「黒の切り札」

〔1964年/日本〕


根来恭平（田宮二郎）、
林哲也（山下洵一郎）、
多田健吉（待田京介）
の3人は、
それぞれ別の理由で、
新日本開発の会長・深沢に深い恨みを抱いていた。


根来は、
深沢の請負業者・郷田が経営する
ナイトクラブに、
サックス奏者として入り込み、
郷田に取り入る事に成功する。


根来たちは、
復讐の計画を練ってゆくが、
根来の大学時代の親友で、
検事になった大崎（宇津井健）は
そのことに気付き、
計画の中止を警告する。


実は、大崎の婚約者・知子（藤由紀子）は、
根来と恋人同士だった過去があり・・・。





昨日書いた、
「黒の挑戦者」では、
悪を許さない弁護士を演じていた田宮二郎さんが、
本作では、
復讐に燃える男を熱演。


敵陣が経営するナイトクラブに、
サックス奏者として入り込んで、
相手の動向を探る田宮さん。


ボスの情婦を手懐けて、
情婦が怒った時も、
キス一つで、
怒りを解いてしまう田宮さん。
する事なす事、全部がカッケー。


けれど、そんな彼にも、
悲しい過去がある。


結婚まで考えた女性・知子がいたのに、
悪党のせいで家庭が崩壊し、
知子の前から、姿を消さざるをえなかったのだ。


そして、その知子は、
今は、学生時代の親友の婚約者。
俺は、あやつより、
成績も、楽器の腕前も、顔面偏差値も（とは言ってはいないが（笑））、
勝っていたのに、
チックショー！と自分の運命を呪いたい気持ちなのだ。


まぁ、仕方ない。
人は、才能や努力だけでは
どうする事も出来ない、
運やタイミングのようなものがある。


クライマックスの、
山の中での、
ダイナマイトの場面は、
中々の見応え。


あー！もうダメだ、
田宮さんも、最早これまでか、という危機を、
何度も乗り越えて、
事件解決。
田宮さんって、運が悪いように見えて、
本当はめっちゃ強運の持ち主なんじゃ（笑）。


評価　★★★☆☆

コメント 6

クリス松村さんの初恋が田宮二郎サマ。同級生のお父様だったそう。
すごく素敵だったって♡
by Ginger (2020-08-21 15:55) 

Gingerさん
コメントありがとうございます。

学習院を舞台に繰り広げられたお話ですね。
皆様、品が良さそう＾＾
by 青山実花 (2020-08-21 18:55) 

快刀乱麻の手際の田宮二郎様。
ライフル銃での自殺は子ども心に衝撃でした。
何があったのか、気にするのを忘れていました。

by tommy88 (2020-08-23 10:02) 

tommy88さん
コメントありがとうございます。

亡くなった理由は1つではないのでしょうが、
精神的に、相当お辛かったようですね。
イケメンすぎるのも、大変なのかもしれません＾＾；
by 青山実花 (2020-08-23 19:40) 

あ！青山実花さんもご覧になったんですか！。
実はボクも見たんですよ！「黒の切り札」。

藤由紀子さんの田宮二郎さんを見つめる目が…。
中条静夫さんを見る時と熱量が全然違うんですね！。

田宮二郎さんの時はウルウル…という感じで、
中条さんの場合は「このウサギ屋が…ケッ…」。
そのぐらいの差があります。

検索してみたら、この後、田宮＆藤は
本当に出来上がってしまってやがるんですね！。
あぁ！いやらしい！タイムショック！！。

昭和時代はメンタルの病気に理解が無く、
「鬱」などというとても見ないと書けない漢字の
病状は存在しなかった。

だから今で言う、鬱の症状を訴えても、
「なまけ病」なんて言われたものだ。

でも、個人的には今がいい時代…とも思わないんだよ。
理解がありすぎて…というか、
それを逆手に取り、「武器」にする人間が
少なからずいる…。

少し意見でもしようものなら、
いじめるな、病気が理解できてない！と逆に叩かれる。

弱者がいつの間にか逆転してねぇか？。

という訳で、このコメント欄でも一見、
裏・市長さんが大暴れしているように見えるのだが、
それはあなたの錯覚です。

本当の弱者は…。
by 裏・市長 (2020-09-04 23:22) 

裏・市長さん
コメントありがとうございます。

藤由紀子さんは、
本当にお幸せな方だと思いますわ。

映画で共演した、
超イケメンの田宮二郎という、
当時の大映の大スターと、
若尾文子、京マチ子、山本富士子らを差し置いて、
結婚できたんですもの。

女優としては格下でも、
女としては勝ったのよ、フンっ！てな気持ちだったのではないでしょうか。


藤由紀子さんは、
本当に不幸せな方だと思いますわ。

イケメン俳優・田宮二郎と結婚できて、
子供まで生んだというのに、
夫は精神的に不安定なうえに、
くだらない理由で大映を退社、
挙句に散弾銃で自死してしまったんですもの。

しかも、大切なお位牌は、
愛人と言われた山本陽子さんが持っているなんて、
本妻としての立場はどうなってしまうのでしょう。


山本陽子さんも、
本当に不幸な方だと思いますわ。

田宮二郎さんに自死されて、
今度は超年下の沖田浩之をゲットしたと思ったら、
また自死。
何かにとり憑かれているんじゃないでしょうか。

by 青山実花 (2020-09-11 22:46)