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◆浅水湾(リパルスベイ)の月◆ [本]


浅水湾(リパルスベイ)の月 (講談社文庫)

浅水湾(リパルスベイ)の月 (講談社文庫)

  • 作者: 森 瑶子
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 1990/04
  • メディア: 文庫


森瑤子さんの小説の中でも、
特別に好きな「浅水湾(リパルスベイ)の月」。
何度も読み返して、本はもうボロボロ。


中国の貧民窟の叔母の家で暮らす、
13歳の少女・ロレッタ崔。
彼女は中国人とイギリス人の混血で、
誰もが驚嘆する美しさ。


彼女は、イギリス人・G.B.ムーアに「買われ」、
香港の彼の家に住み込む。
メイドとして、
いや、実は彼の慰み者として。


次の章は、
香港の“ペニンシュラホテル”のロビーに、
毎日やって来る謎の女・モニク李が主人公。


何の関係もなさそうなロレッタとモニクが、
章のラストで交差する。
涙が出る。


凄い、凄い本だ。
もし私が小説家だったら、
たった1つでもこんな本が書けた事に、
誇りに思ってしまうかもしれないと感じるくらいに。


私がここまでこの本に心惹かれる理由は、
おそらく、
男女の部分より、
中国や香港の描写がたまらなく好きだからだと思う。


何度か書いているけれど、
私は中国の貧民窟のような場所に、
なぜか強く強く心惹かれてしまう。
決して住みたいなんて思ってるわけじゃないのに。
前世は、
極貧生活をする中国人女だったのかもしれない(笑)。


映画化するとしたら、
ロレッタの役は、
昔なら宮沢りえ、
今なら沢尻エリカあたりが適当かと思う。
もちろん、セリフは全編英語で。

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コメント 2

yonta*

森さんが亡くなって、もう20年経ってしまったんですね。

この作品を読んだのも20年くらい前だったと思うのですが、
私は1度読んだきりなので、主人公が尋常じゃなく美しいことと、
ラストしか憶えていなくて・・・
小説ではないし、やはりだいぶ前ですが、森さんの
「美女たちの神話」は繰り返し読みました。
古い映画を観るようになったのは、もしかするとこの本のおかげかな、
と今さら思いました^_^;

両方とも本が行方不明なので(だらしない)、
今度ブックオフで見つけたら、買って読み返してみたいです(^^)
by yonta* (2014-06-07 00:52) 

青山実花

yonta*さん
コメントありがとうございます。

本当ですね。
52歳だなんて、本当にお若く、惜しかったですね。

森さんが「美しい女性」と書くと、
本当に美しんだろうなぁと思ってしまいます。
(男性がそう書くのは当てにならない(笑))

この本がとても説得力があるのは、
森さんの旦那様がイギリス人であること、
森さんご自身が世界中を旅なさっていること
などが理由の一つだと思います。
そして、登場する日本人たちのみっともなさったら。
日本国内では立派な男性も、
外国に行くと、どうしてスマートになれないのか。
本の中とはいえ、恥ずかしくなります。
(自分を含めてですが)

「美女たちの神話」、読んだかどうかちょっと定かではないのですが、
私も近々絶対読んでみますね。


by 青山実花 (2014-06-10 13:51) 

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