楽しめる。


不気味な若い男が、飛行機のトイレに、
人工的に作られたウイルスを仕掛け、
乗員乗客が、
次々死んでゆく。


当然、飛行機の中はパニックとなり、
感染していない者は、
感染したと思われる者を排除しようと躍起になり、
争いが起こる。


それから、
国際問題の視点からも、
とても面白いと思った。


ウイルスに冒された飛行機は、
まず、アメリカへの着陸を要請する。
しかし、アメリカは拒否。


すると、
次に要請されたのが、日本だ。


うわぁ、
これは難しい問題だよ。
拒否すれば、日韓関係は、
ますます悪化しそうだし、
かといって、
アメリカも受け入れないような、
ウイルスいっぱいの飛行機を
受け入れたりしたら、
一体どういう事になるのか、とも思う。


特に、日本人の私たちは、
コロナの、一番最初の騒動である、
「ダイアモンド・プリンセス号」のトラウマが
まだ生々しい記憶として残っているし、
もう、同じ事は二度と嫌だという思いがある。
受け入れてあげたい気持ちは山々だけど、
映画の日本政府が、
どう判断するのかが、
日本人として、
大きな見どころ。
とりあえず、
その判断と、理由に、
日本政府、天晴! と言いたくなったけど。


で、結局、
飛行機は韓国に引き返すのだけれど、
韓国人同士とはいえ、
不安に思う気持ちは同じ。
空港周辺では、
着陸反対のデモが起こり、
韓国内の世論は真っ二つ。


生き残っている乗客たちは、
ここで、全員一致の決断をする。
「これ以上、人様に迷惑はかけられない。
 撃墜してほしい」と。


決断した乗客たちは、
家族に最後の電話をするのだけれど、
それは、911事件を描いた映画、
「ユナイテッド93」を彷彿とさせる場面で、
「ユナイテッド~」でも号泣したけれど、
こちらも泣ける。


ラストは・・・
どうか観てみてください。


評価 ★★★★☆

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