「獣は月夜に夢を見る」

〔2014年/デンマーク〕


デンマークの海辺の村に住む、
少女・マリー（ソニア・スール）。
彼女の母は、
体を動かせず、話す事もできず、
車椅子生活だが、
父はそんな母を深く愛しているようで、
世話をする事を厭わない。


ある日、マリーは、
体に異変を感じ、医者に診せる。
医者は何かを感じたようだが、
診断は下さず、
また来るようにと言う。


マリーは魚工場でアルバイトを始めた。
バイト仲間から嫌がらせを受けるも、
心優しい青年・ダニエルと親しくなり、
恋に落ちる。


しかし、彼女の体は
日に日に変化してゆく。
獣のような剛毛が生え、
背中の筋肉が盛り上がり・・・。





北欧のホラーというと、すぐに、
「ぼくのエリ」が頭に浮かんだけど、
あちらはスウェーデンで、こちらはデンマーク。
そもそもデンマークの映画を観る機会など
あまり無い気がして、
珍しいので出掛けて行った。


それほど残酷なシーンはなく、
雰囲気を楽しむ。
主人公のマリーは、何らかのモンスターなんだろうけど、
それがはっきり何なのか、
なぜそうなったのかなどは、最後まで分からない。


おそらくは、彼女の母から受け継いだものだと
察することはできるけど、
それについても説明はない。
父は、母がモンスターだと知った上で愛したのだろう。


そして、マリーも同じ事を繰り返す。
バイト先で知り合ったダニエルは優しく、
「彼女には何か秘密がある」と察しながらも、
恋する気持ちは止められない。
いくら時代が変わっても、
人のする事は、そう変わりはしない。


デンマークの人の日常生活が見られたのも
珍しくて良かった。
いつも曇っているような空の下では、
日本人とはまた違う心が
育まれるのだろうな、と感じる。


評価　★★★☆☆

コメント 6

北欧の映画って、個性的というか・・・
独特なものがあるよね。＾＾
たまに見ると、思考回路が動くのが聞こえて来たりして・・・へへ；
私は好きです。＾＾

by hatumi30331 (2016-04-24 09:33) 

映画もまたその風土に影響されるのだろうと私も思います。
青山さんの分析や感想を読むとわたしも実際に見に行きたく
なります。北欧映画は確かにあまりないですが独特の雰囲気
があります。
by きよたん (2016-04-24 12:15) 

おはようございます！。

「難病モノ」かと思って、
難病の話題をコメントに書かせてもらおうと、
読み進めていくと・・・ホラーか！。

さすがに突如、毛深くなり
筋肉隆々になった知り合いはおらんので、
共感する気の利いた事が書けない…（笑）。

「血」を受け継いでいるということは…、
いずれマリーも車椅子生活になってしまうのだろうか。

身の周りに車椅子の人が3人おられるのだが、
見事に3パターンに分かれる。

1　本当に歩けないので車椅子
2　歩けるんだけど、ヘルパーに押してもらったらラクなので車椅子
3　歩けるんだけど、乗ってないと年金が減るから車椅子
　（段差になると降りて、自分で乗り越える）（笑）。

様々なご都合があって…実におもしろい…。

さぁ、月曜日。
ヤル気出してなんとか今日もがんばろう！。
郵便局の開く限り、ボクの使命は果てしない。
by 裏・市長 (2016-04-25 08:28) 

hatumi30331さん
コメントありがとうございます

はい、北欧の人々は、
日本人とは精神構造さえ違うのではないかと
思う事がありますね。
私も、北欧の映画、好きです。
by 青山実花 (2016-04-29 16:28) 

きよたんさん
コメントありがとうございます

そういえば、スウェーデン映画で
日本に入ってきている物には、
子供が主人公の作品も多いですね。
「ロッタちゃん」とか、「やかまし村」とか、「ピッピ」とか。
子供を大切にしている感じもいいですね。
by 青山実花 (2016-04-29 16:33) 

裏・市長さん
コメントありがとうございます

裏・市長さんに言われて、
自分のレビューを読み返してみましたら、
確かに難病物みたいな書き方ですね。
そんな風には全く考えていなかったので、
なんだか可笑しかったです。

車椅子の方のお話ですが、
歩けない方は別として、
2や3の方って本当にいるんですか！
たまに話には聞くのですが。
ちょっとよく分からないのですが、
そういった方でも、障害者年金のようなものの審査は
簡単に通ってしまうのでしょうか。

本当に困っているのに、
国のお金を使うのは申し訳ないと、
障害者申請していない方もいるというのに・・・。

by 青山実花 (2016-04-29 16:51)