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「どん底作家の人生に幸あれ!」 [映画]

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〔2019年/アメリカ〕


生まれる前から父を亡くしていたデイヴィッド(デヴ・パテル)は、
優しい母と、
頼もしい家政婦の3人で幸せに暮らしていた。


ところが、母は、
冷酷なマードストンに言葉巧みに言い寄られ、
再婚、
マードストンと、彼の姉は、
デイヴィッドを虐待した挙句、
工場に売り飛ばしてしまう。


月日が経ち、
デイヴィッドは、立派な青年に成長。
相変わらず、工場で働いていたが、
そこへマードストンが現れ、
母の死を告げられる。


工場を脱出したデイヴィッドは、
たった一人の肉親で、
裕福な伯母の家に行く。


伯母の助けで、
名門校に入ったデイヴィッドは、
卒業後、法律事務所で働き、
そこの娘・ドーラと恋仲になるが・・・。





イギリスの文豪・ディケンズの小説、
「デイヴィッド・コパフィールド」の映画化。


まず気になるのが、
ディケンズが原作だというのに、
なぜか主人公を、
インド系の俳優・デヴ・パテルが演じているという事。


他にも、
黒人女性の息子が白人だったり、
170年ほど前の話なのに、
普通の東洋人っぽい人がいたり、
配役は人種に関係なく
決められたらしい。


この間、何かで読んだのだけれど、
これからは、
1本の映画に、
必ず、黒人やら東洋人やらを1人は出すように
義務付けられたっていうけど、
それって本当?
そういう配慮がなされているのは、
気付いていたけど、
絶対という決まりになったの?


うーん・・・。
差別をなくすのは大切なことだけど、
気を回すあまり、
何か色々おかしな方向に行っちゃってる気がしないでもない。


まぁ、いいや。
この映画は、
ファンタジーな要素もあるから、
人種がごちゃ混ぜでも、
そういうものだと思って観ればいいのだろう。


それにしても、
シングルマザーとその子供の家庭に、
サディストな男が入りこんで、
子供に暴力を振るうって、
いつの時代も変わらないのだと、
デイヴィッドの幼少時代を観ていると、
嫌な気持ちになる。


その後、彼は数奇な運命を辿り、
幸せになるのだけれど、
それは、彼の、
豊かな想像力と、
どんな状況になっても落ち込まない、
ポジティブな性格だったからだと思う。


ディケンズの自伝的要素が強い作品だそうだ。


評価 ★★★☆☆

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コメント 6

kousaku

マイナス思考の考えを改めてポジティブ思考でいなければ、と考え、「どんなことでも、何があっても、明るく受けとめるべき」という考えを持つことは、ポジティブ思考という鎖で自分の心を縛ることにつながりますね、其れも危険なのかな?
by kousaku (2021-02-06 14:14) 

青山実花

kousakuさん
コメントありがとうございます。

あ、それはちょっと分かります。
もって生まれた明るい人ならともかく、
どちらかというとネガティブな人が、
無理やりポジティブになろうとすると
かえって辛くなるような。
何事もバランスが大事ですよね^^

by 青山実花 (2021-02-06 23:34) 

tommy88

先月の映画紹介記事で読み、二重丸を付けました。なにしろディケンズですからね。けっきょくはどんなヒドイ経験をしても観察力があれば、あとは筆を磨けば小説家になれます。作家モノが好きで、これは早く来い来いWOWOWです。
噂は本当のようで、召使を黒人一色にするのは難しいでしょう。先日、「ジーザス・クライスト・スーパースター Live in Concert」を見ました。ロック・オペラと言われていますが、舞台演劇です。イエス・キリスト役はジョン・レジェンドでした。白人ではありません。肌の色だけを言うと濃くない黒人ですが、そういう表現すら今は禁句でしょう。キリストをイメージする時、あの細面の西洋風白人を思い浮かべますが、そういう決めつけすらアウトなのかもしれません。良いか悪いかはわかりませんが、クリティカル・マス(臨界質量)が重視されているのだと思います。

by tommy88 (2021-02-07 15:26) 

青山実花

tommy88さん
コメントありがとうございます。

むしろ、酷い経験をした人の方が、
作家としては、
ネタがあっていいかもしれませんね^^;

私も、この先の映画は、
今よりさらに、各人種を出さなければダメだと
聞きました。
例えば、ラクロの「危険な関係」のような、
1700年代のフランスの宮中の物語でも、
絶対いるはずのない東洋人を混ぜなければならないのでしょうか。
「南部の歌」では、
”史実と違う”という理由で映画がお蔵入りになっているのに、
なんだか意味が分かりません。


by 青山実花 (2021-02-07 20:48) 

裏・市長

「頼もしい家政婦」という設定がいいな!。
この頼もしい人は主人公が成長後も再び現れて
大活躍!。主人公を陰ながら助ける…ならいいのだが。

差別はいけない。

白いだの黒いだの、そんな事は小さなことだ。

これから先の作品ではもっとグローバルに!、
もっとワールドワイドに!様々な人々が様々な
役柄をあつかましく演じる。

ニグロなマリーアントワネット!。
白人でロン毛のブッシュマン!。
色白なマイケルジャクソン!。
特技は料理です、工藤静香!。

それでこそ「映画」ではないか。
現実にはありえない「夢」が見られる。
1.900円と引き換えに。
それこそが「映画」、キネマの天地。

一日も早く、一流シェフ役の工藤静香が
見てみたい。そんな日はもうすぐだ。
by 裏・市長 (2021-02-21 20:54) 

青山実花

裏・市長さん
コメントありがとうございます。

家政婦というのは、
いつの時代も、頼もしいものでございます。
市原悦子さんをご覧なさい。
他人の家に入り込み、
いつでも事件を解決するのですよ。

でも、一つ世間の皆様に訂正させていただきます。
市原さんの決まり台詞として有名な、
「あら、死んでる」は、
嘘なのでございます。
シリーズ中、市原さんが死体を発見したのは
長門裕之さん一人だけ。
しかも病死でございます。
あのシリーズで殺人事件は一度も起こった事がないのです。
DVD全巻を持っているわたくしがいうのですから
間違いございません。

いけませんわ、裏・市長さん、
「工藤静香 料理 汚い」
「工藤静香 料理 不味そう」
「工藤静香 料理 下手」
「工藤静香 料理 センスゼロ」
「工藤静香 料理 青汁ケーキ」
などと検索してはなりません。

暖かい家庭に飢えていた木村様は
あれでも十分満足しておられますので。

by 青山実花 (2021-02-26 12:10) 

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