SSブログ

「悪名一番」 [映画]

akumyoichiban.jpg
〔1963年/日本〕


年末の大阪。
朝吉(勝新太郎)の所へ、
お照(藤原礼子)が友人を連れてくる。
友人は、経営する飲み屋で開かれた零細企業の忘年会の代金を、
払ってもらえず、困り果てて朝吉に相談に来たのだ。


朝吉が金の取立てに行くと、
彼らは、会社から給料が出ないので払えないと言う。
会社に掛け合うと、
大黒金融という金融業が、
預けた金を払い戻してくれないと言う。


大黒金融に出向いた朝吉は、
そこの社員が、
1億円の金を持ち逃げしたと聞かされる。
持ち逃げした男は、
東京に逃げたと聞かされ、
朝吉は清次(田宮二郎)を伴って、
東京へ・・・。





シリーズ8作目。


ついに朝吉が東京にやって来た(笑)。
今まで、舞台はずっと大阪や四国や瀬戸内海の島だったから、
初めての展開がなんだか珍しい。


田宮二郎演じる清次も、
「東京は初めてで、ワクワクする」みたいな事を言う。
大阪から東京へ出てくるって、
今よりずっと大変だったんだろうなぁと思う。


しかし、東京では、
朝吉の名前は通用しない。
「わしが八尾の朝吉や」と啖呵を切っても、
彼を知っている者などいはしない。
全てはゼロからのスタートだ。


しかし、そこは映画、
有り得ない偶然が続く。
朝吉が乗り込んだ運送会社には、
なんと、以前彼が四国で関わった、
一郎(芦屋雁之助)と二郎(芦屋小雁)が働いていて、
彼がどんなに凄い人なのかを、
ご丁寧に説明してくれるのだよ。


さらに、清次に声を掛けてきた男娼が、
このシリーズでお馴染みのおぎん。
行く先々、知り合いばっかり(笑)。


朝吉は、人々から田舎ヤクザと笑われ、
恥をかかされる。
それでも彼はへこたれない。
最後はいつもの勧善懲悪。


私は、古い日本の映画に映る、
東京の街並みを見るのが大好きだ。
この映画が公開された1963年頃、
高度成長期の東京は発展著しかったのだろう、
朝吉と清次は、ビルとビルの間を闊歩しながら、
「東京は空が見えないなー」と言う。


私が今まで観た映画の中で、
高度成長期の東京の様子を一番楽しめたのは、
クレイジーキャッツの一連の作品。
サラリーマン・植木等がドタバタしている背景に、
いつも、東京の街並みがあった。
資料としても、とても貴重だと思う。


評価 ★★★☆☆

nice!(13)  コメント(2)  トラックバック(0) 
共通テーマ:映画

nice! 13

コメント 2

まゆか

ついに朝吉が東京に・・・\(^0^)/

私も昔の東京の風景を観ると(DVDで。)、
感激しちゃいます。ウルウル・・・(T_T)

前世は、東京で暮らしていたのかもしれません。笑


by まゆか (2012-08-08 07:58) 

青山実花

まゆかさん
コメントありがとうございます。

古い映画で昔の街並みを見るのは
楽しいですよね。
それから看板を見るのも好きです。

>前世は、東京で暮らしていたのかもしれません

どこかでお会いしているかもしれませんね♪

by 青山実花 (2012-08-09 15:11) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

トラックバック 0