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「屋根の上に吹く風は」 [映画]

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〔2021年/日本〕


試写会で観た。


鳥取県にある、
「新田サドベリースクール」の様子を撮影した、
ドキュメンタリー映画。


2014年に開校した、
この学校は、
いわゆる、世間でいうところの授業は行われず、
子供が、その日「やりたい」と思う事をさせている。


スタッフと呼ばれる大人はいるけれど、
運営や、ルール作りなども、
全て子供たちに考えさせる。


このような「学校」について、
諸手を挙げて応援する!
自由万歳!
感動した!という風にはなれなかったけれど、
中々興味深い内容ではあった。


子供たちは、自由で、
一日、何をしてもいい、と言われている。
そして、屋根に上ったり、
ゲームをしたり、好きにやっているのだけれど、


けれど、いつしか、
「退屈」だと言い始める。
来たばかりの頃は、楽しかったけど、
やる事が決まっていない事に飽きた、と。


そして、勉強を始めたり、
古い店を借りて、
カフェの真似事を始めたり。


うん、やっぱり、人って、
健康なら、
何かせずにはいられないのよね。
まして、子供だもの、
パワーが有り余っているはずだし。


この「学校」は、
国が学校として認可していないため、
公共交通機関の学割などは使えない。
そして、子供たちは、
近所の小中学校に学籍があるため、
小中学校側から見たら、
「登校してこない子」と見なされるようだ。


まぁ、それは、
仕方がないのかなぁ、とも思う。
日本中の学校が、
この学校のようになってしまったら、
どうなるの?という思いがある。


やっぱり生きていれば、
やりたくなくても、
やらねばならない事があるのを知るのも、
学校での学びの一つかなぁ、とも思うし。


それに、
どんなに自由な空間だとしても、
人が2人以上集まれば、
そこには必ず、
人間関係という、
人生で一番厄介な問題にぶち当たる。
それは、どこにいても、どんな状況でも同じ。


映画のラスト、
一人の子が、
有名私立中学に受かって、
この学校を卒業していった。


そのナレーションは、
なんだか誇らしげで、
なぁんだ、
何だかんだいっても、
やっぱりいい学校に入ってこそ、という価値観は、
俗世間と同じ、と思ったりもして。


評価 ★★★☆☆

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