「白い粉の恐怖」

〔1960年/日本〕


麻薬取締官たちを乗せたトラックが、
密売現場を襲い、
売人の宮本と、売春婦のユリ子（中原ひとみ）を逮捕した。


ユリ子は、妊娠しており、
取締官の須川（三國連太郎）に、
釈放を懇願、
須川は、捜査に協力する事を条件に、
願いに応じた。


けれど、ユリ子が組織に狙われるようになったため、
須川はこれを機会に、
ユリ子を更生施設に入れ、
薬物から脱却させる。


施設から出てきたユリ子は、
少しの間、須川の家に逗留する事になるが・・・。






この映画は正しい映画、
な気がする。


薬物を扱った映画は、
決してハッピーエンドにしてはいけないという
暗黙の決まりがあると、
何かで聞いたことがあるけれど、
それでも、たまに、
薬物から完全に抜け出した、という映画を観る事がある。


そういう意味では、
この映画は、
まるでお手本のようなラストだ。


オチを書いてしまうと、
最後に、中原ひとみは死ぬ。
そして、火葬されると、
彼女の骨は、
箸で挟む事ができないほど、
ボロボロになっていて、
薬物中毒の恐ろしさを思い知る。


それにしても、
世の中これだけ、色々なものやことが発達しているのに、
薬物だけは、
何年経っても変わらない。


最初の数回は、
タダでもらって、
何となく使っているけれど、
中毒になってくると、
今度は、大金で売り付けられて、
お金が無い女は、
売春してでも、薬代を稼ぐようになる。


この流れは、
今の薬物に関するニュースを見聞きしていても、
何も変わっていない。


捜査官の、三國連太郎さんが、
「スーさん」と呼ばれている事が可笑しい。


そうよね、
三國さんといえば、「スーさん」よね（笑）。
「釣りバカ日誌」より、30年も前から、
彼は「スーさん」だったわけね。


で、「スーさん」は、
中原ひとみさんを、
自分の家に連れてきて、
妻に、
「しばらく置いてやってくれ」って。


妻は、渋い顔をして、納得いかない感じなんだけど、
その気持ちも分からなくはない。


仕事とはいえ、
夫が女性を匿うなんて、
え！？なんで！？
という気持ちだろう。


しかも中原さん、
薬物は断ったと言いながら、
実は、「スーさん」の家で、隠れて打っている。


同じ屋根の下に、
違法薬物をやっている人がいるって、
想像すると、かなり怖い事なんだけど。


評価　★★★☆☆

コメント 8

普通にヒロポンを売ってた時って、その後止めることができたのかしら・・・本当にコワイ！！
by Ginger (2020-02-21 13:57) 

「白い粉の恐怖」そのままの映画タイトルです。
ほんとに、昔から薬物のルーティーンは変わってないのですね。
こんなに時代は変わっているのに。
そして、そんな昔から「スーさん」には、笑ってしまいました。
三國連太郎さんも「釣りバカ」の台本読んでびっくりしたでしょうね。
by わたし (2020-02-21 23:14) 

薬物で逮捕されても初犯は執行猶予付きの有罪判決じゃないですか。
そう言うのを減らすには初犯でも執行猶予を付けないで実刑にした方が良いと思いますが？
by 英ちゃん (2020-02-22 01:05) 

Gingerさん
コメントありがとうございます。

ほんと、昔は簡単に覚醒剤が買えたそうですが、
それを打っていた人たちの最期って、
どんなだったんでしょうね。
聞いてみたいけど、
そのような知り合いはいないし（笑）。
by 青山実花 (2020-02-22 11:27) 

わたしさん
コメントありがとうございます。

こんな分かりやすいタイトルはありませんね（笑）。
薬物は、最初の1回目が肝心だと思うので、
まだ真っ新な若い世代に、
その恐ろしさを教えねばならないと思ったりします。

三國連太郎さんは、いつの時代もスーさん（笑）。
台本を見て、「え！また？」と思ったりして＾＾

by 青山実花 (2020-02-22 11:30) 

英ちゃんさん
コメントありがとうございます。

刑が甘いから、「大した事ないじゃん」と思ってしまう人いるの
ですよね。
それから、芸能人に限っていえば、
すぐ復帰の話をするコメンテーターがいたり。
本人が「引退する」って言ってるんだから、
ほっとけよ、と思います。
元々、演技なんか下手なんだから。
（誰の事だか（笑））。
by 青山実花 (2020-02-22 11:36) 

やはり白い粉経験者の青山実花さんが
書かれるレビューには説得力がありますなぁっ！。

青山実花さんほどの精神力があれば、
白い粉の魔力に憑りつかれても、
それをすぐに断ち切ることが出来る。

怖ろしいです。白い粉＝ベーキングパウダー。

あれほど焼き立てパンにハマっており、
自宅で食パン焼き機まで購入していた
青山実花さんがある日突然、白いご飯党になるなんて…。


いやぁ、驚きなのは中原ひとみさんな！。
この当時はまだ「清純派」で売ってたハズやで。
それがいきなりのポン中で最後死によるねん！。
今だったら、どうやろな…、
芦田愛菜ちゃんが893の情婦で、
売春クラブを経営してる…ぐらいのインパクトやで。

家族で歯磨きしはじめるのは、
このずっと後のことであった…。

ヒロポンとは、疲労がポンと取れるからヒロポンと言う。

エロポンとは、裏・市長さんの口から、
エロチカな言語が教えもしないのに
ポンポン飛び出る現象を言う。これ、試験に出るぞ。
by 裏・市長 (2020-02-24 06:28) 

裏・市長さん
コメントありがとうございます。

あら、裏・市長さんたら、よくご存じですわね。
わたくしが、
白い粉の愛好者という事を。


わたくし、若い頃は、
それはもう痩せておりまして、
皆様から、
「もっと食べないと駄目だ」と
そればかり言われてきたのでございます。

それが今ではどうでしょう。
やっぱりあの時、白い粉＝ベーキングパウダーを
摂取しすぎたのでしょうか。
体は膨らむ一方でございます。

久し振りに会った友人が、
「主食がチョコレートだったあなたが、
　とんかつを食べるなんて信じられない」と
言わしめたくらいなのでございます。


おかげで、出演していた歯磨きのCMも降板となり、
今出ているCMは「蒟蒻畑」だけでございます。

もう疲れました、
疲労がポンと取れる薬でも飲もうかしら・・・。

by 青山実花 (2020-03-02 16:41)