「出獄の盃」

〔1966年/日本〕


服役中の速水秀治（田宮二郎）と、
長洲辰吉（アイ・ジョージ）は、
もう二度とヤクザの道には戻らないと、
刑務所の水道水を、手を盃代わりにして飲み、
固く誓い合う。


しかし、速水が実家に帰ってみると、
妹は、麻薬中毒にさせられた挙句に死んでおり、
母親も看病疲れで死ぬ。


速水は、麻薬ルートを撲滅するため、
取り引きの倉庫を襲い、
20億円分のヘロインを奪い去る。


速水は、ヘロインを盾に、
ヤクザの組と取引しようとするが、
ヤクザが雇った殺し屋を見て驚く。
それは、ムショで盃を交わした長洲だったのだ・・・。





ああ、もう、
田宮二郎さんが、
いい男すぎて、辛い（笑）。


いい男なんだから、
辛がることはなかろうと言われそうだけど、
辛いのよ、本当に。


彼は、あのルックスゆえに、
人生の殆どの時間を、
いい男として生きるしかなかったんじゃないだろうかと
勝手に想像してしまう。
本人もそうだけど、
周囲の人もきっと、
彼の言動全てに、いい男を期待したことだろう。


なんというか、失敗が許されない感じ。
普通の男性だったら、
「やっちまったよ、とほほ」で済むところが、
田宮さんはそれができない。
同じ失敗でも、
田宮さんがすると、
より痛々しく感じる気がする。
いい男ゆえに、その落差が大きすぎて。


とはいえ、最近、私はyoutubeで、
田宮さんがドリフターズのコントに出ていた事を知った。
本当は田宮さんご自身は、
そこまでスカした人間ではなかったのかもしれない。
もっと気軽にドリフの番組に出たかったのかもしれない。
周囲が勝手にイメージを作っているだけで。


この映画の田宮さんもパーフェクト。
ムショから出たら、
今度は絶対真人間になるのだと、
あれほど友達と誓い合ったのに、
妹を殺した犯人を捜すために、
結局、悪と関わる事になる。


田宮さんは、
出所してからの、
殆どの場面で、
着流しに雪駄といういで立ち。


それがもう、
似合ってるのなんのって、
溜息が出てしまうし、
登場する女性たちも、
みんな彼に惚れてまう（笑）。


私は男性を見ると、
「この人が、会社の上司だったら」と
すぐに考えてしまう癖があって、
（恋人だったら、と考えないのが情けないが（笑））


田宮さんが上司だったらと想像すると、
きっと、めっちゃ憧れちゃって、
飲み会で、隣の席になったりしたら、
上がりまくりだろうなぁ、なんて（笑）。


でも、田宮さんと私が並んだら、
それこそ、美男と珍獣といった風だろうから、
やっぱり人は、
自分と同じ質感の相手を選ぶのが一番ね、
とも思ったりする（笑）。


評価　★★★☆☆

コメント 8

確かに、完璧すぎるホドのイイ男かもねー
TV板の「白い巨塔」観てた私も、子供ながらに思ってましたw
実花さん…〇〇さん付けになるは、妄想しまくりだね〜。

by 拳客の奥様 (2020-11-23 16:40) 

「自分と同じ質感の相手を選ぶ」楽をしませんでした。
高嶺追求、六根清浄、天使降臨。
あの手この手奥の手と、可能な限りの伏線を張り、トラップ。
1勝99敗でも、宜しいんじゃないでしょうか。
荒れ果てた大地に1輪、花を咲かせて人生。
手に入れたポジション、離しませんわ。
蚤の夫婦で良いし、美女と野獣が疲れないので好きです。
出会った頃と同じサイズの服を着る妻、ボクは今、ジャージー。
ゴムのウエストは楽でイイですよ。
期待されない楽さ加減が丁度良いです。

by tommy88 (2020-11-23 22:15) 

田宮さんが、ドリフターズのコントにですか？！
びっくりです( ﾟДﾟ)
先日沢田ケンジさんと志村けんさんのコントが、再放送されていて、
これもびっくりしてみましたが、とてもおもしろかったです(^-^)
by わたし (2020-11-24 09:49) 

拳客の奥様さん
コメントありがとうございます。

今、「田宮二郎の真相」という本を読んでいるのですが、
心のご病気で、本当に辛そうなのが読み取れます。
あのルックスでなかったら、
もう少し気楽に生きられたのではないかと
思っています。

私のアホな妄想は止まる所を知りませーん（笑）。
by 青山実花 (2020-11-24 19:35) 

tommy88さん
コメントありがとうございます。

ご夫婦円満で
何よりです＾＾
by 青山実花 (2020-11-24 19:35) 

わたしさん
コメントありがとうございます。

youtubeで「田宮二郎　ドリフ」と打ち込むと
見られるかと思います＾＾
身長をサバよむ芸能人も多い中、
本当に背が高くて、
コントをしていても素敵です＾＾

沢田研二さんのコントもyoutubeで見た事があります＾＾
そこまでするか、って感じですよね＾＾
田宮さんも、沢田さんも、共に関西人。
本当はお笑いに向いているのかもしれませんね＾＾
by 青山実花 (2020-11-24 19:41) 

田宮二郎に失敗は許されない。
裏・市長にも失敗は許されない。
ただ、田宮二郎と裏・市長との違いは、
裏・市長にはおっぱいが法律で許されている…。

これは大きい。

つまり、裏・市長さんがすれ違いざまに、
綾瀬はるかさんの乳を揉んでも、
「裏・市長だから仕方ないわな、パナソニック」と
許されるものが、
田宮二郎が乳揉みをすると、
「あの…田宮二郎さんが…ショック…、
　もう誰も信じない…！」と衝撃を与えてしまう。

田宮二郎に許される揉みは、
綾瀬はるかの父の肩もみぐらいである。

つまり、人生は適度に肩の力を抜いて、
生きたほうが良いということなのだ。

真面目になればなるほど自分を追い詰めて、
猟銃を自分に向けてしまった…。

もし、田宮二郎が生きていれば、
勝新太郎が生きていれば、
石原裕次郎が生きていれば、
美空ひばりが生きていれば、
令和の芸能界も変わっていただろうな。
　
80代、90代がにぎやかだったろうな。
みんな早死にだったなぁ。
by 裏・市長 (2020-11-28 16:50) 

裏・市長さん
コメントありがとうございます。

なるほど・・・
これが、この間、
路上で、いきなり、
綾瀬はるかの胸に触って逮捕された、
男の極秘供述調書か・・・。

実に興味深いものがある。
セクハラする男というのは、
普段から、こういう心理で、
犯罪を重ねているのか・・・。

まず、自分の事を、
田宮二郎に似ていると思っている。
ここに本人の顔写真が貼り付けてあるが・・・。
すごい自信だな。
その根拠のない自信は
一体どこからやって来るのか。

それから、溢れ出る万能感。
綾瀬はるかに触っても、
俺様ならOKという、
不思議な思考回路。

えーー！？
自分は田宮二郎の生まれ変わりとまで
言っているのか。

本当に大した自信だな。
だって、こやつ、
田宮二郎より年上なのに・・・。

by 青山実花 (2020-12-10 21:46)