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◆幻色江戸ごよみ◆ [本]


幻色江戸ごよみ (新潮文庫)

幻色江戸ごよみ (新潮文庫)

  • 作者: みゆき, 宮部
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1998/08/28
  • メディア: 文庫


宮部みゆきさんが描く、
江戸・下町の、
人情と恐怖。


12の短編が収められていて、
どれも面白い中、
私が一番好きだと思ったのは、


第四話の、
「器量のぞみ」。


「醜女」で「大女」、そして「愛想なし」。
深川で父親と暮らすお信は、
花も恥じらう18歳だというのに、
長屋の皆からそう言われているし、
自分でも、重々承知している。
気風が良くても、
器量ばかりは、どうする事もできないと
諦めている。


ところが、そんなお信を、
この界隈でも有名な美男子・繁太郎が
嫁にほしいと言ってきた。


「冗談はよしとくれ」と、
最初は怒ったお信だが、
どうやら繁太郎は本気らしい。
彼は、お信に一目惚れしたと言う。


噂は瞬く間に広がり、
それを聞いた誰もが、
「ひえー」と声を上げる中、
お信は、繁太郎の元に嫁いだ。
繁太郎が優しくて、真面目で、働き者。
さらに、
舅姑、そして2人の妹たちも、
それはもう、お信に親切に接してくれて、
お信は、幸せながらも、
何か、恐ろしいような気持ちを拭えない・・・。


読み進めながら、
あぁ、どうか、
お信が不幸になりませんように、
この物語がハッピーエンドですように、と
願わずにはいられない。


でも、うん、大丈夫。
とても素敵なラストでした。





〓〓〓〓〓〓


ところで、この本、
近所の古本屋さんで買ったのですが、


中に、書店の栞が挟まれていました。

IMG_4365.jpg
「白石書店」。


うーん、どこの本屋さんだろう、
多分、今まで聞いた事のない本屋さん。

IMG_4365.jpg

「エスパル」というショッピングモールも、
ちょっと記憶にありません。


気になるので、検索してみましたら、
福岡県の本屋さんだと分かり、
ビックリ。
そこまで遠いとは思っていなかったのです。


福岡の本屋さんの栞が、
海を超えて、今は私の手元にある。
どのような経路を辿ってきたのかは、
分からないけれど、
ちょっと面白く思った出来事でした。

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コメント 14

newton

宮部みゆきさんの時代小説は大好きで、これも読んだはずですが、エンディングを覚えていません(苦笑)。もう一度、読み返そうかなぁ。「三島屋変調百物語」の文庫の最新刊を読んで満腹です。

by newton (2022-07-30 16:02) 

kiyotan

詩人の安西 均全集をネットの古本屋さんから購入
ところが届いた本には図書館の蔵書印が・・
そんなことがあるのかなと思いました。
by kiyotan (2022-07-30 16:10) 

mitu

読んでみたくなりました^^
栞の話も面白い^^
by mitu (2022-07-30 19:51) 

青山実花

newtonさん
コメントありがとうございます。

私はどちらかというと、
宮部みゆきさんは、
長編の現代小説を読んできました。
時代物も面白いですね^^
これから読んでみます^^
by 青山実花 (2022-07-30 20:58) 

青山実花

kiyotanさん
コメントありがとうございます。

図書館の除籍本から流れてきたのでしょうか。
古本屋さんから本を買うと、
思わぬ出会いがある事がありますね。
作家さんのサインが入っていたりとか^^
by 青山実花 (2022-07-30 21:01) 

青山実花

mituさん
コメントありがとうございます。

読みやすくて、
面白かったです^^
mituさんにもぜひ読んでほしいです^^

福岡の方が東京の古本屋さんに売ったのか、
東京の方がネットで買われた本なのか・・・
色々想像しています^^

by 青山実花 (2022-07-30 21:04) 

tommy88

ガリレオなら、実に面白いというでしょう。
領収書が挟まっている時も慈愛があります。
手放す怨念があるからと、母は古本を嫌いました。
子どものころの呪縛で、でも好きな作家は新刊を買います。
ただ、学生時代以降、古本でなけりゃ買えない時代もありました。
また、船乗りだった時代、書店の棚を横に全部買いもしてました。
要はカネがあるかないかで、出会いも形を変えました。
宮部みゆきさんが短編も手掛けていらっしゃるとは、夏休み明けの課題図書。
『1秒先の彼女』という台湾の映画があります。
機会を見つけてご覧あそばせ。
乙女座のオジサンにはウキウキワクワクの映画でした。
決して美人じゃない主役が、とても魅力的に変わる後半、恋です。

by tommy88 (2022-07-31 04:20) 

わたし

宮部みゆきさんの本は何冊か読みました、家にまだあるのは「火車」ですが、これはうちのそばで一家五人殺しがあったのでそれがモデルと言われている小説でした。
挟んであるしおりが遠く九州からのものって、ドラマありますよね、わたしもそういうのを見ると、最初にこれを買った人の事を思いめぐらせるタイプです。
by わたし (2022-07-31 14:47) 

リュカ

その栞のお話し、なんか良いなあ^^
なんか縁を感じちゃいますね^^
どんなひとが手に取ったのかな〜なんて
いろいろ想像しちゃう。
by リュカ (2022-07-31 17:46) 

青山実花

tommy88さん
コメントありがとうございます。

本に、栞でなく、
領収証が挟まれているのも、
遭遇した事があります。
好奇心旺盛な私は、
人様のお買い物の記録が珍しく、
真剣に見てしまいました^^;

宮部みゆきさんは、
長編が多い印象ですね。
この本、いつか読んでみてくださいね。

「1秒先の彼女」ですね。
いつか観てみます^^

by 青山実花 (2022-07-31 20:29) 

青山実花

わたしさん
コメントありがとうございます。

私も「火車」読みました^^
・・・が、わたしさんのおうちのそばで、
事件があったとは驚きです。
意外なところで、繋がりがあるものですね^^;

栞に書かれた「若松」の文字から、
新宿の若松河田駅か(でも、あの駅に駅ビルはないし)
遠くても、会津若松だと思ったので、
まさか、海を越えているとは思いませんでした。
遠くから来てくれたのだと思うと、
嬉しいですよね^^

by 青山実花 (2022-07-31 20:29) 

青山実花

リュカさん
コメントありがとうございます。

ほんと、もし栞が言葉を話せたら、
どういう経路を辿って、
うちにお嫁にきたのか、
詳しく聞きたくなっちゃいますね^^


by 青山実花 (2022-07-31 20:29) 

裏・市長

青山実花さん!!
あなた不用心にもホドがありますよ!!

「近所の古本屋」で買ったと書いて、
「白石書店」のしおりなどをインターネッツ上で
公開したら…青山実花さんのお住まいが
世間にバレてしまいますよ!いいんですか?

…しまった!支店が7店舗もあるではないか!!
これでは特定はなかなか困難です…。

まぁ、元・刑事の私からすれば、
足で稼ぐ、地道な聞き込み捜査を行えば
ほどなく青山実花さんのヤサは判明すると思われます。

枕を高くして寝られるのも今の内だけだ!
首と手を洗って、うがいを忘れずに待っていろ!
by 裏・市長 (2022-08-11 21:21) 

青山実花

裏・市長さん
コメントありがとうございます。

裏・市長さん、
わたくしが、ちょっとブログを書くと、
すぐそこから
わたくしの住まいを探し出そうとするような、
ストーカー行為は、
おやめになってくださいませね。

わたくしは、福岡在住ですが、
あえて、福岡ではない書き方をして、
目くらましをしているのですよ。

それを、白石書店の近所だなんて、
何も本当の事をバラさなくたって
いいではありませんか。

by 青山実花 (2022-08-17 23:36) 

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