「或る夜ふたたび」

〔1956年/日本〕


志田文三（佐野周二）は、
勤めていた会社が潰れ、
退職金は半分しかもらえず、
持病の神経痛は悪化し、
先行き不安でたまらない。


けれど、妻のあき子（乙羽信子）は、
そんな文三に明るく接し、尽くし、
「なんとかなる」と励まし続ける。


そんな中、文三の姪の初美（野添ひとみ）が、
大阪からやって来る。
初美は、恋人を追って東京へ出てきたらしく、
彼と同棲するようになる。


あき子は、結婚前に働いていた旅館で、
住み込みの再就職する事に決めた。
文三と離れて暮らすのは淋しいが、
金の為に、背に腹は代えられない。


ところがある日、
あき子が失踪してしまう。
文三は、毎日、必死になって彼女を探すうちに、
結婚前の彼女の秘密を知り・・・。





野添ひとみさんが出ているという理由で、
観に行ったわけだけれど、
正直、
野添さんのエピソードは、
特に必要ではないのでは、と思うくらい、
乙羽信子さんと、佐野周二さんの、
夫婦の心の機微の描き方が素晴らしい。


失業し、
次の仕事を探すも、
持病もあり、
中々上手くいかない、佐野さんの焦り。


そんな佐野さんを深く愛し、
尽くす、楽天的な乙羽さん。
もらった退職金で、
佐野さんのコートを作ってしまい、
軽く叱られるも、
「あなたにみすぼらしい恰好をしてほしくなかった」と。
そんなこんなで、2人は温泉旅行へ。
とりあえず、有り金使っちゃって、
また一から頑張ろうという気持ちだろうが、
旅館代を聞き、
その高さにショックを受けるのが、また悲しく。


乙羽さんが、
結婚前に働いていた旅館に、
住み込みで働き出すと、
佐野さんは、その様子を見にきては、
客あしらいする乙羽さんに嫉妬したり。
どうも、この映画、
佐野さんの、みみっちさが際立つ。
駄目亭主と、しっかり妻、という構図。


そんな中、ある理由で失踪する乙羽さん。
そして、彼女を探していくうちに、
彼女の悲しい過去を知ってしまう佐野さん。


4～5日して、
乙羽さんは帰ってくるのだけれど、
佐野さんのセリフが酷過ぎて、
心底、悲しくなる。
佐野さん、あなた、何言っちゃってんの？
これほどあなたを愛してくれている、
乙羽さんの気持ちが分からないのか、と。


物悲しく、
でも、男女の絆が、
とても上手く描かれた物語。


評価　★★★★☆

コメント 6

野添ひとみさんは、キイハンターにも出演してたね。
旦那さんは、冒険家？の川口浩さんですね。
私はそのくらいしか知りませんが(^_^;)
by 英ちゃん (2021-11-24 16:34) 

英ちゃんさん
コメントありがとうございます。

野添さんがキイハンターに出られていた事は、
知りませんでした＾＾；
川口浩さまが出演していたと聞いた事があるので、
その繋がりなのでしょうか＾＾
by 青山実花 (2021-11-24 22:59) 

全くの個人的、趣味的見解ですが。
乙羽信子は秀逸な女優だったと思います。
おばちゃんではなく、おばさんという品もお持ちな。
実は子どものころから、推し、でした。
最近、よくドラマで見る若手、上白石萌歌。
彼女は将来、乙羽信子のような女優に育つのではと期待しております。
上白石萌歌には姉より素質を感じるのでした。

by tommy88 (2021-11-25 07:09) 

tommy88さん
コメントありがとうございます。

乙羽信子さん、私も好きです＾＾
新藤兼人監督とお付き合いが始まった時、
監督には奥様がおられたようですが、
いい作品ができたのだから、
それでいのでは、と思います。

上白石姉妹の事は良く知りませんが、
顔だけなら、私も萌歌さんの方が好きです＾＾
by 青山実花 (2021-12-01 20:11) 

野添ひとみさんが「キイハンター」に
出られていたのをご存じないとは…！！

青山実花さん、それでよくもあなた、
川口浩探検隊に入隊して、ジャングルの奥地で
幻の猿人バーゴンを探したいなんて、どの口が
ほざいたのでしょうか。

番組に川口浩さんが加入する以前から、
ゲストとしてご出演されています。

そのサブタイトルが…

「東京ーホノルル豚をかついで珍道中」

東京とホノルル間を豚をかつぎながら
道中するんですよ！野添ひとみさんがっ！！

豚をかつぎながら！！

大事なことなので、もう一度書きます。
記憶に刻み付けてください。

「東京ーホノルル豚をかついで珍道中」です！
「東京ーホノルル豚をかついで珍道中」なのです！
いいですか、
「東京ーホノルル豚をかついで珍道中」ですよ！

すいません、つい興奮して3回も繰り返して
しまいました。

青山実花さんが本当に反省されているなら、
「東京＝奈良　鹿を食べ食べ珍道中」を
実行してください。

あなたが許される道は、これのみです。以上。
by 裏・市長 (2021-12-31 18:17) 

裏・市長さん
コメントありがとうございます。

えー－！？
知らなーい、
実花ちゃん、
「キイハンター」なんて知らなーい。

だってわたしぃ、
まだ17歳だもん。
「キイハンター」って何？
鍵をハンターするの？

もしかして、裏・市長のおじさん、
私の家の鍵をハントして、
勝手に家に入って、
ベッドに下に隠れるとか、
そんな事を画策してないでしょうね。
変な事したら、先生に言い付けるからねー。


「東京ーホノルル豚をかついで珍道中」

このサブタイトル、
私のしたい事と、
したくない事がかぶって入ってます。

ホノルルには行きたい！
コロナのせいで、海を越えたのは、
GOTOトラベルで徳島に行った時だけ！

でも、豚をかつぐのは嫌。
だって重いもん。

「東京ー中国　パンダを連れて珍道中」ならいいです。

「東京＝奈良　鹿を食べ食べ珍道中」、
これはいつもしています。
鹿肉は大好物です。

by 青山実花 (2022-02-02 19:57)