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「噛みついた若旦那」 [映画]

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〔1960年/日本〕


日本橋の酒屋「ちよだや」の
女主人・絹子(清川虹子)は、
息子の新太郎(高島忠夫)が、
もうすぐ大学を卒業し、
家業を継いでくれるのが、楽しみで仕方なかった。


ところが、実は新太郎は、
絹子に内緒で、
大手自動車メーカーの就職試験を受け合格していた。
問題は、それを、絹子に中々言い出せない事だ。


さらにその事では、町内会のお馴染みさん・勇蔵(森川信)も、
困っていた。
彼は、新太郎の就職に当たり、
絹子に内緒で保証人になっているのだ。


勇蔵から、事実を知らされた絹子は怒り、
「酒屋を継ぐのが嫌なら家を出ていけ」と・・・。





いいなぁ、清川虹子さん。
日本には、「お母さん女優」と呼ばれる女優さんが、
何人かおられるけれど、
(森光子さん、山岡久乃さん、京塚昌子さんなど)
私は、清川さんがとっても好きだなぁ。


私が清川さんを知った頃には、
バラエティ番組でたまに見る人というイメージで、
高田純次氏から、
指輪にガムをくっつけられて(笑)、
怒り狂っているような、
印象しかなかったのだけれど、
古い映画を観ていると、
昔は、いいお母さん役をしていたんだなぁ、と、
つくづく思う。


この映画は、
由緒ある酒屋を息子が継いでくれるのを
楽しみにしている母親と、
サラリーマンになりたい息子との
衝突を描いた作品なわけだけど、


自営とサラリーマン、
決して、どちらがいい、というのではないけれど、
映画やドラマでは、
その問題が、
結構、取り沙汰されることが多い。


そして、人は、
自分が生まれ育った環境を、
「普通」と考えてしまうんだろうなぁとも思う。


例えば、私自身、
身近な血縁者は全て、
サラリーマンや公務員など、
いわゆる、お給料をもらって生活しているという者しか
いないので、
「息子がサラリーマンになりたいと言っているのだから、
 許してやりなよ」と思ってしまうけど、


これがもし、
実家が自営で、
さらに、それが老舗で、
商店街の真ん中で暮らしているような環境に育っていたりしたら、
「お店は大事にしないと」と思っていたかもしれないし。


この映画の場合、
現実離れしているくらい、
ハッピーな方向に
話がどんどん進んでいくわけだけど。


評価 ★★★☆☆

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