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「絶唱」 [映画]

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〔1958年/日本〕


昭和18年。
山陰の大地主・園田家の長男・順吉(小林旭)は、
使用人の娘・小雪(浅丘ルリ子)と恋に落ち、
将来を誓い合う。


しかし、大地主である事に、
何よりも重きを置く父は、2人の恋愛など、はなから認めず、
順吉を、実業家の娘と結婚させるよう画策する。
そんな父を嫌い、
彼は小雪への思いをますます募らせる。


順吉は、自分が生まれ育った境遇に、
日ごろから疑問を持っており、
労働者の友人たちと読書会などを開いては、
よく語り合っていた。


自分が順吉と一緒になると、
父母が生活できなくなる。
小雪は、順吉を諦めようとするが、
順吉の思いは深く、
2人は駆け落ちし、小さな下宿屋で新婚生活を始める。


夢のような楽しい日々。
しかし、世の中は戦争に突入し、
順吉にも、召集令状が届く。


順吉がいない間、
小雪は、肉体労働をして彼を待つが、
元々、体の弱い彼女は、
無理な生活が祟って肺を病んでしまう・・・。





「絶唱」といえば、山口百恵さんで映画化された事は
知っていたけれど、
浅丘ルリ子版があるとは知らなかった。


まだ若い浅丘さん、
お目目が大きくて、
それがクリクリとよく動いて、
とっても可愛い。


それにとっても華奢。
全体的に小さくて、
小林旭に、軽々と抱きかかえられる。
彼女の体重が軽すぎて自動ドアが開かなかったという
エピソードを聞いた事があるけれど、
これを観ると、それも分かる気がする。


そんな浅丘さんが演じる小雪が、一度は順吉を諦めようとして、
走って来る彼から隠れるのだけれど、
その時、
「小雪、やっぱり駄目(別れるのは無理)」
という、そのセリフ回しになんとも心がこもっている感じがして、
それは順吉でなくても、抱きしめたくなるようなシーンであった。


身分違いの恋に、
戦争に、
病気に、って、
メロドラマの要素てんこ盛りだけれど、
若いスターを売り出すには、
ちょうどいい内容であろう。
浅丘さんと百恵さん以外に、
和泉雅子さんでも、映画化されているようだ。


順吉が、自分の家に疑問を持つのは分かるけど、
ちょっと偏りすぎな気もした。
彼の言い分を聞いていると、
全ての金持ちは悪で、
労働者は全員、善みたいな感じがする。


自分の父親がどんなに嫌な奴でも、
それは父親個人の問題であって、
全てがそうではないだろう。
労働者の中に、悪い奴だっているだろうし。


そのあたり、他の2本はどう描かれているのだろう。
今度、百恵さん版を借りて観てみよう。


評価 ★★★☆☆

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