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「白鷺」 [映画]

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〔1958年/日本〕


明治末期。
老舗の料亭「辰巳屋」が破産し、
債権者たちが押し掛ける中、
一人娘のお篠(山本富士子)は、
大切にしている伊達白鷹画伯の掛け軸だけ、
なんとか持ち出す事ができた。


生活の為、芸者になったお篠の美しさに目をつけた、
成金の五坂熊次郎(佐野周二)は、
なんとか彼女をモノにしようと、
大枚をはたいて、置屋の女将・おとり(賀原夏子)に取り入る。


また、お篠の従兄・与吉(高松英郎)も彼女に惚れており
何かと付き纏ってくるが、
粗野で、金にだらしのない与吉に、
お篠の心が傾くはずもなかった。


ある日、お篠は、
伊達画伯の弟子・稲木順一(川崎敬三)と知り合い、
急速に親しくなってゆく。
しかし、そんな2人に嫉妬した与吉は、
刃物で稲木を襲い逮捕される。


稲本と深く愛し合うようになったお篠。
しかし、五坂に大金を出してもらっている事を
おとりに諭され、
五坂が待つ寝室へ行かざるを得ない状況に追い込まれる・・・。





泉鏡花の原作を映画化。


山本富士子さんの、
日本髪の似合う事ったら。
女の私でも見惚れてしまうような美しさ。


いまさら私のような者が書くまでもないけれど、
山本さんのお顔立ちは、
洋装より和装の方が絶対に映える。
もし私がこんな顔に生まれていたら、
一年中をお着物で通す気がするわ(笑)。


ただ、映画のストーリーは平凡。
老舗の商家のお嬢様が、
家業の没落をきっかけに芸者となり、
破滅へと進んでゆく、って、
先日観た「みだれ髪」の流れとほぼ一緒。
「みだれ髪」の原作も泉鏡花だから、
基本的にそういったお話し作りが得意なのかもしれない。


本作も、「みだれ髪」も、
愛し合う2人を演じるのが、
山本富士子さんと川崎敬三さんコンビだから、
余計に似ているような気がするのかもしれないけれど。


高松英郎さん演じる与吉が、
刃傷沙汰をおこして逮捕された時、
この先、彼が出所してもうひと暴れするのか、
もしくは、
刺された怪我が原因で、
稲木が二度と絵筆を握れなくなってしまうのか、
そんな風に想像したけれど、
その後、このエピソードは、
ストーリーに全く絡んでこなかった(笑)。
与吉は話を盛るためだけの存在だったらしい。


メインの悪役は、
与吉より五坂だけど、
こういった男の心理ってよく分からんなぁ。
明らかに自分を嫌っている女をモノにしたって、
それの一体何が嬉しいんだろう。
相手の女が、自分を好きか嫌いかなんて、
そんな事はどうでもいいんだろうか。
男と女の脳の構造って違うのね。


評価 ★★★☆☆

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