◆木曜組曲◆ [本]
耽美派小説の第一人者、重松時子が亡くなって4年。
時子を取り巻いていた女性たち5人は、
毎年、命日近くの木曜日に時子の家に集まり、
時子を偲んでいた。
しかし、今年は例年とは趣きが違う。
自殺とされていた時子の死に、
疑問を投げかけるメッセージが届いたのだ。
時子の死は、果たして自殺なのか他殺なのか。
一軒の家の中で、
登場人物は5人の女性だけで展開されるミステリー。
舞台劇の為に書かれた本なのかと思ったが、
そういうわけでもないようで、
その後、舞台ではなく映画化されている。
5人の人物キャラをきちんと把握しないと混乱するが、
慣れてくると、どんどん読める。
時子に対する5人の思いはそれぞれで、
皆の感情が微妙にズレているのが面白い。
5人の中の1人が、
店を出せると言われるほど料理上手で、
食事の場面が、羨ましいくらいに美味しそう。
それもこの本の楽しみの一つかも。
読んでいるとお腹が空きそうだ。
誰が主役というわけでもなく、
5人が時子の呪縛から逃れられないまま、
物語は終わる。
映画もいつか絶対観てみたい。
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