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「ブルーバレンタイン」 [映画]

bluevalentine.jpg
〔2010年/アメリカ〕


ライアン・ゴズリングとミシェル・ウィリアムズは、
結婚7年目の夫婦。


妊娠を機に結婚した2人。
お腹にいた子も、
今は可愛く成長し、
本来なら幸せなはず。


けれど、2人は上手くいっていない。
病院で忙しく働くウィリアムズに対して、
ゴズリングは朝から酒を飲み、
塗装工の仕事もおざなりだ。


ただ、互いの感情を激しくぶつけ合う事はない。
今の状況を息苦しくは思うけれど、
どうする事もできない。


ゴズリングは、現状を打破すべく、
娘を親に預けて、
ウィリアムズをラブホテルに誘った。
ウィリアムズは全く乗り気でなかったが、
強引に連れて行かれる。


そこで起こった事。
そして、その後に2人は・・・。





結婚生活において、
悩んだり、不満を感じているのは、
大抵、妻の方で、
夫はそんな妻の気持ちに全く気付かず、
突然の熟年離婚宣言・・・
なーんてパターンが多い気がする夫婦関係だけれど、
この映画の場合、
夫のライアン・ゴズリングも、
妻のミシェル・ウィリアムズと同じくらいか、それ以上に、
色々悩んでいるように見えた。


ゴズリングは、「男の方が女より、絶対ロマンティストだ」と言う。
きっと彼は、
結婚は恋愛の延長だと考え、
生活を優先するウィリアムズとの間に、
齟齬が生まれたのかもしれない。


興味深かったのは、
ゴズリングを車で待たせて、
ウィリアムズがスーパーで買い物をしていたら、
彼女の昔の恋人にバッタリ遭遇した場面。


ウィリアムズは、車に乗ってすぐに、
その事をゴズリングに言わず、
少し走った所で報告する。


それがかえって、
ゴズリングの心を逆撫でさせる。
「どんな会話をしたのか、なぜすぐに言わないのか」と。


人の心って本当に不思議。
同じ事でも、報告する時間が、
ほんの微妙に違うだけで、
相手の気持ちを全く違うものにさせてしまう。
特に、なんとなく後ろめたい事だと尚更。


映画では、2人の過去と現在を映し出すのだけれど、
ゴズリングの髪型が凄い。
頭髪の前を、かなり後退させ、
時間の経過を描いている。
大変に力が入っていると思われる。


DVDのパッケージに書かれた言葉、
「永遠に変わらない愛なんて、ないの」。
どうなんでしょ。
たしかに、同じ人と長年一緒にいたら、
出会った頃のような、
激しい情熱は無くなってしまうとは思うけれど、
あとは、状況次第という所もあるんじゃないのかな。
ずっと仲のいい夫婦だっているわけだし。


この映画だって、
ゴズリングが何かで出世して、
向上心の強いウィリアムズを刺激してくれたら、
少なくとも、今の状態にはならなかったような気が。


それから、ウィリアムズにも、
ちょっと感謝の気持ちが足りないとも思う。
詳しくは書かないけれども、
彼らが結婚に至るまでには、色々あって、
ウィリアムズはゴズリングにかなり助けられているのよ。
基本的に、とても優しい男だと思うんだけど。


結局、誰かと一緒に暮らすのは、
「ま、いっか」という、ある程度の鈍感力が必要なのかもしれないな。


評価 ★★★☆☆

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