「わたしのお医者さま」 [映画]
〔1955年/イギリス〕
新米医師・ダーク・ボガードは、
勤務先の診療所で、
雇い主の娘を押し付けられそうになり、
危機を覚える。
これはもう逃げ出すしかない。
彼は船医となり、貨物船「ロータス号」に乗り込む。
荒くれ男たちが働くこの船では、
ノイローゼから歯痛まで、
全ての病状を診なくてはならない。
南米の港に着いたロータス号。
船員たちと一緒に下船したボガードは、
キャバレーの歌手・ブリジット・バルドーに惚れてしまう。
しかも、帰りの船に、
船会社の重役の娘と、その友人のバルドーが、
一緒に乗ってくる。
男たちは落ち着きを無くし、
船上は、往路とはまるで違う雰囲気に。
そんな中、一人の船員が盲腸になった。
内科医のボガードは、手術は未経験であったが、
なんとか、成功する。
今まで彼を軽んじていた他の船員たちは皆、
彼に感謝の言葉を掛け、
尊敬のまなざしを向けるようになる。
また、ボガードとバルドーの間に恋が芽生え・・・。
ダーク・ボガードといえば、
「ベニスに死す」や、「地獄に堕ちた勇者ども」など、
シリアスな映画にしか出ない人、と思い込んでいたので、
こんなコメディに出ていたのが、とっても意外な気がした。
しかも、この映画って、
ボガードのシリーズ物なのだそうだ。
知らない事って、本当にまだまだ沢山あるわ。
ブリジット・バルドーも、
デビュー作ではないけれど、
まだまだ駆け出しで、とっても若く
そこまでのオーラはない。
可愛いは可愛いけど。
別にどうという事もない映画だけれど、
ボガードが船の中で、
船員さんたちの信頼を得てゆく過程は、
観ていて嬉しい。
彼は基本、真面目だし、
仕事はきっちりしているから、
無意識にも、応援したくなる。
冒頭の、ほんの短いシーンだけど、
診療所の雇い主の娘を押し付けられそうになる場面は、
ちょっとヒヤヒヤした。
雇い主夫婦は、なんとか娘を結婚させたいらしくて、
ボガードが映画に行くと言うと、
「娘もちょうど行く所だから一緒に」などと言う。
私、そういうの苦手で(笑)。
無理にでもデートさせて、
なし崩し的に事を運ぼうっていう、
そういう姿勢が、コメディとはいえ、なんかイヤで。
「まさか、船まで追いかけて来ないよね!?」と、
出航するまで気が気じゃなかったわ(笑)。
評価 ★★★☆☆
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