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「CLOSE クロース」 [映画]

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〔2022年/ベルギー・オランダ・フランス〕


13歳のレオとレミは、
幼馴染で大の仲良し。
いつも2人でじゃれ合い、
兄弟のように育ってきた。


ところが、2人揃って入学した中学で、
クラスメイトから、
「2人は付き合ってるの?」と言われてしまい、
特に、レオはショックを受ける。


レオは意識的に、
レミと距離を置こうとするのだが、
それが理解できないレミは・・・。





少年の繊細な心を描いた映画。
とても息苦しい。


子供時代を俯瞰で眺められる今の私なら、
幼馴染と疎遠になってしまうというのは、
よくある事、
たとえ一時、遊ばなくなっても、
大人になって、また友情が復活する事もあるよ、
と教えてあげたいけれど、
13歳の少年にとっては、今が全て。


レオは決してレミを嫌いになったわけではなく、
友達からのからかいと誤解から、
何となく距離を置いただけなのだけれど。


それに、この映画の場合、
彼らが中学に入ったというのも、
大きな理由な気がする。


中学に入って、新しい友達ができて、
小学校時代とは格段に世界が広がれば、
いつまでも、同じ相手とつるんでいるのではなく、
新しい交友関係や
価値観を学びたいという、
欲求も強くなるだろう。


レオがレミを誘わずに、
一人、アイスホッケーのチームに入ると、
レミがやって来て、
「僕も入っていいかな」と聞く。
それに対して、
レオは、断りはしないけど、
渋い表情を浮かべる。


なんとなく分かるな。
「ここは自分が自分で見つけた世界。
 お前はお前で、新しい何かを見つけろよ」と、
言いたかったんじゃないのかな。


友情は恋愛とは違う。
恋愛なら、
「自分だけを見て。他の人と仲良くしないで」と、
縛りもできるだろうけど
(程度にもよるが)
友情には約束はない。
だからこそ、
時に、恋愛より難しい部分があるのも確か。


評価 ★★★★☆

nice!(136)  コメント(22) 
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コメント 22

lamer75

切ないのも良いですね。
あるある。
by lamer75 (2023-08-05 14:44) 

sigedonn

めちゃめちゃ仲良しだった友人と
もう、合わなくなって55年。不思議です、友情。
by sigedonn (2023-08-05 20:52) 

青山実花

lamer75さん
コメントありがとうございます。

切ない友情も、
映画のジャンルの一つですね。

by 青山実花 (2023-08-05 23:15) 

青山実花

sigedonnさん
コメントありがとうございます。

確かに、
私にも長い事会っていない友達がいますね。
会いたいけれど、
中々機会がありません。
by 青山実花 (2023-08-05 23:16) 

よしあき・ギャラリー

微妙ですね!
疲れます。^^;
by よしあき・ギャラリー (2023-08-06 06:45) 

starwars2015

多感な時代の思い出って、いいですよね。
その時でないと経験できないでしょうし、今振り返れば何だったのって思ったりするんじゃないでしょうか。
by starwars2015 (2023-08-06 10:25) 

tommy88

ベルギー・オランダ・フランス
この国絡みの映画は良い作品が多いです。
文化的な土壌が似通っているのかどうか。
中1の時、中3の姉と登校中に雨、相合傘だと言われて痛かったです。
仲良しは辞めにした時期でした。
永遠ではないにしろ、子どもの社会はかなり厳しいですからね。
結局は、イロイロあってな。
介護なんてどこ吹く風だったんですけどね。

by tommy88 (2023-08-06 12:05) 

プー太の父

私はに学校を出てからも時々会っていた友人が故郷にいましたが
50代で認知症になり初めて60代には私のことをあまり
思い出せなくなってしまいました。私が帰郷したときに故郷の
施設にいる彼を訪ねたのですが、施設の人に、「プー太の父さんに
会っても何も分からないと思いますよ」と言われたので会わないで
引き返してきました。あのときはほんとに悲しかったです。
会いたいけど会って友人の今の姿を見るのも辛いですからね( ノД`)
by プー太の父 (2023-08-06 17:13) 

青山実花

よしあき・ギャラリーさん
コメントありがとうございます。

友情も、
色々微妙なところがありますね。

by 青山実花 (2023-08-06 19:59) 

青山実花

starwars2015さん
コメントありがとうございます。

多感な時代に、
様々な人間関係を学んで、
大人になるのでしょうね。
悩んでいた事でも、
今思えばどうって事ない事もあるのでしょうね。

by 青山実花 (2023-08-06 19:59) 

青山実花

tommy88さん
コメントありがとうございます。

ヨーロッパの繊細な映画を観るのは、
いいものですね。

姉弟でも、そんな風に言われますか。
子供の頃は、どんな事でも、
からかいやいじめの理由になりますものね。
いや、大人でもそれは変わらないのかもしれませんが。

by 青山実花 (2023-08-06 19:59) 

青山実花

プー太の父さん
コメントありがとうございます。

50代で認知症とは、
あまりに早いですね。
仲良しだったのに、
自分を認識してもらえないのは、
悲しいです。
会っても、会わなくても辛い・・・
悲しい選択でしたね・・・。

by 青山実花 (2023-08-06 20:00) 

mitu

この映画は朝の番組で紹介されていました
同性愛とも思われる二人の関係が微妙で繊細・・・
俳優の少年の一人は、電車に乗っているときにスカウトされて出演
目力が決めてとのことです^^
by mitu (2023-08-07 07:42) 

Rinko

少年時代の危うさや残酷さを感じて、観ていないのに実花さんの解説だけでキュンとします。
by Rinko (2023-08-07 09:28) 

青山実花

mituさん
コメントありがとうございます。

このくらいの年齢だと、
一部の人の中には、
自分のセクシャリティがまだよく分からないかたが
おられるようですね。

少年2人がとても綺麗で、
私ならどっちがいいかな、
なんてくだらない事を考えました^^;
by 青山実花 (2023-08-09 10:06) 

青山実花

Rinkoさん
コメントありがとうございます。

子供時代って、ある意味残酷ですね。
色々繰り返して、
大人になってゆくのでしょうね。
by 青山実花 (2023-08-09 10:09) 

sana

素敵な子役さんですよね。
テレビで紹介されているのを見ました。
映画は見ていないので何とも言えないですけど。この年齢だと同性愛かどうか自分でもはっきりしなかったり、その意味も正確にわからないところもあるんじゃないかなと。
中学に入る頃に違う子との付き合いが広がる、はよくわかります。
幼馴染で付き合いが続いている子がいるのはありがたいと思います^^

by sana (2023-08-09 21:57) 

バク・ハリー

難しい年頃ですね。心も体もちょっと大人。
LGBTとかなんとかの区切りも曖昧な年頃、女子でもあるよね。
恋愛なら独占することに正当性を主張できそうだけど、
友情は並列でもおかしくないし・・・か。
「ここは自分が自分で見つけた世界。
 お前はお前で、新しい何かを見つけろよ」って感覚も、わかる。
by バク・ハリー (2023-08-10 10:06) 

青山実花

sanaさん
コメントありがとうございます

この映画、基本は友情だと思うのですが、
クラスメイトにからかわれたりして、
ちょっと微妙な空気になってしまうのですよ。
中学に入ると途端に色々ありますね。
むしろ小学校9年生までの方がいいのではないか
という説も聞いたことがあります。
by 青山実花 (2023-08-10 11:56) 

青山実花

バク・ハリーさん
コメントありがとうございます

性の対象って、
意外と曖昧なのだと、最近よく思います。
私も、恋愛対象は絶対に男性ですが、
綺麗な女性や、可愛い女の子も大好きですし。

私も自分のテリトリーに
入ってこられるのが苦手かも^^;
あと、仲良しごっこみたいに、
何か真似されるのも大嫌い^^;

by 青山実花 (2023-08-10 11:59) 

裏・市長

いま、若年層の自殺と言うのが
問題になっています。

少子化が叫ばれながら、若い世代が
死に急ぐ。電車でも毎日のように、
人身事故のため・・・と遅れたり、
運休したりしています。

私のようにすでに100年近く生きている者は、
100年分の経験から判断が出来るけれども、
13歳の中学生には13年という時間の中でしか、
物事を判断できない。

ダメージ10のショックであっても、
私なら1/100で流せるけれども、
13歳は1/13で受け止めないといけない。

13歳には13年という時間が、
世界のすべてなのだ。

このような若い世代を自殺から救うには
どうしてやればいいのだろう。

死にゆく者はそれでいいかも知れない。

それよりも遺された者だ。

なぜ気づけなかったのだろう、
どうすれば救えたのだろう、
あの時のひとことがいけなかったのだろうか。

いくら考えても答えの出ないものを、
延々と考え続けて、生涯を過ごさねばならない。

どんな時も、どんな日も思い出さない事はない。

どうか子どもたちが、その一歩を踏み出す前に
もう一度考えてもらいたい。
しかし、13年しか生きていない者には、
13年分の経験からの判断しかできないのだろう。

よく芸能人が自死された報道のあとで、
悩み相談の電話番号などを告知しているけれど、
あれって効果あるのかね?

結局、電話したって直接の解決にはならんだろう?
深刻な問題ならば、警察などに連携してしまうだろう?

なので私は、いのちの電話などに相談できないのです。
頼れるものは己の腕と腰の長ドスただひとつ。
by 裏・市長 (2023-09-02 23:38) 

青山実花

裏・市長さん
コメントありがとうございます。

自殺をしてはいけません。
私も同感です。

親に自殺されたら、
その子供は、
何か、捨てられたような気持ちに
なるのではないでしょうか。

子供に自殺されたら、
親は自分を責めるような気がします。
自分が至らなかったからではないかと。


今、とても苦しい子供たちも、
大人になれば、
きっと楽しい事があります。
どうかどうかどうか、
死なないで。

死んで、憎い相手の名前を遺書に書いて、
復讐してやる、という考えも、
大した成果は得られません。

人は、死んだ者より、
生きている者を大切にするのです。
生きている者は、
これからも生きねばなりません。

それに、人は忘れてしまう生き物です。
誰かが、誰かのせいで自殺したとしても、
何年か経てば、
もう忘れてしまうのです。

まして、加害者が遠い街に行ってしまったら、
そんな事を気にする人はいないのです。


命の電話は、
本当に悩んでいる人でなく、
エロ電話を掛けてくる人がいるそうですわね。

本当に困った人がいるものです。
なぜそこまでして、
エロ行動がしたいのか。
最低だと思います。

by 青山実花 (2023-09-04 23:02) 

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