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「喜劇 男の腕だめし」 [映画]

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〔1974年/日本〕


小原松太(湯原昌幸)は、
警察官だった父に憧れ、
自分も刑事になった。
父は高潔な人物で、
殉職しており、
松太は、そんな父を深く尊敬している。


一方、
ストリップ劇場「春風ミュージック」の
小屋主・八田庄助(フランキー堺)は、
公然わいせつで捕まったストリッパー、
緋桜お駒(太地喜和子)を
警察まで迎えにきた。


警察署内で初めて出会った2人だが、
「どうも馬が合わない」と、
互いにそう感じ、
松太は、庄助の劇場の手入れを
熱心にするようになる。


そんな中、松太の母・トミ(市原悦子)が
松太の働きぶりを見るために、
田舎から上京してくるが、
庄助の姿を見た瞬間、
息も止まるほど驚き・・・。





以前、感想を書いた、
「喜劇 女の泣きどころ」と、
「喜劇 男の泣きどころ」、
 ↓
https://aomikamica.blog.ss-blog.jp/2022-11-19
https://aomikamica.blog.ss-blog.jp/2023-12-24

そして、この、
「喜劇 男の腕だめし」が、
太地喜和子ストリッパー3部作と
言われるシリーズ。


この3作の中で、
私は本作が一番面白いと思った。


このような古い映画、
誰も観ないと思うので(笑)、
ネタバレしてしまうけど、


刑事の湯原昌幸さんと、
ストリップ小屋経営のフランキー堺さんは、
実は親子だった、
という事実が分かるのだ。


ショックを受けるのは、
どちらもなんだけど、
私は、フランキー堺さんの気持ちが
心に染みた。


まさか、想像もしていなかった息子がこの世にいて、
しかも、立派な刑事になっているという事実が、
彼の気持ちを変える。
ものすごく愛おしい気持ちで、
湯原さんを見つめて、
そして、こんな仕事からは足を洗おうとまで考える。
あぁ、親子っていいな、
自分の子供というだけで、
こんなにも変われるものなのかと、感動しちゃった。


逆に湯原さんは、
尊敬していた父が、実父でなかった事が衝撃で、
全てに投げ槍になってしまうのが悲しいけど。


フランキー堺さんが、
3人のストリッパー(園佳也子・春川ますみ・川村真樹)と、
それぞれに内緒で付き合っているのだが、
それがバレて、
大喧嘩になる場面には爆笑。
3人とも、芸達者でクセの強い女優さんだから、余計に。


結局、最後、
フランキーさんと湯原さんは、
親子でない事が証明されて、
湯原さんは、気持ちを立て直し、
刑事に戻る。


良かった。
若者が、なりたかった職業を投げ出すのは、
勿体なさすぎるもの。


評価 ★★★☆☆

nice!(153)  コメント(18) 
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コメント 18

Labyrinth

ネタバレに感謝です!(^人^) 
懐かし過ぎる豪華キャスト♪ w 楽しさが伝わってきます。
by Labyrinth (2024-01-19 12:54) 

mitu

ストリップ劇場の庄助は、市原悦子さん演じるお母さんの元カレだったのかな?親子でない事が証明されて良かったですね^^
by mitu (2024-01-19 13:26) 

HOTCOOL

湯原昌幸、懐かしいな。好きなタレントさんでした。奥さんは、元アイドルで「燃えろアタック」の荒木由美子ですよね。
by HOTCOOL (2024-01-19 14:10) 

青山実花

Labyrinthさん
コメントありがとうございます。

新作映画なら、ネタバレ厳禁ですが、
50年前の映画なら、いいかなって^^

ほんと、豪華な映画ですよね^^
by 青山実花 (2024-01-19 19:46) 

青山実花

mituさん
コメントありがとうございます

mituさん、当たりです^^
庄助とトミは、昔、懇意にしていた時期があって^^;

親子関係でない事で、
庄助はガッカリでしょうけれど、
松太にとっては本当に良かったと思います。
やはり若い世代を大切にしないとね^^
by 青山実花 (2024-01-19 19:49) 

青山実花

HOTCOOLさん
コメントありがとうございます

そういえば、
湯原さんと荒木さん、
つい最近の「徹子の部屋」に出ていました^^
いまだに仲が良いようで、
素敵でした^^
by 青山実花 (2024-01-19 19:50) 

tommy88

ストリップ劇場
今は既にそういう隠微な場所はなくなったのでしょう。
でも温泉街とかにはあるかもしれません。
私の退職記念にパリツアーを長女が企画しました。
パリのおばあちゃんちに泊まるのですが約2週間。
あちこち歩き倒しましたが、ある日、おばあちゃんも一緒に。
どこへ行くかは内緒でしたが、言って驚き、ワオ!
妻に長女、お孫さん、総勢5人であの赤い風車の中に入るのでした。
出会いに感謝と言われても、ゴチ、金持ちは、ちゃうな。
ムーラン・ルージュ、豪勢なキャバレーやんか。
観光客の席ではなく、もろ、そこに、という世界で飲んで食って。
登場される美しい女性はもう、ビーナス、あらら裸体。
再開発前の新世界、通天閣下のストリップ劇場やヌード劇場とは異世界。
隠微さは全くないショータイム!
ストリップ劇場に大谷翔平はご法度ですが、ムーラン・ルージュならOK。
パリの危ない地区にあるムーラン・ルージュでしたけれど。
そこには隠微さが乏しかったのが感想です。
隠微さの乏しくなった時代、「ストリップ劇場」は消えるのでしょう。
18歳未満ですが背伸びして初めて見たときは、眠れませんでしたが。
今は場末の隠微さが浄化されていきます。
いつでもどこでも「見られる」時代も来るのでしょう。
今は足を洗うなんて勇気も覚悟も不要で、軽い時代なのかもしれません。
フランキー堺も笠置シヅ子も、私には身近な喜劇役者でした。
フランキー堺とフランク永井の違いが判らない子供時代がありました。
半世紀前の映画を発掘作業される姿勢に、敬服します。

by tommy88 (2024-01-20 11:13) 

青山実花

tommy88さん
コメントありがとうございます。

ストリップ劇場、
池袋に1件あります^^
入った事はありませんが^^

女性向けの男性が裸になるストリップには
行った事があります。
女性12人くらいで行きました。
今も、とても楽しいですが、
あの頃も楽しかったと回想しています^^

ムーランルージュには行った事がないので、
想像ですが、
日本の淫靡なストリップとは
まるで別物のような気がします^^;
いつか行ってみたいです。

by 青山実花 (2024-01-20 18:46) 

お散歩爺

ドラマーのフランキー堺さんは大好きでした。
湯原さんとは親子物語でお涙ちょうだいですね。
by お散歩爺 (2024-01-21 10:18) 

su-nya

阿佐田哲也さんこと色川武大さんの小説のような
昭和の哀切漂うお話ですね。太地喜和子さんの作品
見たいです。
by su-nya (2024-01-21 10:26) 

starwars2015

なかなか複雑な人間関係の映画ですね。
俳優さん達のお名前に昭和を感じます。
by starwars2015 (2024-01-21 11:18) 

プー太の父

あの面白そうな人柄の春川ますみの
ストリッパーってどんな映画か観たくなりますね。
若い頃、こちらにもストリップ劇場がありました。
私が初めて行ったとき、ニヤニヤしながら見てたらストリッパーの
お姉さんに舞台の上から「兄ちゃんもっと真剣に見てよ~」って
やんわり叱られてしまいました。恥ずかしかったです(^^

by プー太の父 (2024-01-21 15:30) 

青山実花

お散歩爺さん
コメントありがとうございます。

フランキー堺さんは、
ドラムもできるのですね。
何でもできる凄いかたなのですね^^
by 青山実花 (2024-01-21 19:12) 

青山実花

su-nyaさん
コメントありがとうございます。

色川武大さんの本は読んだことがないのですが、
こんな感じのテイストなのですね^^
太地喜和子さん、
艶っぽくて素敵ですね^^
by 青山実花 (2024-01-21 19:15) 

青山実花

starwars2015さん
コメントありがとうございます

父だと思っていた人が父でなく、
嫌いな人が父だったら、ショックですよね^^;

by 青山実花 (2024-01-21 19:17) 

青山実花

プー太の父さん
コメントありがとうございます

春川ますみさんは、イメージ通りの、
ちょっとおばちゃんみたいなストリッパーでした^^;

ストリップに行かれた事があるのですね^^
舞台上から叱られるなんて、
貴重な経験かもしれません^^;

by 青山実花 (2024-01-21 19:18) 

裏・市長

一体、何本あるんですか?!
「喜劇」と来て、「男の~」「女の~」

そして、太地喜和子演じる、
ストリッパー率の高さ!この確率は異常!

太地喜和子が生涯に演じた役は、
ストリッパー以外ないんじゃないか?
世が世なら、江頭2:50が登場する際、
布袋寅泰の「スリル」が登場曲のように、
太地喜和子がバラエティー番組に出演する際、
沢田研二の「ストリッパー」が常に流れても
おかしくありませんよ!

それほどストリップ率が高い!

青山実花さんもストリップ劇場に
行かれたことがあると書かれていますが、
それは「出るほう」ですか?
それとも「見るほう」ですか?
まさか経営する側?詳しく教えてください。
by 裏・市長 (2024-02-11 03:44) 

青山実花

裏・市長さん
コメントありがとうございます。

わたくしが数えましたところ、
「喜劇」ときて、「男の~」は、1226本、
「喜劇」ときて、「女の~」は、123本、
のようです。

なぜ男の方がこれほど多いのか、
それは、
男の方がアホで、
喜劇的な人生を歩んでいるからだと思われます。


太地喜和子さんは、
ストリッパー役ばかりではありません。
大昔、淡谷のり子先生の役を演じて、
淡谷先生から大絶賛されたことがございます。

沢田研二、そろそろライブに行きたいですね。
大御所のライブに、今、行っておかないと、
いつどうなるか分かりません。
なので、わたくしは、
最近、せっせとライブに通っているのでございます。

by 青山実花 (2024-02-15 19:25) 

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