「喜劇 女は男のふるさとヨ」 [映画]
〔1971年/日本〕
ストリッパー斡旋所を営む、
金沢(森繁久彌)と竜子(中村メイコ)夫妻の所へ、
旅に出ていた笠子(倍賞美津子)が帰ってきた。
久し振りの再会を喜んだ金沢たちだったが、
笠子のヒモが関西からやって来て、
ぼったくりバーに彼女を監禁してしまった。
連れ戻しにいった金沢はボコボコにされ、
怒った竜子は、ある大変な仕返しに出る。
そんな騒動に責任を感じた笠子は、
彼女の追っかけの男・照夫(河原崎長一郎)と共に、
再び旅に出てしまう。
照夫は心底笠子に惚れており、
笠子も次第に照夫に惹かれてゆく。
一方、笠子の紹介で「新宿芸能社」にやって来た、
星子(緑魔子)は、
ストリッパーへの道を歩み始めるが、
近所の爺さん・ケチ権(伴淳三郎)に惚れられる。
笠子は照夫との結婚を決意するが、
照夫にはある隠し事があり・・・。
これはもう、タイトルの通り。
菩薩のような女ばかりが出てくる映画で、
女っていいな、と思わせてくれる。
「女性が輝く社会」なんてわざわざ言われなくたって、
女はとっくに輝いているのよ(笑)。
メインの女3人、
中村メイコ、倍賞美津子、そして緑魔子が、
可愛くて、たくましくて、
すんごい安心感で見ていられる。
中村メイコは夫の森繁さんが、
怪我をさせられて帰ってくると、
泣き寝入りなどしはしない。
その仕返しの方法は、
正直、私の好きなやり方ではないし、
直視できなかったけれど、
森繁さんを深く愛する彼女の気持ちは十分伝わってくる。
倍賞さんもいい。
彼女は最初、自分の舞台を観に、
毎日通ってくる河原崎長一郎を、
運転手扱いしていたけれど、
彼の本気を知って、ほだされる。
なんだか好きな場面。
その後、彼の秘密を知って怒るんだけど、
そのスッパリとした割り切り方は、
男以上に男らしい。
一番素晴らしいのは緑魔子。
彼女こそ、菩薩の中の菩薩。
ラスト近く、彼女は警察に捕まってしまうのだけれど、
その理由ってのが素晴らしい。
それは誰にでもできる事ではないけど、
(私もできない(笑))
もし自分が男だったら、
彼女を拝みたくなるだろうなぁ、と思わされた場面だった。
評価 ★★★☆☆
なんとも物凄い豪華メンバーですねぇぇ。。
これも「いつかは」見なくては!ね!
by 向日葵 (2015-01-15 02:25)
個性と存在感の嵐の様なキャスティング!
そー言えば、ワタシも先日録り溜めをしていた、田中 絹代先生主演の「おかあさん」を拝観しました。
by MONSTER ZERO (2015-01-15 09:06)
向日葵さん
コメントありがとうございます。
昔の映画を観ていると、
現在では大御所となられた俳優さんが
多数出ていて驚く事がありますね。
どうぞいつかご覧になってみてくださいね。
by 青山実花 (2015-01-15 14:36)
MONSTER ZEROさん
コメントありがとうございます。
出演者の皆さんの個性あふれた、
楽しい映画でした^^
「おかあさん」は未見です。
面白そうですよね。
観てみたいです~。
by 青山実花 (2015-01-15 14:38)
当時の生活ぶりや風俗がよく分かって面白い作品でした。
もう1本、同じく田中絹代先生主演「煙突の見える場所」も良かった
です。
上原 謙さんとの夫婦役で、若き高峰 秀子さんやシブい芥川比呂志さん
が良い味出してます。あと、関千恵子さんの天然な演技も!
by MONSTER ZERO (2015-01-19 11:20)
MONSTER ZEROさん
コメントありがとうございます。
「おかあさん」は近々
名画座にかかる予定があるようなので、
時間があったら観に行きますね。
楽しみです。
「煙突の見える場所」は、このブログのレビューで
言いたい放題書いちゃってます、私^^;
観た当時、上原謙さんの言動が、
なんだか納得できなかったんですね。
映画としてはとても面白いと思いました。
by 青山実花 (2015-01-19 21:34)