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「不良姐御伝 猪の鹿お蝶」 [映画]

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〔1973年/日本〕


三歳の時、刑事の父を目の前で殺された
葛西杏子(池玲子)は、
父が残したダイイングメッセージ、
花札の猪・鹿・蝶が犯人のヒントだと確信し、
生きてきた。


美しく成長した杏子は、
「猪の鹿のお蝶」と名乗る女賭博師として、
一目置かれる存在になっていた。


お蝶は、
政界の黒幕・黒川の襲撃に失敗した男・柊を助け、
また、ある人物から、
妹・おゆきを救ってほしいと言われ、浅草にやって来る。


女郎屋に売られたおゆきを助けるため、
イギリス人女賭博師・クリスチーナ(クリスチーナ・リンドバーグ)と
勝負することになったお蝶は、
クリスチーナと柊が、
かつて愛し合っていた事を知る・・・。





ポルノ、というと、
たいていの人は、
「日活」を思い出すのではないかと思うけれど、
これは、
「東映」のポルノらしい。


でも、そんな事を知らないで観れば、
ちょっとエロシーンの多い、
女賭博もの、という感じで、
それほど淫靡な感じはしない。


ストーリーがしっかりしているし、
池玲子さんがとてもカッコよく、
何十人の男相手に、
女が一人で立ち回りをする姿には、
惚れ惚れしてしまう。


といっても、
池玲子さん、
最初は着物を着ているのだけれど、
立ち回っているうちに、
次第に着物が脱げてきて、
最後は全裸になるという(笑)。


その辺りが、
ポルノっぽいといえば、
そうなのかも。


それから、
柊とクリスチーナの恋が
なんだか切なかった。


クリスチーナはイギリスで、
柊と恋仲になり、
日本に帰った柊を追いかけて、
スパイとして来日するのだ。
2人はお揃いのペンダントを持っていて、
互いの写真を入れている。
中学生みたいな恋だわ(笑)。


クリスチーナを演じる、
クリスチーナ・リンドバーグさんって、
当時、有名な方だったんだろうか。
スウェーデンの人気女優だったそうだけど、
童顔で日本人好みな気がする。


それから、この映画、
クエンティン・タランティーノ監督も大好きだそうで、
監督の、「キル・ビル」は、
この映画へのオマージュもあるそうだ。


「キル・ビル」は大傑作だと思うけど、
劇場で観た、あの頃は、
私は今ほどにはまだ、
古い邦画の素晴らしさには気付いていなかった。
タランティーノ監督が影響を受けた映画を、
あの頃、知っていたら、
もっと楽しめたのに、
勿体ない事をしたな。
「キル・ビル」、もう一度、観てみよう。


評価 ★★★★☆

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