SSブログ

「昨日消えた男」 [映画]

kinoukietaotoko.jpg
〔1964年/日本〕


江戸中期。
東京湾の沖を進んでいた船が、
停泊している船、“龍神丸”を発見する。
船長と乗組員たちは不審に思って近づき、
船内を調べる。


食べ物は湯気をあげ、
つい先ほどまで人の居た気配の龍神丸。
しかし誰もいない。
乗組員たちは、「幽霊船」だと震え上がった・・・。


同じ頃。
退屈を持て余し、
不眠症を患っている、
八代将軍・吉宗(市川雷蔵)は、
町に出て、実際の事件を自分の手で解決する事を思い立つ。


大岡越前守(三島雅夫)に頼み込み、
身分を隠し、同心の服装で町に出た吉宗だが、
彼を危険な目に遭わせるわけにもいかず、
困り果てた大岡。


とりあえず、解決済みの事件をあてがい、
全員に口裏を合わせるように根回しするが、
それが吉宗の耳に入ってしまい、
彼はショックで遁走する。


町を彷徨ううちに、大橋兼四郎(宇津井健)という浪人と知り合い、
彼の長屋に行くと、
なんと土間に死体が!


これは本格的な事件だと張り切る吉宗。
どうやら事件は、幽霊船と関係があるらしい・・・。





昨日、この映画のDVDを観た直後に、
ニュースで宇津井健さんの訃報を知り驚きました。
映画の中の宇津井さんは、
まだとてもお若く、闊達で、
浪人・大橋兼四郎の役を生き生きと演じておられるご様子が素晴らしく、
その余韻が頭に残っている中でのニュースでした。


市川雷蔵とのコンビも、
息が合っていて、素晴らしかった。
偶然とはいえ、良い映画を観られて良かったと思っています。


で、本作。
市川雷蔵扮する吉宗がとっても可愛い。


彼は、眠れない夜、
家臣たちに、なぞなぞを出してもらって、
時間を過ごす(笑)。
けれど、どの問題も吉宗には簡単すぎるばかりで、
全く張り合いがなくて、
彼はますます退屈するんだな。


それを観て、一千一夜物語の、
アラブの王様を思い出した(笑)。
もちろん吉宗は、
面白くないからって、家臣を殺しはしないけど。


で、退屈しのぎに、
現実の事件を解決しようと、
同心に扮して町へ出る吉宗。
自分で自分の名前を考えたりして、大喜びだけど、
周囲はハラハラし通し。


そりゃあそうだ。
吉宗に何かあったら、
責任問題どころじゃないものね。
今の日本でいえば、
天皇陛下が、警察官の扮装して、
町に繰り出すようなもの?(笑)


で、彼は生まれて初めて、
居酒屋でメザシを見るんだけど、
食べ方も分からない。
そんな感じで、全体的にコミカルで、
笑える場面が結構ある。


しかも、あつらえたように殺人事件が発生。
そんなうまい具合にいくかよ!と思うが(笑)、
そこはご愛嬌。
娯楽映画だと思えば、何でも許せる。


事件の顛末なんてどうでもいい(笑)。
可愛い雷蔵と、
男らしい宇津井健さんを堪能する映画。


評価 ★★★☆☆

nice!(26)  コメント(2)  トラックバック(0) 
共通テーマ:映画

nice! 26

コメント 2

とし@黒猫

宇津井健さん、惜しい名優が逝ってしまいました。
by とし@黒猫 (2014-03-15 17:25) 

青山実花

とし@黒猫さん
コメントありがとうございます。

本当に惜しい俳優さんが亡くなられました。
宇津井さん、とても誠実そうで、
素敵な方でしたよね。
by 青山実花 (2014-03-15 23:06) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

トラックバック 0