SSブログ

「Red」 [映画]

red.jpg
〔2020年/日本〕


塔子(夏帆)は、
エリートの夫(間宮祥太朗)と、5歳の娘がいる、
傍目には、何不自由のない暮らしの専業主婦。


ある日、塔子は、
夫に連れていかれたパーティで、
かつての恋人・鞍田秋彦(妻夫木聡)と再会。
その場で、激しく唇を重ね合う。


その後、鞍田から、
鞍田の働く設計事務所が
社員を募集している事を知らされた塔子は、
何食わぬ顔で応募し、
合格する。


共に同じ事務所で働く事になった
鞍田と塔子は結ばれるが・・・。





試写会で観た。


エロシーンがエロいと定評のある(笑)、
妻夫木くんの官能映画っぽい映画と聞けば、
期待するなという方が無理であろう。


ただ、感想は、といえば、
まぁ、普通だった。
確かに性愛のシーンはあるけれど、
なんだろう、
塔子と鞍田が、
互いに、
恋しくて恋しくて恋しくて恋しくて恋しくて恋しくて・・・というような、
迸るような情熱が伝わってこない。


この映画の妻夫木君の表情は常に暗く、
人生を諦めているように見える。
そして、それには理由がある事も、
途中で分かるんだけど、
その理由ってのが、
「え、またそれ・・・?」というありふれたもので、
他にないんかい、と思ってしまう。


まぁ、原作がある物語なので、
映画のせいではないんだけど。


塔子の、鞍田への強い思いが感じられない理由の一つに、
柄本佑演じる、同僚・小鷹の存在がある。


小鷹は入社してきた塔子に目を付け、
言い寄るんだけど、
なぜか塔子も満更でもないような様子を見せるのだ。


たとえ不倫とはいえ、
鞍田に激しく恋する気持ちから、
鞍田以外の男は眼中にない、といった体で、
「やめてください!(きりっ!)」といった、
毅然とした態度を示す場面でもあれば、
印象が変わるのに、惜しい事だ。


この映画は、
別に不倫の是非を問うているのではない。
そんな事を言っていたら、
文学も映画も、
一つも作れはしない。
ただ、たとえ不倫だとしても、
何かもっと、主人公の、
「本気度」が見たかった。


凄いのは、塔子が暮らす家。
凄い豪邸。
やっぱり家が好き(笑)。


彼女の夫はエリートな上に、
実家も大変に裕福で、
舅姑と同居している。


夫役の間宮祥太朗は、
暴力や浮気などはないんだけど、
「離婚理由にはならない程度に嫌な男」
という絶妙にギリギリな役を演じておった。


舅も、姑も、
イジメなどはないんだけど、
ビミョーに嫌な奴。
なんか、何もかもがビミョーで入り込めないのかも(笑)。


評価 ★★★☆☆

nice!(115)  コメント(8) 
共通テーマ:映画

nice! 115

コメント 8

わたし

夫も浮気暴力もなく、舅、姑も、きわだった意地悪がないけど、ビミョーに嫌な奴ってこれきわめて現実的ではないでしょうか。
塔子が他の男性にも、色目を使うって、それもリアルって感じがします。リアリティを追求しすぎると、物語としておもしろくなくなってしまうのかも。
妻夫木くんも、間宮くんも、いい男なのに贅沢だ〜という怒りもわいてくる(笑)
by わたし (2020-02-06 18:51) 

英ちゃん

不倫の映画やドラマをやるから本気になって騒動を起こす役者が多いんじゃないの?(゚□゚)
by 英ちゃん (2020-02-07 01:39) 

mitu

最近の私も、ビミョーにいやな奴なんです(*´з`)
by mitu (2020-02-07 10:48) 

青山実花

わたしさん
コメントありがとうございます。

ビミョーに全員が性格悪いって、
本当に現実的ですね^^;
現実に人って、そんなものだという気がします^^;
やっぱり映画なので、
ちょっと極端なくらいの方が、
物語に入って行きやすいですよね。
私、妻夫木君が大好きなので、
中途半端な夏帆さんが物足りなかったです(笑)。

by 青山実花 (2020-02-07 22:52) 

青山実花

英ちゃんさん
コメントありがとうございます。

やっぱりラブシーンを演じていると、
相手を好きになってしまうものなのかもしれませんね^^;
不倫でなくても、
それで盛り上がって結婚してみたものの、
結局別れたご夫婦が今までどれほどいた事か(笑)。

by 青山実花 (2020-02-07 22:52) 

青山実花

mituさん
コメントありがとうございます。

mituさんはきっと優しいかただと想像しています。
私は、ビミョーどころか、
とっても嫌な奴です(笑)。
自分の真っ黒な所は自分が一番よく知っています(笑)。

by 青山実花 (2020-02-07 22:52) 

裏・市長

青山実花さんがとっても嫌なヤツで、
このボクは洗いたてのガラスのように、
繊細なハートの持ち主だということは、
全SSブログの民衆がよく知るところですが、
今日のレビューはうなされた…、
いや、唸らされたね。

映画批評でメシを食ってるボクなんかでも、
どうしようもない作品に出会ってしまう事がある。
根が正直なので、「この映画はクソです」などと、
身も蓋もない事を書いちゃう。

今日のレビューも、大したことねぇ作品だった、
というのは行間からボクの股間にヒシヒシと
伝わってくるのだが、決して「クソ」とは評しない。

そして「私ならこうした」という、
自分なりのアプローチを記している。

これをやられると「そんなにエラソーに言うなら、
お前が作ってみろよ!」という、
捨て台詞が告げられなくなる。実にうまい。

これはボクも見習って、出来るだけ世間に敵を
作らないように生きていきたいのだが、
もう今更遅いような気もする…。

でも、人間いくつになってもやり直せるものだろうか。

覚醒剤はやめられるものだろうか…。

by 裏・市長 (2020-02-16 04:55) 

青山実花

裏・市長さん
コメントありがとうございます。

洗いたてのカラス?
それはいったいどのようなカラスなのでしょう。
白いカラスなのでしょうか?
パンダみたいに白黒なのでしょうか?
それとも、ひぱりみたいに、
綺麗な声で鳴くのでしょうか?
どうか一度、
わたくしの屋敷の窓辺に飛んできてくださいませね。


わたくし、
どうも、前から、
この映画の〇〇とは合わない気がしているんですの。

だって、緩いのよ。
ほっこりなのよ。
踏み込みが足りないのよ。
物足りないのよ。

毒気がないから、
毒にも薬にもならないのよ。

あぁ、
韓国映画の毒気が羨ましい。
毒じゃ。
やっぱり毒気が大切なんじゃ。
と、わたくしは、声を大にして言いたい!

なので、裏・市長さんは、
どうぞ、覚醒剤でも、MDMAでも、ラッシュでも、
お続けになってくださいませね。

by 青山実花 (2020-02-17 14:37) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。