「亡霊怪猫屋敷」

〔1958年/日本〕


大学助教授の久住（細川俊夫）は、
妻・頼子（江島由里子）の結核の転地療養のため、
頼子の郷里に引っ越す。


彼らが移り住んだのは、
幽霊屋敷と呼ばれる家で、
頼子は不気味な老婆の姿を何度も見るが、
久住は、病気で神経過敏になっているせいだと信じない。


しかし、ある日、
久住の留守中に飼い犬が殺され、
頼子が老婆に殺されかかるという事件が起こる。
驚いた久住は、
この家にまつわる江戸時代の起こった事件を知る和尚の所へ、
話を聞きに行く。


和尚曰く、
彼らが住む家は、
かつては大村藩家老・石堂左近（芝田新）の屋敷であり、
短気な石堂は、
碁の試合に負けたという理由だけで、
家臣の竜胆寺小金吾（中村竜三郎）を斬り殺したとの事。


さらに、小金吾を身を案じた母は、
石堂に凌辱され自害したと言うのだ・・・。





やっぱり日本の怪談は、
洋物には無い面白さと怖さがあるわ。


日本人だから分かる、
肌で感じる恐怖と、
感情移入のし易さ。
さらにこの映画は、
現代篇と、江戸時代篇に分かれているという、
1本で2度楽しめるお得感（笑）。


怖さだけでいえば、
現代篇の方が怖いかな。
結核を患った妻が、
なぜか一人になった時だけやって来る、
白髪の老婆。


頼みの夫は、
「お前の気のせいだ」と
本気にしてくれず、
でも、振り向くとそこにいる老婆にギョッとする。
うーん、信じてやってよー（笑）。


物語として面白いのは江戸時代篇。


大村藩家老・石堂左近の短気な事ったら、
それはもう病的で、
短気というより、
ヒステリーとでも言おうか、
何か異常な感じ。


そんな石堂に殺されてしまう小金吾が
気の毒で。
しかも、殺された小金吾は、
壁に塗りこまれるのよ。
その壁から滲み出る血液が、
色も質感も、本当にリアル。
血液のドロリとした感じまで
伝わってくるようで。


小金吾の母が、
息子を殺した石堂を憎むあまり、
化け猫になってしまう気持ち、
痛いほど分かる。
物の怪には、物の怪になるだけの理由があるものよ。
気味悪がるだけでなく、
その理由を聞いてあげないと。


ラストもいい。
怖い映画が嫌いな方でも、
これなら納得いきそう。


評価　★★★☆☆

コメント 4

歯医者さんと、怖い映画（お化け）コワイデス(>_<)
お化け屋敷は大丈夫なんですけどね～
by mitu (2015-07-24 12:49) 

新東宝・中川信夫監督。。。。
最高の組み合わせですね！^^;
by MONSTER ZERO (2015-07-27 11:04) 

mituさん
コメントありがとうございます。

私も歯医者さん嫌いです～。
なんでも、最近の子供は、
歯医者さんが嫌いじゃないとか。
しっかり麻酔をしてくれるので痛くないし、
お医者さんも優しいかららしいです。
時代は変わったんですね＾＾；

お化け屋敷、行ってみたいです。
キャーキャー言っちゃいそうです＾＾；

by 青山実花 (2015-07-29 21:27) 

MONSTER ZEROさん
コメントありがとうございます。

新東宝と中川監督の組み合わせ、
そうですか、最高なんですね。
（何も分かっていない＾＾；）

反応が鈍くてすみません。
もっと勉強します。
by 青山実花 (2015-07-29 21:29)