「僕達急行 A列車で行こう」 [映画]
〔2011年/日本〕
松山ケンイチは、大手不動産会社の営業マン。
鉄道に乗りながら音楽を聴くのが大好きで、
そのせいか、モテないわけではないのに、
フラれてばかり。
瑛太は、町工場を経営する父親の下で働く、
奥手で純情な青年。
こちらも鉄道オタクである。
父親の会社は、技術はあるのに、
経営が上手くいかず、
銀行からの融資を断られるなど、
不安定な状態だ。
2人は、旅先での出会い、
東京で偶然の再会をし、意気投合する。
ほどなくして、松山の福岡転勤が決まり、
2人は分かれ分かれとなる。
松山は福岡での仕事に悪戦苦闘するが、
瑛太が遊びに来た事で、
話が大きく展開する。
2人が小旅行に出掛けた先で知り合った、
鉄道マニアの中年男こそが、
松山の仕事に関わる重大人物であった事から・・・。
昨年亡くなられた森田芳光監督の遺作だそうだ。
とにかく悪人が出てこない。
主人公の2人はもちろんの事、
彼らを取り巻く人々も良い人たちばかりで、
安心して観ていられる。
松山ケンイチも瑛太も、鉄道オタクという事だが、
だからといって、
それほど難しい用語が出てくるわけではないし、
鉄道の話ばかりに終始するわけでもないので、
それほどマニアックな印象は受けないし、
私のような、鉄道を知らない者でも楽しめる。
むしろ私は、松山のサラリーマンとしての仕事ぶりと、
瑛太の町工場の跡取りとしての手先の器用さに、
大変に興味を惹かれた。
真面目な松山は、
同僚や上司に好かれてはいるが、
福岡での仕事の成果はイマイチだ。
しかし、鉄道マニアだった事が幸して、
大きなチャンスがやってくる。
たまたま遊びに来ていた瑛太も、
同じく鉄道マニアだった事、
そして、機械や電気に滅法詳しかった事が幸して、
これまた、父の会社再建への大きなチャンスを掴む。
スクリーンを観ながら、
自然に、「芸は身を助く」という言葉が頭に浮かんだが、
やはり、その後、劇中でもその言葉が出てきていた。
松山の勤務先の女社長を松坂慶子が演じていたのだが、
これがまた、例によって、
こんなんで大都会の不動産屋の経営者が務まるのかと
思われるくらいの、おっとりぶり(笑)。
これは別に文句ではないです。
なんだか面白くて可愛いキャラだなぁと思って(笑)。
彼女のこの役、結構好き。
評価 ★★★☆☆
この一言
「とにかく悪人が出てこない。」
めっちゃ新鮮です(^^)
本当にそうですね。
好きなことをやってるときの顏がみなさんいい顔でしたね(^^)
by コザック (2012-04-17 00:08)
コザックさん
コメントありがとうございます。
本当に皆さん、良い方ばかりで(笑)。
私は映画の中の悪人は全くOKなのですが、
たまにはこういうのもいいですね。
そうでしたね。
そして趣味が仕事に結びついてゆく過程が良かったです。
何事も、やっていて損はないって感じで。
by 青山実花 (2012-04-17 22:33)