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「眠狂四郎 炎情剣」 [映画]

nemurienjo.jpg
〔1965年/日本〕


野道をゆく眠狂四郎(市川雷蔵)。
向こうから、ぬい(中村玉緒)という女が、
夫の仇と争いながらやって来る。


「助太刀してくれれば、望みの物を与える」というぬいの言葉に、
仇を切った狂四郎に、
その男は、「助太刀するは、お前の恥」という謎の言葉を残して死んでゆく。
ぬいは狂四郎に、お礼として自分の体を差し出す。


翌日、狂四郎が飲み屋で酒を飲んでいると、
役人に追われた男が、命からがら逃げこんでくる。
冷たくあしらう狂四郎に、男は、
「鳴海屋・・・」とつぶやき、捕えられ去ってゆく。


ところが、何日も経たないうちに、
その鳴海屋(西村晃)が狂四郎の元へ一人の女を連れてやって来る。
鳴海屋は、
「この女に、男を教えてやってほしい」と狂四郎に頼み置いてゆくが、
女が生娘でない事を、狂四郎は一目で見抜く。


まるで女を手土産にして、
何か重大な頼み事があるかのような、そのやり方だが、
案の定、狂四郎は大きな陰謀に巻き込まれてゆく・・・。





シリーズ5作目。
市川雷蔵の狂四郎を演じる姿が、
板についてきたというか、
慣れてきたというか、
そのスタイルを確立したというように感じられた。


ただ、物語全体が、
女を物のように扱う、その感じがなんだかなぁと思う。


中村玉緒は、いつものようにとても可愛いのだが、
狂四郎に、「お前の色香なら、男を云々」と言われる場面は、
ちょっと違和感。
彼女に可愛さはあっても、男を惑わす色気はないでしょ。
演じている中村本人も、
その辺、ぎこちなかった。


評価 ★★★☆☆

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コメント 4

k_iga

調べ物をしていたら眠狂四郎(市川雷蔵)の動画に遭遇。
なるほど、現代の俳優にはいないタイプですね。色気もある。

三作目に出ていた丸井太郎という役者が同じ柴錬のTVドラマ版「図々しい
奴」で大人気になるも、五社協定でTVに出られず邦画界に戻され、このシ
リーズの端役くらいしか与えられず命を断ちました。

好きな田宮二郎も五社協定の被害者ですが、結果としてスタッフがTVドラマに流出し、TVドラマの質向上、邦画の衰退のきっかけとなりました。
(大映も倒産)。

昔の邦画を観る度に五社協定は何だったんだろうと思います。
by k_iga (2011-07-30 13:06) 

坊や

中村玉緒さんは色気じゃぁなくて、無垢でチョッピリおてんばの
お姫様のイメージでしょう~~か?
by 坊や (2011-07-30 15:14) 

青山実花

k_igaさん

市川雷蔵が当時大人気だったというのも、
作品を観ていると分かりますね。
スターがスターだった時代なのでしょうね。

>五社協定でTVに出られず

年配の方と映画の話をしていて、俳優女優の話になると、
「あれは○○(映画会社)の俳優(女優)だね」と
必ず言われるのを、興味深く聞いています。
私にはそういった概念がないので、不思議なのです。
(今で言えば、“ジャニーズの”とかいうようなもの?)
(ちょっと違うか(笑))

やはり当時は、その協定のせいで、
苦しい思いをした方が沢山いたのでしょうね。
協定がなければ、もっともっと、
色々な俳優さん同士が競演できていたはずで、
惜しい事です。


by 青山実花 (2011-07-30 18:54) 

青山実花

坊やさん

そうですね、
中村玉緒さんは、体型も女っぽいわけではないですし、
(例えば、若尾文子さんのような)
どちらかと言えば、可愛いイメージ。
それは今でも変わりませんね(笑)。
by 青山実花 (2011-07-30 18:57) 

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