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「残侠の盃」 [映画]

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〔1967年/日本〕


ヤクザ・辰巳組の幹部・島村吾郎(田宮二郎)が、
刑期を終え、シャバに出てきた。
彼は7年前、新興ヤクザ・大滝組の、
勝手な振る舞いが許せず、
大滝組の組長を刺したのだ。


しかし、7年の間に、
組はすっかり変わっていた。
組長は既に亡くなり、
跡目を継いだ池上は、
昔の任侠道を忘れ、
麻薬や売春で金を稼いでいる。


吾郎は、
組の粛清を決意し、
夜の街でやりたい放題の
組のチンピラたちを、
片っ端から倒していった。


そんな中、
池上が経営する売春バーが、
警察に摘発され、
池上は、通報したのが吾郎だと思い込み・・・。





田宮二郎さんが、
全編着流し姿で、
ヤクザを演じる。


そのお姿が、
とにかくカッコいい。
俳優さんの中には、
ヤクザ役をさせたら、
右に出る者はいないと言われるような方が
何人かおられるけれど、
田宮さんだって、負けてはいない。


田宮さんは、
「ヤクザたるもの、素人さんには手出しはしねぇ」
という不文律を守り通す、
古いタイプのヤクザで、
だから、人様に迷惑を掛けるチンピラたちが
我慢ならない。


そして、
たった一人で、
元いた組に乗り込んでゆく。
そんなところも、たまらなくいい。
ヤクザでありながら、
ヒーローのようで、
安心して観ていられる。


それにしても、
ヤクザの行為を警察に通報して、
逆恨みされるって、
怖い。


通報する事を、
「差す」と言っていたから、
密告とかそういった意味なのよね。
でも、密告されるような商売している方が悪いんじゃ、と
思うんだけど。


評価 ★★★☆☆

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