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「座頭市と用心棒」 [映画]

zatoichitoyojinbou.jpg
〔1970年/日本〕


座頭市(勝新太郎)は、
故郷のように思う、蓮華沢の里に
三年ぶりに訪ねるが、
里は変わり果てていた。


小仏の政五郎(米倉斉加年)が暴力で人々を支配し、
市が、かつて世話になった梅乃(若尾文子)は、
政五郎の愛人にされている。


政五郎は、市を殺すよう、
用心棒の佐々木(三船敏郎)に命じた。
佐々木は、盲目の相手を斬るのは嫌だと
最初は断るが、
大金を積まれ、仕事を受ける・・・。





座頭市は19作目まで観ていたのだけれど、
それから先に中々進めなくて、
やっと、20作目である、本作を観た。


20作目という、節目だからだろうか。
三船敏郎さん、若尾文子さんという、
大物スターが出演し、
時間も、今まで90分弱だったのが、
116分という、
座頭市にしては、長い作品になっている。


一番の見どころは、
勝新太郎と三船敏郎の対決だけど、
勝さんは三船さんを、「ケダモノ」と、
三船さんは勝さんを、「バケモノ」と呼ぶ。


うーん、さすが。
どちらも言い得て妙。
2人の特徴が、
たったそれだけの言葉に、めっちゃ上手く表現されている。


それから、三船さんの他にもう一人、
九頭竜という殺し屋を、
岸田森さんが演じておられるのだけれど、
それがもう、
「不気味」としかいいようのない演技で、
鬼気迫った感じが凄い。


この物語の中で、
大量に隠されている、
金の延べ棒を探す事も、楽しみの一つなんだけど、
実は、このお宝、
延べ棒でなく、砂金であることが分かる。


で、その砂金、
確かに大量にあったのだけれど、
なんと、最後にすべて風に舞ってしまうのよ。


なんてこった(笑)。
勿体ない。
もし私が今後の人生で、
万が一、隠し財産を持つことがあったとしても、
砂金だけはやめようと、固く心に誓った(笑)。


座頭市シリーズは全26作。
あと残り6作、早く制覇したい。


評価 ★★★☆☆




この作品で、
若尾文子さんの出演映画、161本中127本を観た事となりました。


(★は観た作品)


★春の雪 (2005)
★竹取物語 (1987)
★ある映画監督の生涯 溝口健二の記録 (1975)
★幻の殺意 (1971)
★男はつらいよ 純情篇 (1971)
★スパルタ教育 くたばれ親父 (1970)
★座頭市と用心棒 (1970)
★天狗党 (1969)
★千羽鶴 (1969)
★濡れた二人 (1968)
★積木の箱 (1968)
★不信のとき (1968)
★鉄砲伝来記 (1968)
★華岡青洲の妻 (1967)
★砂糖菓子が壊れるとき (1967)
★妻二人 (1967)
★夜の罠 (1967)
★雪の喪章 (1967)
 処女受胎 (1966)
★赤い天使 (1966)
★雁 (1966)
★氷点 (1966)
★処女が見た (1966)
★刺青 (1966)
★妻の日の愛のかたみに (1965)
★不倫 (1965)
★清作の妻 (1965)
★帯をとく夏子 (1965)
★女めくら物語 (1965)
★波影 (1965)
★花実のない森 (1965)
★幸せなら手をたたこう (1964)
 悶え (1964)
★卍(まんじ) (1964)
★獣の戯れ (1964)
★傷だらけの山河 (1964)
★「女の小箱」より 夫が見た (1964)
★温泉女医 (1964)
★新・忍びの者 (1963)
★越前竹人形 (1963)
★女が愛して憎むとき (1963)
★わたしを深く埋めて (1963)
★女系家族 (1963)
★八月生れの女 (1963)
★雪之丞変化 (1963)
★しとやかな獣 (1962)
★秦・始皇帝 (1962)
★瘋癲老人日記 (1962)
★その夜は忘れない (1962)
★やっちゃ場の女 (1962)
★仲よし音頭 日本一だよ (1962)
★閉店時間 (1962)
★爛(ただれ) (1962)
★雁の寺 (1962)
★家庭の事情 (1962)
★妻は告白する (1961)
★新源氏物語 (1961)
★銀座のぼんぼん (1961)
★女は二度生まれる (1961)
★女の勲章 (1961)
★東京おにぎり娘 (1961)
★好色一代男 (1961)
★お嬢さん (1961)
★婚期 (1961)
★花くらべ狸道中 (1961)
★銀座っ子物語 (1961)
 素敵な野郎(1961)
 鎮花祭 (1960)
★偽大学生 (1960)
★安珍と清姫 (1960)
★勝利と敗北 (1960)
★ぼんち (1960)
★からっ風野郎 (1960)
★女は抵抗する (1960)
★女経(じょきょう) (1960)
★初春狸御殿 (1959)
★浮草 (1959)
 実は熟したり (1959)
★美貌に罪あり (1959)
 花の大障碍 (1959)
★次郎長富士 (1959)
★氾濫 (1959)
★山田長政 王者の剣 (1959)
★薔薇の木にバラの花咲く (1959)
★最高殊勲夫人 (1959)
★あなたと私の合言葉 さようなら、今日は (1959)
 新婚七つの楽しみ(1959)
★母(1958)
★娘の冒険 (1958)
★夜の素顔 (1958)
 嵐の講道館(1958)
★一粒の麦 (1958)
★息子の結婚 (1958)
★口笛を吹く渡り鳥 (1958)
★愛河 (1958)
★忠臣蔵 (1958)
★螢火 (1958)
★東京の瞳 (1958)
 妻こそわが命(1958)
★青空娘 (1957)
★夕凪 (1957)
★誘惑からの脱出 (1957)
★永すぎた春 (1957)
★朱雀門 (1957)
★慕情の河 (1957)
 続銀河の都 (1957)
★スタジオはてんやわんや (1957)
 銀河の都 (1957)
 君を愛す (1956)
★四十八歳の抵抗 (1956)
★日本橋 (1956)
★涙 (1956)
 スタジオは大騒ぎ (1956)
 あさ潮ゆう潮 (1956)
★滝の白糸 (1956)
★処刑の部屋 (1956)
★新婚日記 恥ずかしい夢(1956)
★新婚日記 嬉しい朝(1956)
★赤線地帯 (1956)
★虹いくたび (1956)
★新妻の寝ごと (1956)
★花嫁のため息 (1956)
 薔薇の絋道館 (1956)
★弾痕街 (1955)
 七人の兄いもうと (1955)
★珠はくだけず (1955)
★長崎の夜 (1955)
★幻の馬 (1955)
 娘の縁談 (1955)
★薔薇いくたびか (1955)
★月に飛ぶ雁 (1955)
 幸福を配達する娘 (1955)
★螢の光 (1955)
 勝敗(1954)
荒城の月 (1954)
★月よりの使者 (1954)
 緑の仲間 (1954)
★浅草の夜 (1954)
 慕情 (1954)
★舞妓物語 (1954)
★酔いどれ二刀流 (1954)
★或る女 (1954)
★心の日月 (1954)
 十代の誘惑 (1953)
 無法者 (1953)
 続続十代の性典 (1953)
 春雪の門 (1953)
★祇園囃子 (1953)
 続十代の性典 (1953)
★チャタレー夫人は日本にもいた (1953)
 怒れ三平 (1953)
★十代の性典 (1953)
 彼女の特ダネ (1952)
 街の小天狗 (1952)
 秘密 (1952)
 明日は日曜日 (1952)
 花嫁花婿チャンバラ節(1952)
★母子鶴 (1952)
 猛獣使いの少女 (1952)
★死の街を脱れて (1952)
★長崎の歌は忘れじ (1952)

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MONSTER ZERO

おーっ!この大名作を遂に拝観されたのですね(^^
一般的に座頭市の中でこの作品はあまり評価されていないと聞いたことがあります。
座頭市と用心棒で勝&三船両御大が出ているのですから、どちらが勝つか負けるかなんて言うこと自体、野暮な話です!
キングコング対ゴジラと同じ!「両雄並び立たず」ですね(^^;
岡本喜八先生が監督、若尾文子さん、岸田森さん、滝沢修さん。米倉斉加年さん、そして極めつけ!嵐寛寿郎大先生!
とにかく物凄いキャストですから、それを観ているだけでも最高な1本です!
私も、さすがにDVDを購入して拝観しましたね(^^
極私的ながら座頭市は最初の「座頭市物語」とこれだと思っています!
by MONSTER ZERO (2019-04-26 14:11) 

うりくま

座頭市シリーズは26作もあるのですね@@。
既に20作も鑑賞された実花さんは座頭市通?!
オールスターキャストの本作、見てみたいです。
ところで、私もようやくシャンシャンに会えま
した。実花さんの仰る通り、可愛かったです♡
by うりくま (2019-04-26 23:32) 

裏・市長

俳優・岸田森のスゴさを世間はまだ知らない。

青山実花よ、そこの実花、
もっとレビューにして、岸田森を再評価してくれ。
樹木希林の旦那だけあって、いい意味での
「変わり者」であるぞ。

俳優なんて仕事でメシを食おうと思い立つ時点で、
もうすでに変わり者なのであるが、
80年代から現代までよく聞かれる、
友だちが知らない間にプロダクションに写真を
送っちゃってて~・・・とか、そんなきっかけで
デビューするほど、生ぬるくない。

劇団、舞台からの叩き上げである。

オススメは
「傷だらけの天使」。
手下の不始末のせいで、
ヤクザの親分さんの前で土下座!。

その際、自分の帽子とともにヅラもいきなり取って土下座!。
アドリブだったので、ツルンツルンの頭見て、
萩原健一もクチをアングリ・・・。

「蘇る金狼」での障害者で殺し屋!。
もう、この設定がイカす!。
メクラで足が不自由、さらに言語も不自由。
なのに殺し屋!。

で、その死に様もイカす!。
松田優作に撃たれて死ぬシーン、
倒れ込むのだが、後ろのセットが壊れない!。

岸田森はどうしたか?。

自分で壊しながら死んでいった・・・。
普通、NGだろうよ~~~~?!。
しかし、岸田森ならそれが許される。
岸田森なら、この人が演じる殺し屋なら、
きっとこうして死ぬだろう。誰もが納得。

「怪奇大作戦」で脳波をいじられて、
キチガイになり真昼の雑踏を拳銃片手に
笑いながら走り抜けるゲリラ撮影とか、
とてもこの文字制限の(100文字)ある、
コメント欄では書ききれません!。

もし、ご興味がおありでしたら、
「真・大和高田市ホームページ別館 
明と森のお部屋」へ遊びに来てくださいね。

さて、「座頭市VS用心棒」に負けない、
so-netブログ世紀の一戦、
「青山実花VS裏・市長」。
これはチケットが売れまっせぇ~。

特にスケベオヤジ・・・いや、熟年期に達した、
男性諸君には。
あの!裏・市長さんがどのように華麗なる
性技・・・いえ、正義の一撃を浴びせるのか?!。

勝つのはどっちだ!?。

まぁ、こちらをお読みに皆様なら、
どちらが勝つのかなんて、聞く事すら愚問ですけどね・・・。
ふふふ・・・。
by 裏・市長 (2019-04-27 02:42) 

サンフランシスコ人

1988年頃に、ナショナル・ギャラリー・オブ・アート(アメリカのワシントンD.C.にある国立美術館)で上映されました....
by サンフランシスコ人 (2019-04-27 05:37) 

英ちゃん

勝新太郎さんは、一般的には「バカモノ」って感じだったね?
やる事なすことが破天荒だったからね(゚□゚)
でも、昔の役者は破天荒な人は多かったかも知れないけどねw
by 英ちゃん (2019-04-27 09:50) 

わたし

なつかしいです、ひたすらなつかしい、リアルで映画館で観ましたよ。その後、いろんな人が座頭市を演じましたが、勝新さんにまさる座頭市はいない。当然ですが。シリーズは26作もあるのですね、それは知らなかったです

by わたし (2019-04-27 10:12) 

青山実花

MONSTER ZEROさん
コメントありがとうございます。

勝新太郎さんと三船敏郎さんの
両者があまりに大物すぎて、
話が散漫になってしまっているのかもしれませんね。
しかも、大スターさんたちが多すぎて、
きょろきょろしちゃうし(笑)。

私も、「座頭市」の一作目は面白かったです。
あと、座頭市の元になったような、
「不知火儉校」がまた、最高ですね。
やっぱり、どんなものでも最初のインパクトは大事ですね。

by 青山実花 (2019-04-28 17:35) 

青山実花

うりくまさん
コメントありがとうございます。

古い映画って、
シリーズ物を、めっちゃ沢山作る事が多かったようで、
こちらは観るのが大変です(笑)。

シャンシャンの可愛さ、尋常でなかったでしょう?^^
ずっと接していられる飼育員さんが、
羨ましいです^^

by 青山実花 (2019-04-28 17:36) 

青山実花

裏・市長さん
コメントありがとうございます。

岸田森さんの凄さを一言で言うなら、

「あの、内田裕也でさえ逃げ出す事のなかった樹木希林でも、
 手に負えなかった男」

という事でよろしいでしょうか。

裏・市長さんのご命令通り、
そんな岸田森さんを、
褒めて褒めて褒めちぎりたいんですけど、
わたくし、なぜか、
どうしても、この方のお顔を覚えられないんですの。

何度も映画で観ているはずなのに、
顔が頭に浮かんできません。
外国の俳優さんでいうと、
ゲイリー・オールドマンが、それに当たります。

きっと、演技があまりに七変化すぎて、
毎回印象が変わるからかもしれません。

でも、そんな事ではいけない。
それでも、お前は映画好きと言えるのか、
という世間のお叱りの声が聞こえてきますので、
早速、
「真・大和高田市ホームページ別館 
明と森のお部屋」、
見させていただきました。
URLを教えてくださって、ありがとうございます。

でも、あのぉ・・・
このサイトのどこに、
岸田森さんの事が書かれているんですか?

書かれているのは、
裏・市長さんの、風俗ルポばかりではないですか。
まさか、裏・市長さんが、
「目指せ!大和高田市風俗店全制覇」を
目指しているなんて、
62年ものお付き合いでありながら、
まるで知りませんでした。

これからも、お体に気をつけて、
あと残り2000店、頑張ってくださいね。

それから、わたくしは、
「青山実花VS裏・市長」
 ↑
このような映画に出るのは、ちょっと・・・。

多分、わたくしが良くても、
事務所NGだと思います。

なにせ、わたくしったら、
清純派アイドルのイメージが強すぎますでしょう。
友達のオーディションに、
付き添いで付いて行ったら、
声を掛けられて、そのままデビューしたという、
絵に描いたようなエピソードで売り出したのでございます。

デビュー前に、過去の写真は全て回収するなど、
相当、お金をかけてもらっているので、
清純派のイメージは崩せなくて。
ふふふ・・・。

by 青山実花 (2019-04-28 17:36) 

青山実花

サンフランシスコ人さん
コメントありがとうございます。

アメリカで上映されるほど、
知られた名作なのでしょうね^^

by 青山実花 (2019-04-28 17:36) 

青山実花

英ちゃんさん
コメントありがとうございます。

勝新太郎さん、横山やすしさん、など、
「バカモノ」が活躍していた時代が羨ましいです。
今の「バカモノ」は実力が伴わないので叩かれるのでしょうね。

by 青山実花 (2019-04-28 17:37) 

青山実花

わたしさん
コメントありがとうございます。

「座頭市」を劇場で観られたなんて、
本当に羨ましいです。
私もその当時の空気感を、
肌で感じたかったです。

by 青山実花 (2019-04-28 17:37) 

サンフランシスコ人

カリフォルニア大学バークレー校でも上映したのですが....

Friday, August 26, 1988
Zatoichi Meets Yojimbo (Zatoichi to Yojinbo) 1970

http://archive.bampfa.berkeley.edu/film/FN6966

30年以上も前....

by サンフランシスコ人 (2019-04-29 05:28) 

青山実花

サンフランシスコ人さん
コメントありがとうございます。

座頭市の面白さは、
アメリカ人さんにも理解できるような気がします^^
by 青山実花 (2019-07-30 09:26) 

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