「赤い闇 スターリンの冷たい大地で」

〔2019年/ポーランド〕


1933年。
ヒトラーへのインタビュー経験を持つ、
イギリス人ジャーナリスト・ガレス・ジョーンズ（ジェームズ・ノートン）は、
強い疑問を持っていた。


世界恐慌で、どの国も大変な中、
ソ連だけがなぜ、
繁栄しているのか、と。


その謎を解くため、
単身ウクライナに赴いた彼は、
想像を絶する光景を目にする・・・。





試写会で観た。


実在のジャーナリスト・ガレス・ジョーンズが、
実際に体験した出来事の映画化。


「我が国は繁栄している」。
「我が国はこの世の楽園だ」。


そんな風に標榜している国は、
何も、こんな古い時代じゃなくても、
今でもあるし、
日本だって、他国を笑えるのか、と思う。


ただ、映画の時代とは違って、
これだけ通信が発達した今、
何かを隠すのは、昔より楽ではない、というのはあるけど、
逆に、ネットを利用してフェイクニュースを流す事もできるという
側面もあるわけだし。


世界恐慌の嵐が吹き荒れる中、
スターリンが統治するソビエト連邦だけが、
繁栄していると聞けば、
誰だって、疑問を持つのは当然だし、
もしそれが本当なら、
その理由や、コツをご教示願いたいと考えるのも、
当然の事と思う。


そんな思いで、
監視の目をくぐり、
決死の覚悟でウクライナ入りした、
若きジャーナリスト・ジョーンズは、
目にした光景に、言葉を失う。


酷寒としか言いようのない世界で、
人々の飢えは極限に達し、
駅や道端で人が死んでいても、
皆、虚ろな目をして、
それをよけて歩くだけ。


ジョーンズが、電車の中で、
オレンジを食べ始めると、
乗り合わせた人々は、
今にも飛び掛からんばかり。
食べ物に向けるギラギラとした、その視線の恐ろしさ。


さらに、ジョーンズは、
最悪の体験をする。
ある家で、子供たちが食べていた肉をもらい、
一緒に食べている時、
ふと、気付く。
「君たちの兄さんは？」と。


この映画と、
今の世界情勢の苦しさは、
種類が違うけど、
先がまるで見えないのは同じ。


貧すれば鈍する。
世界はこの先、どこへ向かうのか。


評価　★★★☆☆

コメント 10

うわー、極限の状態を映した映画ですね。
ヤマカゼは結構ビビリだからまた最後まで見れないかもしれないです。

by ヤマカゼ (2020-07-31 07:18) 

こえ～、こえ～・・・
怖すぎて観られない・・・(´･ω･`;)
by あっこ (2020-07-31 09:39) 

これは、観に行きたいです。
世界中で、映画製作が中止になっていて観たい映画もなかったけど、
地元の映画館、経営難で閉店になっても困るから、行ってきたいと思います。
それになにより映画館にずいぶん行っていないので行きたい。
今なら、きっと密にならない対策などしているでしょう


by わたし (2020-07-31 11:25) 

ヤマカゼさん
コメントありがとうございます。

今の日本で本当の極限状態を
体験した方は少ないでしょうから、
ショックは大きいですね。
by 青山実花 (2020-08-01 17:54) 

あっこさん
コメントありがとうございます。

人は飢えると、
どのような行動を取るか予測できなくて怖いですよね。
by 青山実花 (2020-08-01 17:56) 

わたしさん
コメントありがとうございます。

ぜひぜひ、ご覧になってくださいね。
結構ショックな映画ですが、
歴史を知るのにも、とてもいいと思います。

映画館は、黙って前を向いているだけだし、
換気もしているとの事ですし、
それほど感染リスクは高くないのでは、と思います。
by 青山実花 (2020-08-01 18:00) 

北朝鮮
中国の農村部
日本に秋以降生まれる新たな底辺

by tommy88 (2020-08-02 09:23) 

tommy88さん
コメントありがとうございます。

日本の秋以降・・・
無宗教なのに、何かに祈りたい気持ちです。
by 青山実花 (2020-08-02 16:36) 

「君たちの兄さんは？」。


この映画はホラーですね…。

食べ物の恨みは怖ろしいとはよく言いますが、
もし青山実花さんが空腹に耐えかねている時、
目の前で見せつけて、青山実花さんの大好物である、
げんこつからあげ弁当（からあげ3個入り）を、
ひとりで食べる男がいたらどうしますか？。

世の中は広いとは思っていましたが、
世間には、からあげ弁当とタピオカドリンクで、
引っかかる女もいるのですね。

いくら金がないとはいえ、いやしい女の前で、
ひとり平然と、からあげ弁当を食う男がいたんですよ。

なぁ～～～にぃ～～～～！、
やっちまったな！！。

男は黙って、高楊枝！。
男は黙って、高楊枝！！。

最初、この男もエサで釣ってたんですが、
釣った魚にはエサはやらねぇを実践したところ、
すぐに破局が訪れたんですよ。

なぁ～～～にぃ～～～～！、
やっちまったな！！。

男は黙って、寝配信！。
男は黙って、寝配信！！。


いや、実際の話、ボクの知り合いにも、
金がないからと言って、皆が集まっている中で、
自分だけモノ食ったり、飲んだりしてるヤツいました。

普通、自分の女に「のど乾いてない？」とか、
声ぐらいかけるやろ？と思いましたが、
それが2人のルール、翔んでイスタンブールかもと
思い放置しましたが、やはり破局はすぐに
訪れましたね。

ボク、この「自分だけ」というのが出来ないんですよ。

青山実花さん、ご安心ください。
ご一緒した時は、声ぐらいはおかけしますよ！。
まぁ、おごるつもりはまったくありませんがね！。
奢られるのは遠慮しません！いつでも来い！。
by 裏・市長 (2020-08-06 00:31) 

裏・市長さん
コメントありがとうございます。

「裏・市長さんは？」。

この映画はコメディですね。

だって、あなた、
食べ物が何もないところで
見知らぬ子供たちが、
美味しそうな肉を食べていたら、
もらうのは当然でしょう？

でも、あれ？
さっきまで一緒にいた裏・市長さんがいないわ、
一体どこに行っちゃったのかしら？

ま、いっか。
それにしても、
これ、何の肉なのかしら、
初めて食べる味だわ。
日本にはいない動物かしら？・・・

裏・市長さんはご立派ですわ。

釣った魚に餌をやらないどころか、
自らが餌となって、
わたくしのお腹を満たしてくださろうとするのですから。


え？
自分の恋人と一緒にいるのに、
自分だけ飲み食いする方がおられるの？

それは悲しいですわね。
やっぱり男って、何も察しようとはしないのね。

そりゃあ、すぐ破局もするでしょう。
恋が長続きしないのは、
必ず何か原因があるものです。
いえ、それは恋とも呼べない、
ただの行きずりの関係ですわね。


あー、映画観る前にうどん食べたい。
映画観ながらアップルパイが食べたい。


by 青山実花 (2020-08-09 19:36)