◆光GENJIへ―元フォーリーブス北公次の禁断の半生記◆ [本]
まだ私がとても若かった頃、
ある本屋さんに、なんとなく立ち寄ったところ、
北公次さん著作の、
「光GENJIへ―元フォーリーブス北公次の禁断の半生記」
というタイトルの書籍が、
平積みになっていました。
光GENJIといえば、
当時、飛ぶ鳥を落とす勢いのアイドルグループで、
私自身は、特にファンという事もなかったのですが、
それでも、そんなタイトルを見れば、
ミーハーの端くれとしては、気になります。
何か光GENJIについて書かれた本なのだろうか、
と、何気ない気持ちで手に取り、
立ち読みし始めました。
すると、その内容は、
私が想像していたものとは全く違っていました。
その頃の私は、
まだジャニーズ事務所の秘密を全く知らない、
真っ新な状態でしたので、
その衝撃といったら、
後頭部をバットで殴られたようでした。
その後、私は、
周囲の友人たちに、
「光GENJIへ」に書かれていた事を話しました。
しかし、多くの友人たちは、
「ミーハーの青山が、また何か言ってるよ」くらいの反応で、
本気で取り合ってはくれません。
いえ、別に、その事を怒っているわけではないのです。
そういった類いの話は、
よくある芸能ゴシップ、
週刊誌にあるような、
捏造記事と同等だと思われたのも仕方がない事です。
しかし、私はその本の内容について、
北公次さんが、
嘘を書いている、とか、
話しを盛っている、という風にはとても思えない、
何かを感じていました。
ただ、北公次さんの身に起ったような事は、
まさか、今はないだろう、
ジャニー喜多川だって、
もういい年だし、
それは過去の話と、
自分に言い聞かせました。
そう信じたかったんだと思います。
「光GENJIへ」の出版から35年。
闇に葬られたようなこの本が、
まさかこんなに話題になる日が来るとは、
想像もしていませんでした。
今、ジャニーズ事務所は、
ジャニー喜多川の性加害を公式に認め、
被害者の補償に当たろうとしています。
ジャニー喜多川が、
死ぬ直前まで性加害をしていた事も、
明らかになりました。
今回、こんな事を書いたからと、
私に、何か主張があるわけではなく、
ただ、あの時の衝撃と、
人に話しても信じてもらえないもどかしい気持ちを
残しておこうと思い、
書いてみました。
1つだけ思うのは、
被害に遭ったのが、
例えば、私の弟だったとして、
その弟が、
その事を誰にも言えずに、
家で、一人になった時、
声を殺して泣いている、なんて姿を想像すると、
胸が潰れる思いがする、という事です。
男性から男性への性加害というとピンとこなくても、
例えば、それをいじめやパワハラに置き換え、
被害者が、弟や、息子や、孫だと考えると、
その辛い気持ちが、
分かり易い気がするのですが。