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「アシュラ」 [映画]

anjaam.JPG
〔1993年/インド〕


美しいCAのシヴァーニは、
ある日、金持ちのドラ息子・ヴィジャイに一目惚れされるが、
彼女には、心から愛するパイロットの恋人がいるため、
相手にしない。


ヴィジャイからのアプローチをよそに、
シヴァーニには結婚。
しばらくは幸せな日々が続くが、
4年後、ヴィジャイと再会した事から、
悪夢が始まる。


ヴィジャイは執拗にシヴァーニに迫り、
ストーカー行為は激化、
ついにヴィジャイはシヴァーニの夫を殺し、
自分の顔に傷を付け、
それらの罪を全てシヴァーニが仕業だと言い立て、
彼女は刑務所行きとなってしまう。


女看守が女囚たちを虐待する劣悪な環境の中で、
シヴァーニは、幼い娘に会う事だけを楽しみに生きているが、
その娘もまた、ヴィジャイが運転する車に轢き殺され、
さらに、彼女のお腹に宿っている子供まで流産してしまう。


もう失うものは何もない。
出所したシヴァーニの壮絶な復讐が
今、始まる・・・。





170分の長い映画だけれど、
その分、見応え十分。


出だしはとっても軽く、
まさかこんな展開になるとは、
思いもよらない。
ヴィジャイの、思い込みの激しさや強引さは、
ただの我儘男くらいにしか感じられないし、
シヴァーニの結婚によって、
一度は彼女を諦めたように感じられたから。


けれど、4年後に再会した時から、
最悪の展開に。
彼は、手に入らない物は壊すのが主義だと言い張り、
自分を愛してくれないシヴァーニを、
とことん追い込む。


ヴィジャイは、遊び人風の、
いまどきのイケメンだし、
大金持ちだし、
女なんていくらでも手に入ると思うんだけど、
なぜそんなにシヴァーニに固執するのか、
観る者にはとても不可解なのだけれど、
それがストーカーというものなのだろう。


シヴァーニが入れられた刑務所の内部は、
まるで「女囚さそり」(笑)。
鬼のような看守がいるし、
さらに、夜になるとそこは、
大臣向けの売春宿になるという、荒唐無稽さ(笑)。


気持ちの悪い大臣のおっさんが、
女囚を選びにやって来て、
「まさか現実には、それはないだろう」とは思うのだけれど、
最近のインドでの、
女性に対する暴力事件を見ていると、
あながち創作だけではないのかもと、
申し訳ないけれど、変な憶測までしてしまう。


女性への暴力といえば、
シヴァーニと夫は、とても仲が良くて、
微笑ましいと思っていたのに、
ある事で怒った夫が、彼女を殴るシーンがあって、
心底ガッカリ。
やっぱりインドって、女への暴力は日常的なんだろうか。
もちろん、この映画だけで判断してはいけないんだけど。


シリアスな内容なのに、
突然、歌って踊り出すのもインド映画(笑)。
それから、変なオカマの囚人が出てきて、
この人が、シヴァーニ救出に、
一役買ってくれるのかと、期待して観ていたのだけれど、
なーんにも絡まずに映画は終った。
あの人は何の為に出てきたんだろう(笑)。


評価 ★★★★☆


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コメント 10

sig

暑い国なので、映画館でゆっくり涼めるように、上映時間はたっぷり3時間なのだと聞いたことがあります。「ムトゥ・踊るマハラジャ」の頃のインド映画は楽しい歌と踊りがたっぷりでしたが、最近は「タイガー・伝説のスパイ」や「オーム・シャンティ・オーム 恋する輪廻」のように、踊りはエンドタイトルのバックに回されたりして、それだけ内容重視のハリウッド的になってきたようですが、「そりゃインド映画じゃないぜ」と思うインド映画ファンの私です。
by sig (2015-03-10 23:23) 

hatumi30331

踊って歌うインド映画、大好きです!^^
突拍子もない内容も・・・(笑)
by hatumi30331 (2015-03-10 23:51) 

青山実花

sigさん
コメントありがとうございます。

なるほど、インド映画が長いのには、
ちゃんと理由があるんですね、納得です。

あ、確かに私が最近観たインド映画
(「きっとうまくいく」、「めぐり逢わせのお弁当」、
「スタンリーのお弁当箱」など)は、
歌って踊るより、ストーリー重視ですね。

そういったものは、ハリウッドでいくらでも作れるのですから、
そこはやはり、もうめちゃくちゃに歌って踊る
インドらしい映画を作ってもらいたいものですね。

by 青山実花 (2015-03-11 00:13) 

青山実花

hatumi30331さん
コメントありがとうございます。

インドの方って、
言葉は悪いですけれど、得体の知れない所があって、
そんな方々が突然踊り出すのですから、
ビックリだけど、楽しいですよね♪

私もこれからは、もう少しインド映画方面にも、
力を入れていきたいと思います^^;

by 青山実花 (2015-03-11 00:16) 

mitu

悲惨なストーカー事件は、映画の中だけにしてほしいですね・・・
初めてみたインド映画、「マダム イン ニューヨーク」は、すごく良かったです
「めぐり逢わせのお弁当」も観たかった映画です(^_^)
by mitu (2015-03-11 09:05) 

soujirou-3

ボクがこの映画見ていたらついて行けないかも知れません。インドを題材にした映画「インドへの道」は良かったですね。
by soujirou-3 (2015-03-11 11:15) 

don

なんとなく思うのですが、
インドには女性は旅行に行かない方がいいと思います。
警察が信用できない国で、平気で賄賂を要求してくるそうですから。

by don (2015-03-11 12:32) 

青山実花

mituさん
コメントありがとうございます。

ストーカー事件は、
犯人の精神状態によるところが大きいので、
手に負えない感じが強いですよね。
振られたら諦める、
なぜそんな簡単な事が分からないのか、
理解に苦しみます・・・。

「マダム イン ニューヨーク」観たいです~。
DVDになったら、必ず観ますね♪

by 青山実花 (2015-03-14 13:26) 

青山実花

soujirou-3さん
コメントありがとうございます。

たしかに不幸の連続で、
辛い内容です。
後味も悪いので、
どなたでも楽しめるという内容ではないかもしれません。

「インドへの道」は未見です。
デヴィッド・リーン監督ですね。
いつか必ず観てみますね^^

by 青山実花 (2015-03-14 13:29) 

青山実花

donさん
コメントありがとうございます。

以前はインドにとても興味を持っていたのですが、
その実態が分かってくると、
行く気が失せますね。
悲惨な事件は、結局観光収入を減らす結果となり、
自分たちの首を絞める事に気付いてほしいものだと思います。

by 青山実花 (2015-03-14 13:31) 

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