「イントレランス」 [映画]
〔1916年/アメリカ〕
いつの時代も、
どんな国でも、
不寛容(イントレランス)は普遍にあって、
それによってもたらされる悲劇も普遍であるという内容を、
平行する4つの物語で描いたサイレント映画の大作。
古代バビロン、
キリストの受難、
16世紀フランス、
現代アメリカ、
この4つの物語に、
ゆりかごを揺らすリリアン・ギッシュの場面が
場つなぎ的に挟まれ、
分かりやすいようにストーリーは進行してゆく。
古代バビロンの建造物のセットには驚く。
これはもう、セットとは言えず、
大金をかけて、建物を一つ建ててしまったような感じだ。
ところが当時は、
映画が思っていたよりヒットせず、
このセットを壊す金も無くなり、
長い間放置され、廃墟のようになっていたそうだ。
うーん、なんとも。
それならそれで、あの建物はずっとそのまま残しておいてほしかったなぁ。
映画の歴史の遺産として、貴重だったのに。
ハリウッドにある「ハリウッド・ハイランド」という複合娯楽施設の広場は、
「バビロンコート」という名称で、
この映画のセットを模した作りになっている。
映画の象徴のような、バビロンの門や、象の石像があるのだが、
今になってそんな事・・・。
100年も前にこんな映画。
映画の歴史って深い。
評価 ★★★★☆
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