◆テスカトリポカ◆ [本]
『第165回 直木三十五賞 受賞』
『第34回 山本周五郎賞 受賞』
このダブル受賞は、
17年ぶり、2度目の快挙だという。
(ちなみに初のダブル受賞は、
熊谷達也さんの「邂逅の森」でした。
↓
https://aomikamica.blog.ss-blog.jp/2017-01-03
こちらも傑作です)
こういう凄い本を読むと、
自分は小説家になるのは、
とても無理だな、と痛感する。
(そもそも、なれるとも思っていないが(笑))。
著者の佐藤究さんは、
日本人・・・なのよね?
メキシコや、インドネシアの、
裏社会を、
なぜこんなに深く描けるのか、
アステカの神話に詳しい、というより、
メキシコの老女の気持ちそのものになりきって、
その深い信仰心を
なぜここまで、強く描けるのか、
凄いとしか、言いようがない。
(もちろん、参考資料があるのは、
巻末の一覧で分かるけれど、それにしても)
メキシコでは泣く子も黙る、
麻薬王の男が、
長い逃亡の末、
日本にやってくる。
彼は、日本人の屈強な男たちを、
「メキシコ式」
の教育で、殺し屋として育てる。
この
「メキシコ式」
というのが肝だ。
想像を絶する。
日本のヤクザとは、レベルが違い過ぎる。
全編、犯罪だけの本。
詳しい事は書けないけれど、
一人でも多くのかたに読んでいただいて、
この世界観を味わってほしいと思います。