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「痴人の愛」 [映画]

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〔1960年/日本〕


河合譲治(船越英二)は、
職場で、「堅物」「君子」とあだ名される、
真面目で融通の利かない中年男。


しかし彼には、
誰にも話していない秘密があった。
池袋のアルバイトサロンで一目惚れした
若い女・ナオミ(叶順子)を引き抜き、
部屋に住まわせ、
譲治の理想の女として育てているのだ。


ナオミに英語やピアノを習わせ、
教養を身に付けさせようとする譲治だが、
彼女は、そのようなものには全く身が入らず、
ピアノ教室で知り合った男たち(田宮二郎・川崎敬三)と
遊び回っている。


「男たちとは遊ぶだけで、肉体的接触はない」と言う、
ナオミの言葉を無理矢理信じていた譲治だが、
ある日、
決定的現場を見てしまう。


怒り狂った譲治は、
ナオミを家から追い出すが・・・。





現在、角川シネマ新宿で開催されている、
「おとなの大映祭」。

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ラインナップの中に、
3回映画化された「痴人の愛」の、
ソフト化されていない、
叶順子版が入っていたので、
「やった!」と思い、早速出掛けた。


いいねぇ、
譲治とナオミのコンビは(笑)。


譲治はナオミを飼って(人間に使う言葉じゃないが)、
自分の思う通りの女にさせようとしているけれど、
実は、ナオミに翻弄され、
いいように扱われている。


譲治が仕事から帰ると、
家の中はぐちゃぐちゃ。
どんなに疲れていても、
お片付けする(笑)。


そして、
「ねぇぇ~、パパ~、お車買ってぇ~」と甘えられ、
最初は突っぱねても、
結局、買ってやる。


いや、彼が英語を教える場面などは、
結構、厳しいのだよ。
ただ、ナオミは全くやる気がない。
ナオミは、最初から、
譲治の思う通りの女になろうなんて気は
さらさらないし。


実際、譲治は、
ナオミにどうなってほしいのか。
教養を身に付けた、
貞淑な女?


でも、本当は彼は、
奔放な彼女に翻弄されている自分を
喜んでるんだよね?
もしナオミが、
貞女になったりしたら、
一番困るのは譲治なんじゃないかしら(笑)。


叶順子さんが、ナオミの突き抜けていている感じを
上手く演じている。
彼女は、ボーイフレンドたち全員と
関係しているけれど、
それを、
譲治に対する裏切りだとかは、
まるで思っていない、というか、
裏切りなんて概念さえないようで、
とにかく享楽的に生きているだけ。
羨ましく思う人も、実は多かったりして(笑)。


京マチ子さん版を観た時、
ラストが原作と違う気がしたけど、
こちらは近いかな。


さきほど、
「痴人の愛」は3度映画化されていると書いたけれど、
調べてみると、
どうやらもう1本、
「谷崎潤一郎『痴人の愛』より ナオミ 」という、
エロ映画っぽい作品が、
80年に劇場公開されているようだ。


これも観た方がいいんだろうか。
迷うけど、
観ないと、
「痴人の愛」を制覇したとは言えない気がするしなぁ(笑)。


評価 ★★★☆☆

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コメント 10

きよたん

80年痴人の愛見た記憶あります。
とても刺激的な映画でした。
by きよたん (2017-07-03 20:52) 

向日葵

なかなか面白そうです。

角川シネマ新宿で開催されている、
「おとなの大映祭」・・???


うぅ~~ん・・!!
近いのだけど行く時間作れないなぁぁ。。
残念!!
by 向日葵 (2017-07-04 00:28) 

mitu

お色気のある表情って、こんな感じ・・・って感じの表情ですね^^
お色気とは縁遠い人生の自分です。
by mitu (2017-07-04 06:22) 

hatumi30331

原作、読んだし・・・
映画は2作観たかな?
これと、今日マチコさんの〜^^

制覇するのですね!!
ファイと!?(笑)
by hatumi30331 (2017-07-04 06:40) 

裏・市長

「おとなの大映祭」。

出かける場所の次元が、
星の数ほどいるブロガーさんたちと
ちょっと、かなり、大いに違うな!。

試しにso-netブログ内で、
「おとなの大映祭」について書いておられる方を
検索してみましたら…青山実花…のみ!。
さすがとしか言いようがない。
それは個人の勝手なので放っておけ!ですが。


パパと愛人の関係とは、
言葉が良かろうが悪かろうが、
「飼っている」、ペットと飼い主の関係だろう。

ペットは飼い主に従順でなければならない。
決して牙を剥いてはいけない。
このナオミはペットとしては不合格だ。

しかし、この飼い主も親バカならぬ、バカ親に
なり果ててしまっているようだ。
牙をむかれようが、爪で引っ掻かれようが、
それすらも、見えなくなってもうてる。もう末期。

なんべん裏切られたり、浮気されても、
あの人は私がいないとダメになる…!なんて、
離れられないケースを見かけるけど、
相手はこっちの事なんか、なんとも思ってないぜ。

ここより居心地のいい場所があればカンタンに移るぜ。

人としての「情」があれば、
そんなカンタンに人を裏切ったりできないもんだぜ。
そう言うことを平気で出来る人種は、
そもそもそれを「裏切り」とは認識していない。

と、今まで☆の数ほど、女を泣かせてきた
このオレが言うのだから間違いない。

「谷崎潤一郎『痴人の愛』より ナオミ 」は、
観ておこうね。
1980年代は文芸作品を原作とする事で、
限りなくロマンポルノに近いくせに、
「これはエロチカ映画ではありません。芸術作品です」。

てな作品が多かったように思う。

また女優側も「芸術」という建前のもとに、
脱いでいたように思える。

どうかね、青山実花くん!。
「芸術」のために・・・、あっ!やめ…ゴホッ!、ウッ!!・・・。
by 裏・市長 (2017-07-04 09:25) 

青山実花

きよたんさん
コメントありがとうございます。

私も今日、
80年の「痴人の愛」観ました^^
現代版って感じでしたね。

by 青山実花 (2017-07-05 20:16) 

青山実花

向日葵さん
コメントありがとうございます。

お時間と、観たい作品が合えば、
ご一緒したい所なのですが、
難しいでしょうか。

今回が駄目でも、
また何かの機会がありましたら、
行きましょうね^^

by 青山実花 (2017-07-05 20:17) 

青山実花

mituさん
コメントありがとうございます。

私も色気とは程遠い人間で困っています。
色っぽい方には憧れますね^^

by 青山実花 (2017-07-05 20:17) 

青山実花

hatumi30331さん
コメントありがとうございます。

観られてますか^^
映画も原作も、いいですよね。

何とか今日、制覇できました。
ありがとうございます。

by 青山実花 (2017-07-05 20:18) 

青山実花

裏・市長さん
コメントありがとうございます。

「おとなの大映祭」

きっとこのような企画は、
意外と世間に知られる前に終わってしまい、
残念な思いをされる方も多い気がします。
私のような映画のど素人でも、
ブログを介して、
世間の皆様にお知らせする役に立てればいいのですが。

それから、
新宿が終わると、
次は、愛知→大阪で順次開催されるようです。


裏・市長様と知り合って62年が経ちますが、
☆の数ほど女を泣かせてきたとは、
出会ったあの頃から、
ご性格が全く変わっておられなくて、ビックリですわ。

若かったころの裏・市長様が、
私の友人の、A子にもB美にもCちゃんにも、
手を付けてしまって、
激しい諍いが起こった事は、
よく覚えております。

私は友人たちに忠告したのです。
あの男にだけは近寄ってはいけないと。
なのに、みんな、
まるで引き寄せられるように、
裏・市長様のものになってしまいましたわ。
特にCちゃんとのお付き合いは、
62年経った今でも、続いているそうですね。
Cちゃんは、

> あの人は私がいないとダメになる…!

こんな風に考えるタイプとは真逆の女性ですが、
むしろ、それが良かったかしら。
人って面白いものですわね。


裏・市長様の御言いつけ通り、
「谷崎潤一郎『痴人の愛』より ナオミ 」、
早速観てしまいましたわ。
感想はそのうちレビューしますわね。

え?
わたくしに、芸術のためにポルノに出ろと?
そんなもの作ったって、観る人はいませんわよ。
わたくしなんかより、
Cちゃんにお願いしたらよいではありませんか。
いや、たとえCちゃんでも、お断りになるとは思いますが。

by 青山実花 (2017-07-05 20:18) 

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