「視界ゼロの脱出」 [映画]
〔1963年/日本〕
小型飛行機のパイロット・東健一(本郷功次郎)は、
ポリオのワクチンを持った看護婦・並木玲子(三条江梨子)を
奄美大島まで運ぶ仕事を受ける。
ところが、サソリ島上空に差し掛かった時、
気象観測所からSOSの通信を受け、緊急着陸。
すると、観測所は、
テロリストたちに占拠され、
所員たちは人質となっているではないか。
テロリストたちの目的は、
東の飛行機を奪い、
海外に逃亡する事。
しかし、東の飛行機の燃料は、
せいぜい沖縄に行けるくらいにか、
積んでいない・・・。
今、「ワクチン」と聞けば、
世界中の大半の人が反応すると思われるくらい、
世界の共通語のようになってしまっているけれど、
この映画は、
ポリオのワクチンを奄美大島に届けるというミッションを任されながら、
テロ事件に巻き込まれる、
パイロットと看護婦と、
そして、気象観測所員たちのアクション映画。
三条江梨子演じる看護婦の、
ワクチンに対する責任感がハンパない。
彼女は、どんな過酷な状況に陥っても、
ほぼ、気絶状態で、
横抱きにされて、ベッドに運ばれる際も、
ワクチンの入った箱だけは、
絶対手離さない。
そして、テロリストたちに囲まれ、
自分の命が危ないって時でも、
ワクチンを冷やすドライアイスの解け具合と、
奄美大島へ届ける約束の時間ばかり気にしている。
大変な使命感である。
(そういう意味で、このポスターは捏造です(笑)。
映画にこのような場面はないし、
ついでに、タイトルの「視界がゼロ」になるようなシーンも
ないです(笑))。
それにしても、
ちょっとイライラさせられるのが、
本土からの無線。
さそり島の気象観測所で、
何らかの異変が起こっていると察知し、
無線で連絡してくるのだけれど、
拳銃を突きつけられている所員に、
「何か異常はありませんか?」と聞いたって、
「テロリストがいます」なんて
答えられるわけがない。
こういう時のために、
何か合言葉を決めておいた方がいいんじゃないだろうか。
まぁ、古い映画だし、
今は、もっとそういった対策は、
取られているのかもしれないけど。
評価 ★★★☆☆
そういえば、最近聞いたニュースで、
怪しい男が幼稚園を覗いているのを発見した、
幼稚園スタッフが『イカ納豆丼(さんま丼かな?)が届きました』と
言い、それが緊急を知らせる合言葉だったと・・。
幼稚園でも合言葉を用意しているのかと、驚きました。
映画とはいえ、本土からの無線の合言葉は必要かもですね~。
by angie17 (2021-11-21 15:25)
写真の女性が一瞬「松原智恵子さん」に
見えてしまいました!!(苦笑。。年が・・!!)
(って、今じゃ松原さん、知らない人も多いかな・・・)
by 向日葵 (2021-11-22 03:37)
angie17さん
コメントありがとうございます。
世の中で一番平和で、
楽しい場所であるはずの幼稚園でさえ、
合言葉を決めておかなくてはならない世の中って、
本当に悲しいですね。
でも、危機管理のできた、
素晴らしい幼稚園だと思いました。
合言葉って、必要なのですね。
by 青山実花 (2021-11-22 22:15)
向日葵さん
コメントありがとうございます。
松原智恵子さん、
とてもお綺麗ですよね^^
古い邦画ばかり観ているので、
よくお目にかかります^^
by 青山実花 (2021-11-22 22:18)
新参者ではありません(^0^)
名前を見てもお分かりのように、『H☆imagine』のU3です。
社会派ブログの『Justice!』を復活させました。今後ともよろしくお願いします。
昔の映画って素朴で面白い!
by U3 (2021-11-23 12:16)
U3さん
コメントありがとうございます。
こちらこそ、
よろしくお願いします。
by 青山実花 (2021-11-23 13:01)
>青山実花 さん
>このポスターは捏造です(笑)。
この時代にも、YouTubeのサムネイルみたいな手法があったんですね。
ほんと笑えますね。
by starwars2015 (2021-11-23 14:55)
starwars2015さん
コメントありがとうございます。
ポスターやDVDのジャケットで、
つい観たくなってしまうのですよね^^
by 青山実花 (2021-11-23 15:18)
どんな過酷な状況に陥っても気絶状態で・・
如何に凄惨な状況だったか、看護婦の責任の強さに涙1滴です。
by お散歩爺 (2021-11-24 08:25)
お散歩爺さん
コメントありがとうございます。
看護婦さんの責任感は、
きっとどの方も凄いのでしょうね。
立派なお仕事だと思います。
by 青山実花 (2021-12-01 20:13)
さそり島!!
このセンスがすでに1960年代!
地獄谷とか死神峠…みたいな。
そういえば最近は見ないね。
何時までにこの血清を届けないと、
少年の手術ができないっっひぃぃぃぃ~!!
という設定。
携帯電話が普及して、すれ違いのドラマが
作られなくなったのと同じく、
これはクロネコヤマトの宅急便が悪いと思うのよ。
この猫がさぁ~、日本全国、どこへでも
翌日配達してくれて、時間指定もOK、
冷やしたり、凍らせたりしても届けちゃう…という
奇跡の便利さを庶民に提供した時、
映画、テレビ、小説から、
「絶対にこれを期限までに届けないと!
自分たちの手で!!」
これが絶滅したように思う。
あとは防犯カメラの普及で、
日本からそれを追うギャング団がなくなったのも
一因かもね。
それなのに、あぁそれなのに。
海外の海洋上ではいまだに「海賊」が出ると言う
この時代錯誤感。
外人って、やはりちょっとアタマおかしいんじゃねぇの?
by 裏・市長 (2021-12-31 18:27)
裏・市長さん
コメントありがとうございます。
確かに、最近は聞きませんわね。
さそり島のような、いかにもな名前の地名。
例えば、
大和高田市とか。
絶対、何か不穏な事が起こりそうな、
そんな地名。
最近は、
様々な事が発達したおかげで、
生活も便利になりました。
外国で作られたワクチンが、
翌日には日本で打てるようになったのですから。
おかげで、効いてるんだか効いてないんだか、
よく分からないものを体内に入れ、
打つ者と、打たない者が、
互いに譲らず大喧嘩、
などという、美しい人間愛に満ちた物語も生まれました。
本来なら、
中国の小さな村で起こった伝染病が、
世界中を大パニックに陥れたのも、
生活が便利になったおかげです。
昔なら、村で始まり、村で完結していただろうに。
あぁ、文明って素晴らしい。
by 青山実花 (2022-09-02 20:47)