「熱いトタン屋根の猫」 [映画]
〔1958年/アメリカ〕
ミシシッピーの富豪の家。
次男のポール・ニューマンは、
アメフトの選手として、
将来を嘱望されていたが挫折、
今は酒浸りの日々。
妻・エリザベス・テイラーとの仲も悪く、
言い争いが絶えない。
そんな中、父が療養生活から戻ってきた。
父は末期癌で、余命いくばくもなかったが、
本人には、その事は伏せられており、
快気祝いのパーティが開かれる。
長男・ジャック・カーソンと、その妻は、
父の莫大な遺産を狙っており、
ご機嫌取りに忙しい。
しかし、父は、カーソンよりニューマンがお気に入りで、
さらに、美しくないカーソンの妻より、
テイラーの事を可愛がっていた。
ニューマンが酒を飲む理由、
そしてテイラーとの確執は、
彼の親友の死に関係があるらしい。
2人はずっとその事に縛り付けられているようだ。
2人の言い争いは父を巻き込み、
さらに大事になってゆき・・・。
ポール・ニューマンとエリザベス・テイラーが夫婦・・・
濃いわ~(笑)。
あまりに2人が大スター過ぎて、
観ていても夫婦という感じがしない(笑)。
スター同士が何やら同じ空間でセリフを言い合ってる、
そんな印象。
元々は、テネシー・ウィリアムズが戯曲を書いた舞台劇で、
場面に、大きな変化がなく、
それも、上記の事を感じさせる一因かもしれない。
舞台劇らしく、
夫婦がしっくりいかない原因の全ては、
セリフで説明される。
なので、全編殆ど2人の揉め事を見せられただけな感じ(笑)。
ニューマンの親友の死が、
2人の仲違いの原因というのは分かったけれど、
何かハッキリしない。
最後までなんだかよく分からない・・・
と思っていたら、
実は原作には、
もっと大きな秘密が書かれているそうだ。
古い時代だったので、
それを大っぴらに描く事が出来ず、
かなり曖昧な表現で、
テネシー・ウィリアムズは、
映画にガッカリしたらしい。
なるほど。
それなら納得。
鈍い私には、
「お察しください」と言われても(言ってないか)、
察せられなかったよ(笑)。
それじゃ、2人は上手くいかないはずだわ。
今ならもっとハッキリ描かれるだろうに、
なんだか惜しい気がする。
評価 ★★★☆☆
タイトルは知っていましたが、内容をまったく知らなくて、
青山さんのレビューを拝見するまで、猫みたいに気まぐれで
魅力的なエリザベス・テイラーが、男性を翻弄する作品かと
思っていました(笑)。
今ならきっと、大きな秘密も大胆に描けそうなので、
リメイクしたらいいのに・・
リメイク作の方が、抜群にいいって言われる映画ができそうですよね。
by yonta* (2012-08-08 23:15)
yonta*さん
コメントありがとうございます。
テネシー・ウィリアムズの戯曲のタイトルって、
なんだか訳の分からない物が多いですよね(笑)。
「欲望という名の電車」とか「ガラスの動物園」とか・・・。
猫みたいなテイラーが男を翻弄する話も、
作られていたら、それはそれで面白そうですね(笑)。
本当、今リメイクされたら、
もっとハッキリと分かるように描かれるのではないかと思います。
テイラーとニューマンに匹敵するような濃い配役を考えてみました。
例えば、
アンジェリーナ・ジョリーとトム・クルーズの夫婦とか?
濃すぎて、後から喉が渇きそうですね(笑)。
by 青山実花 (2012-08-09 15:21)