◆風花◆ [本]
村上弘美の小説は、
なんだかいつも「かさかさ」しているように感じられる。
脂が抜けているような感じ。
本作も、
主人公の“のゆり”は、
夫に浮気され、
浮気相手の女から呼び出されたり、
また別の浮気相手の女から、
何度も無言電話を掛けられているのに、
それでも、焦る様子もなく、
題名のようにふわふわした女だ。
しかし、終わりの頃になって、
“のゆり”は反撃に出る。
それは、今まで穏やかだった彼女の、
精一杯の抵抗であり、
やりたい放題だった夫が、
慌てたように、
彼女に歩み寄ろうとする様子に
なんだか溜飲が下がった。
やっぱり、
「堪忍袋の緒が切れる」ってあるんだろう。
どんなに我慢強い女でも。
ただ、私はこんな男女関係って嫌だな。
互いに、物凄く気を使い過ぎてる。
一緒に暮らしているなら、
くだらない事に笑ったり、
ダラダラしたり、
したい。
それが出来ない相手じゃ、疲れる。
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