「午前零時の出獄」

〔1950年/日本〕


出所間近い受刑者・岡田英次が、
房内で暴力事件を起こす。
どうやら彼は、
出所したくないらしい。


その理由は、
ヤクザの兄貴分を殺してしまった自分が
刑務所を出れば、
親分に殺されるに違いないという、
不安を抱えているからだ。


そこに居合わせた新聞記者・宇野重吉は、
岡田を助けてやりたいとの気持ちから、
出所時間を午前零時にして、
自分が付き添う事にする。


案の定、ヤクザが追いかけてきたが、
なんとか撒き、
恋人・久我美子の家に身を隠す。


しかし、そこもすぐに嗅ぎつけられ・・・。





新聞記者の力を借りながら、
通常では有り得ない、
「午前零時の出獄」をした男が、
それでもヤクザに狙われ・・・
という物語。


逃げても逃げても、
ヤクザに居場所を嗅ぎつけられ、
そしてまた逃げる、
岡田英次さんと久我美子さん。


その場面が結構ハラハラする。
ヤクザがいるすぐ後ろを、
抜き足差し足で通っていく場面なんて、
これ、絶対見つかるだろって感じで、
なんだか観てるこちらの方が、力が入ってしまう。


それぞれの役柄を演じている、
俳優の皆様全員が、
めっちゃ適役で、すごくいい。


岡田英次さんは、
命を狙われる男の恐怖を
上手く演じていたと思うし、


それから、久我美子さんの、
輝くような美しさ、品の良さ。
久我さんの兄もヤクザなんだけど、
そんな兄とは正反対の、
純粋な役で。
さすがお公家さま。


そして、私が一番素晴らしいと思ったのが、
宇野重吉さん。


宇野さんは新聞記者でありながら、
自分の利益などまるで関係なく、
正しい道だけを突き進む。
それも、力んでいるわけではなく、
あの飄々としたイメージのまま。
すんごくいい。


冒頭、暴れる岡田さんを、
投げ飛ばすのが、
刑務所長の笠智衆さん。


小作品ながら、
これだけの大スターが出演。
贅沢な映画。


評価　★★★☆☆

コメント 6

宇野重吉さん懐かしいな～
寺尾聰さんの父親だよね。
by 英ちゃん (2020-04-03 16:27) 

宇野重吉さん！いいなあ。
あの語り口。
あの、引っ込んだ眼。

by sigedonn (2020-04-03 23:25) 

英ちゃんさん
コメントありがとうございます。

宇野さんと寺尾さんは、
間違いなく親子ですね。
ソックリですもの＾＾
by 青山実花 (2020-04-04 15:49) 

sigedonnさん
コメントありがとうございます。

宇野さん、
あの朴訥な感じがたまらなくいいですね。

by 青山実花 (2020-04-04 15:49) 

昔からヤクザやホームレスは刑務所に逃げる。
議員の先生は病院に逃げる。

これが一番安全・安心だと言われてた。

しかし令和になったら、この神話は崩れたな。

新型コロナウイルスよ！。

これだけはどこにでも侵入していく。
どこにも逃げられない。
刑務所の受刑者までが感染してしまう…。
受刑者は夜な夜なお姉ちゃんのいる
接待を受ける飲食業にはお出かけしないぞ！。

それなのに感染する。

なぜだ？！。

つまりウイルスからは逃げ場がない…、
ということだ。日本国民よあきらめろん。

ところで、河井案里な！。
あいつ、薬、大量に飲んで酒くらって、
自殺未遂を起こし、病院に逃げたな。
その後…が報道されない。

逃げ得を許すなよ！。令和の時代に
こんなことをする議員が存在すると言う
事実にボクは日本の行く末を嘆く…。

案里はキャッツアイだけ歌っとけ！一発屋が！。
by 裏・市長 (2020-04-12 14:28) 

裏・市長さん
コメントありがとうございます。

裏・市長さん、
ご安心ください。

新コロにだって、やって来られない場所がございます。
それは、わたくしの所有する、
常夏の楽園、「ウーラ島」でございます。

ここは島全部がわたくしのものですので、
他の者は入ってこられません。

当然、無人島ですので、
コロナに毒されてもいません。

たとえ、日本人の感染者が
90％を超えたとしても、
この島にさえ渡れば、
無事に天寿を全うする事ができるのでございます。

ただ、条件がございますの。
「ウーラ島」に渡るには、
大和高田港から出ている船に乗るんですけれど、
その前に、港の前にある、
「シーチョ旅館」で30年間隔離されなければなりません。

なにせコロナウイルスの潜伏期間は30年でございましょう？
30年が過ぎても発症しなかったかたのみ、
島にご招待するという仕組みなんですの。

どうぞ30年分の食糧をご用意ください。
わたくし、先に島に渡ってお待ちしております。
裏・市長さんが来られる日が楽しみですわ。

by 青山実花 (2020-04-16 19:02)