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「喜劇 “夫”売ります!!」 [映画]

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〔1968年/日本〕


山内杉男(フランキー堺)は、
地元の名家・神代家の女当主・里子(佐久間良子)の
運転手をする男。
彼は里子とは幼馴染であったが、
気が弱く、優柔不断で、
高飛車な里子にペコペコするばかり。


それは家に帰っても同じで、
妻・なつ枝(森光子)が
母・ぎん(安芸秀子)にいびられていても、
仲裁に入る事もできない。


里子は、2度結婚しているが、
2度共、夫と死に別れており、
淋しさのせいか、心身共に優れない日々。
里子のイライラを欲求不満と読んだ
副支配人・石上(川崎敬三)は、
彼女に男をあてがおうと、
杉男にその役目を命じる。


杉男と関係するようになった里子は、
落ち着きを見せるが、
仕事だと言い訳し、毎晩帰って来ない夫を不審に思ったなつ枝は、
ついに事実を知り、怒り狂って神代家へ乗り込んだ。
「こんな夫はいらない。50万円で売ってやる!」と・・・。





仕事とはいえ、
夫がよその女と関係している事を知って、
夫を売ってしまうとは、
まるで人身売買のようではあるけれども、


観ていて、
「それもありかも」と思ってしまった私(笑)。
だって、フランキー堺さん演じる主人公・杉男の、
不甲斐なさったら、
女なら誰でも怒るだろうって。


一番情けなく思うのは、
妻が姑からいじめられているのに、
間に入る事もできない事。


この姑の性格が最悪で、
その底意地の悪さったら、
見ていて気分が悪くなるくらい。
嫁にしたら、
頼りになるのは夫だけなのに、
何でもっとガツンと注意してくれないかなぁ、って。


夫を50万円で売って別れた妻は、
もう姑の前で小さくなる必要もなくなり、
姑のいじめにも、
めっちゃ強い口調と態度で、
一歩も引かない。


そんな嫁の役を演じる森光子さんが上手いのよ。
別れる前と後とでは、
まるで別人のようで、
表情まで違って見えた。
女は強いわ(笑)。


大筋とはあまり関係ないけど、
杉男と里子の関係が、
私が少し前にハマってた、
「春琴抄」のお琴と佐吉に通じるものがあると感じた。


高飛車な里子と、
彼女の言う事は全て聞く杉男。
しかも、ただの主従関係でなく、
夜は閨房で語らう仲というのも同じ。
世の中は、私が知らないだけで、
案外、そういった男女の関係も
あるのかもしれない、と思ったりもして。


評価 ★★★☆☆

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