「白い牛のバラッド」 [映画]
〔2020年/イラン〕
イランで暮らす主婦・ミナは、
夫が投獄されている刑務所に、
面会に行く。
今日は、夫の死刑執行の日なのだ・・・。
1年後、
ミナは、工場で働きながら、
聴覚障害のある一人娘を必死に育てていた。
そんなある日、
ミナは、
夫は冤罪であり、
真犯人が逮捕されたと、
裁判所から連絡を受ける。
衝撃に打ちのめされたミナの家に、
見知らぬ男が訪ねてくる。
「自分は、生前の旦那さんから金を借りていた」と・・・。
死刑反対論者の方々の理由の一つに、
「冤罪の可能性」があるのは、
よく聞く。
イランは、
世界一の死刑執行数だそうで、
だからこそ、余計に、
このような映画が作られる土壌があるのだろう。
死刑に関しては、
国や、宗教や、そして個人の考え方で、
その捉え方は違ってくるだろうけど、
なんとなく、日本では、
重大な罪を犯した者は、
死刑にするしかないのでは、
という考えが多い気がするけど、
どうなのでしょう。
私が自分で統計を取ったわけではないので、
正確な事は言えないけれど。
私自身、
重い罪を犯した人間が、
拷問などで自白させられたのでなく、
証拠があり、
しっかりとした裁判が行われたのであれば、
死刑しかないのでは、という考えなのは否定しない。
この映画は、
死刑の問題以外に、
女性の社会的地位や、
障害者の問題なども描かれ、
イランでは、
上映禁止になったという。
サスペンスとしては、
まぁ、普通な気がするけど、
イランという国を知り、
日本や、自分の考えを振り返る、
良い機会になる映画だった。
評価 ★★★☆☆