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「明日の食卓」 [映画]

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〔2021年/日本〕


神奈川県在住のフリーライター・石橋留美子(菅野美穂)は、
カメラマンの夫と、
長男・ユウ、次男・タクミの4人暮らし。
最近、立て続けに仕事が入り、
家事と子育てに、
いっぱいいっぱいの日が続いている。


静岡県在住の専業主婦・石橋あすみ(尾野真千子)は、
夫の実家の隣に家を建ててもらい、
一人息子・ユウを育てている。
姑との仲は決して悪くはないが、
どこか緊張を強いられる毎日。


大阪在住のシングルマザー・石橋加奈(高畑充希)は、
バイトを掛け持ちしながら、
息子・ユウを育てるのに必死・・・。





試写会で観た。


全員が、同じ「石橋」という姓で、
全員が、同じ「ユウ」という名前の、
10歳の男の子を育てているという、
一見どこにでもありそうな、
母の姿を描いたオムニバス映画。


観始めた時は、
なんだか軽い印象だったので、
この3人が、それぞれに、
大した問題でもない問題に、
緩く立ち向かっていくのかな、なんて
思っていたのだけれど、


話が進むにつれ、
ズシーンとくる。
重くて、気持ちが暗くなる。


最初は、高畑充希さんのパートが息苦しかった。
他の2人には夫がいる。
多少、何かあっても、
いざという時、頼れるではないか。
高畑さんは、彼女が倒れたら、
全てが立ちいかなくなる、と。


けれど、大変なのは高畑さんだけではなかった。
菅野美穂さんは、
仕事と家庭の両立、
さらに、フリーのカメラマンだった夫が、
無職になってしまい、
ストレスマックスの状態に追い込まれる。


尾野真千子さんは、
生活にはゆとりがある。
むしろ、暇すぎると言っていい。
しかし、息子のユウにイジメ問題が勃発すると、
夫から、
一日中のんきに家にいて一体何をしていたのかと、
責められる。


ありきたりな感想だろうけど、
日本中の誰もが「石橋さん」であり、
全ての子どもが「ユウ君」であり、
映画の中の事は、
全ての人に起こり得る事なのだろうと思う。


殆どのケースが、
大きな事件に発展しないのは、
人に、理性と、我慢と、赦しがあるからで、
あと1センチ踏み出したら、
どうなるか分からない危うさを含んでいるのは、
誰もが同じなのだろう。


評価 ★★★☆☆

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